幼馴染み 第2章 69話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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うちに帰るとお父さんが最初に今日の試験の事を聞いて来た。


「どうだった?」


「うん、思ったよりスラスラ書けたと思う。多分大丈夫だと思うけど。


あと後期日程があるからそれを頑張るだけ。」


「そうか。前期日程がうまくいったからって安心してるんじゃないぞ。」


「分かってる。」


最近、お父さんは帰ってくるのが早い。時々だけどケーキまで買ってきてくれる様になった。


時間はかかったけど、前みたいな家族になってきて良かった。


「琴音。」


「ん?」


「頑張ってるからケーキ買ってきたから。」


「ホント?ありがとう。」


キッチンに行くとお母さんは夕食の準備をしてた。


「ただいま。手伝うよ。」


「いいのよ。あと一回テストがあるんだから、勉強してなさい。出来たら呼ぶから。」


三人で夕食を食べてたらお父さんが、


「吉田君も受けたんだろ?彼はどうだったんだ?」


「守は私より頭いいんだもん。大丈夫だよ。」


私は守が前に言ってた大学に入ったら一緒に住む事をお父さんに相談した。


「お父さん。お願いがあるんだけど。」


「なんだ。」


「言いにくいんだけど…。もし大学に合格したら守と一緒に住んじゃダメ?」


お父さんが箸の動ぎが止まった。お母さんは私の顔を見た。


「琴音、琴音は今何歳だ。」


「18.。」


「10代で同棲なんて許すわけないだろう。」


「じゃぁ20歳になったらいい?」


「その時の琴音と吉田君の姿勢次第だな。」


「うん。分かった。」


夕食も終わりいつも通り洗い物をしていたら、今日の正也の言った事を思い出した。


正也は遠藤さんと同じ大学に行かないんだよね。


遠藤さんはイギリスに留学するって言ってたから。


…。寂しくないのかな。それに1回も遠藤さんは正也ん家に来た事がなかった。


どっかでデートとかしてるのかな。遠藤さんも中国に興味があるって言ってたから


図書館で会ってたりするのかもしれない。


だけどがっかりだな。大学に入ったら守と一緒に住みたかったのに。


でもお父さんが言う事も納得できる。


あと2年我慢するか。