幼馴染み 99話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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転校先に転校初日、守がうちまで迎えに来てくれた。


「私の方が守の駅に行くって言ったのに。」


「でも、こっちの方が二人の時間があるだろ。」


「うん。」


「前のブレザーの制服も良かったけど、今回の制服もいいな。似合ってる。」


「そう?良かった。」


と、言うわけで私の最寄駅から二人で登校した。


途中の駅で正也と真吾が乗ってきたけど、やっぱり最初にからかうのは真吾だった。


「いつもの時間に来ね~と思ったら、琴音の事迎えにいてたのか。」


「まぁね。」


「今日からかぁ。なんか緊張してきちゃった。」


「大丈夫だろ。問題は誰と同じクラスになるかだな。俺と守は同じクラスだから


下手したら誰とも同じクラスにならないかもしれない。」


「出来れば誰かと同じクラスになりたいなぁ。」


「本当は守と同じクラスがいいんだろ?正直に言えよ。」


真吾がバックを頭の後ろにぶら下げながら笑って言ってる。


そりゃ、そうだけどさ。


正也の方をチラリと見たけど、電車の中でまでも本を読んでる。


私も歴史は好きだけど、電車の中までは読まないな。


転入テストの時に1回この学校には来たから場所はわかっていた。


でも、生徒が登校してくるのは初めてだ。


でも…。やたら視線を感じる。特に女子。


なるほど。正也達が見られてるんだ。その中に私がいるから余計視線が多いのかもしれない。


「ねぇ、何か視線感じない?」


「まぁな。でも慣れちゃったよ。」


「ふ~ん。」


それだけ正也達は注目の的って事か。


「私、職員室に寄ってくから。」


「場所、知ってるか?」


守が心配そうに聞いてくれた。


「…。知らない。」


守はため息をつきながら笑うと、


「連れてってやるよ。」


そんな私と守の会話を聞いてた真吾は、


「ごゆっくり~。」


なんて言ってバカにした。もう!そんな事言っちゃったら私達が付き合ってるのがバレちゃうじゃん。


私は職員用の出入り口から学校に入って、守は自分の靴箱に靴を入れて、事務室まで


迎えに来てくれた。


「琴音、こっち。」


守は私の手を引いて、2階にある職員室まで連れてってくれた。


「じゃ、同じクラスになれるといいな。」


「うん。ありがとう。ここまで連れてきてくれて。」


「いいよ、これぐらい。」


私は守と同じクラスになれるかどうかの期待と不安を胸に職員室に入った。