守はあんまり遅くまで勉強しない方がいいって言ってたけど、
私は日付が変わった1時まで勉強した。
特に数学。やっぱり守に教えてもらわないとわかんない事が多いや。
数学用のノートにわからない問題を書いて、明日守に教えてもらおう。
ノートにわからない問題を書いてると、さっき守とキスをした事を思い出した。
井上君から無理矢理キスされた時はすっごく嫌だったけど、守は違った。
やっぱり私って守が好きなんだ。
今まで恋愛の事には興味がなかったけど、守と付き合う事が決まって少しは興味がわいてきた。
…。どんなデートするのかなぁ。
前に正也に動物園に誘われた時はつまんなかったけど、守だったら楽しいかもしれない。
でも守ってイケメンだから今まで彼女がいなかったって事はないよね…。
今までの彼女ってどんな子だったんだろう。
何で守は私を好きになったんだろう。
まさか遊びって訳じゃないよね。守って真面目だし。
そして正也は私と守が付き合い始めたって知ったらどう思うだろう。
…。こんな事を考えるってのは真吾が言う『女の子らしい』って言うのかな。
考え過ぎて時間は2時になっていた。
もう寝なきゃ。明日起きれなくっちゃう。
机の上にある薬の山から睡眠薬を飲んでベットに潜りこんだ。
次の日、学校に行ったらまた井上君に廊下で付き合ってくれって言われた。
「悪いけど、あんな事されてまで彼女になれると思ってるの?
それに私、彼氏出来たから。」
「マジで?」
「そう。前にあった事がある男友達の一人と付き合う事にしたの。だから諦めて。」
「会わせろよ。」
「えっ?」
「そのお前の彼氏になった奴。」
「会ってどうするのよ。」
「大原と付き合うのは俺の方がふさわしいって言ってやる。」
「そんな理由なら会わせない。だって無駄な事だもん。じゃ、授業始まるから。」
これ以上井上君と話すのもバカバカしくなり、私は教室に戻った。
もし、転校テストが合格だったら、これ以上井上君とかかわる事はなくなる。
私は早く転入テストの日が来ないかなって思っちゃった。
その前にテストの勉強しなくちゃ。
落ちたら、この学校に残らなくちゃいけなくなるんだから。
次の授業は日本史だった。
山田先生の授業を受けられなくなるのは残念だけど、先生の提案通り先生のうちに行って
日本史の事をもっと教えてもらおう。