5時位になってから妙子さんがまた部屋に来た。
「真吾、守。今日は琴音のお母さんと食事に行くから、悪いんだけど今日はお開きにしてもらえる?」
「それって琴音も行くの?」
「当たり前じゃない。」
「なんかずるい感じがする。」
真吾は不平を言ってたけど、うちと正也ん家は家族ぐるみの付き合いだからしょうがないじゃん。
真吾に対して守は黙々を帰る準備をしてた。
「じゃぁ俺、も一回学校行ってくるから。」
「何しに?」
思わず聞いてしまった。
「物理でわかんねぇとこがあるのに今気が付いた。先生に聞いてくる。」
「守ってホント勉強熱心だね。」
「将来は医者目指してるからね。これぐらいしないとなれないでしょ。
じゃぁ妙子さん、お邪魔しました。」
「明日のテスト頑張んのよ。」
「はい。」
そう言って守は真吾を引きずる様にして帰って行った。
「琴音、正也。行くわよ。」
「は~い。」
私は返事をしたけど正也は無言だった。
「今日はどこのお店に行くの?」
「ネットで見つけた居酒屋さんがあったのよ。そこ。」
「私はお酒飲めないよ。」
「いいのよ。私達が飲むんだから。琴音はジュース。」
「分かってるよ。」
「正也。もう行く準備出来てんだから早くしなさい。」
「俺、行かない。適当に何か作って食べるからいいよ。」
なんだか今日の正也って機嫌悪そう。
あの井上君からキスされた事を守から聞いたからかなぁ。
「じゃぁ、ちゃんと戸締りしてなさいよ。達也は連れてくけど、本当に行かないのね。」
「行かない。」
「そう。じゃぁ琴音、行くわよ。」
私は、
「正也、また明日ね。試験頑張って。」
って言ったけど返事はなかった。
…。私、またマズい事言ったかなぁ。
そう思いながら妙子さんのあとについて行った。