私の彼、紹介します 68話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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私はたっか~いオレンジジュース代を払って、ホテルに向かった。


すでに綾香が来ていて、物珍しそうにホテルを見上げてた。


1階のラウンジで待ち合わせしてたけど、綾香は何か注文してるみたいだった。


私は二杯目はごめんだった。絶対ここのコーヒーも高いに決まってる。


綾香は私を見つけると手を振った。


立ち上がり、清算を済ませると私の元へ駆け寄ってきた。


「ねぇ、この服で大丈夫?」


「大丈夫過ぎる位よ。あんた、何でこんなブランド品の服持ってるの?」


「旦那のボーナスが出る度に一着づつ買ってきてるの。」


綾香はヴィトンのシャツに、シャネルの黒いロングスカート、グッチのスカーフをしてた。


しかもバックはエルメスのバーキン。


「ご主人、何も言わないの?」


一回しか会った事ないけど、物静かな人だった気がする。


「全部ユニクロって言ってる。」


「それを信じてるの?このタグが付いてて。しかもバックなんて超有名ブランド品じゃない。」


私はスカーフに付いてる、グッチのマークのタグを引っ張った。


「ちょっと、やめてよ。せっかく綺麗にしたのに崩れちゃう。」


綾香はスカーフを元の位置に戻すと笑ってた。


「信じてるから、今まで私がちょくちょくこういう服を買えるんでしょ。」


「ご主人が気の毒になってきた。」


「そんな事どうでもいいから行こ。」


この期に及んで彰君の職場に行くのが嫌になってきた。


なんだか彼氏を自慢してるみたいで…。いや、自慢の彼なんだけど


彼の職場を自慢してるみたいで嫌なんだ。