私の彼、紹介します 66話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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私がお風呂を掃除してる時、携帯が鳴った。


着メロで綾香ってわかる。私って人によって着メロ変えてるんだよね。


そうしたら、すぐに誰からかかってきたのか分かるし。


濡れた手をそばにあったタオルで拭いてから、携帯に出る。


「もしもし?」


「私。」


すでに私達は名乗らなくてもいい間柄だ。


「準備オッケー。どこで会う?」


「じゃぁさ、こないだ雑誌で見たケーキ屋さんが美味しそうだったからそこ行かない?」


「どこ?」


「原宿。」


「え~っ、遠いじゃん。」


綾香は遠出するのが好きじゃない。出かけるとしても2駅隣のショッピングモールぐらい。


「じゃぁね…。」


私が考えていると、


「ねぇ、佳那の彼氏って何してる人?」


会ってから話すって言ったのに…。


「ホテルでウェイターしてる。私もこないだ転職してホテルで働いててそこで会ったの。」


「あんたがホテルのウェイトレス!似合わない気もするけど。」


「ウェイトレスというより受付かな?フレンチで受付してる。」


「ますます似合わない。で、その彼は今日は休みじゃないの?」


「今日は早番だからもう出かけちゃったよ。」


「どこのホテル?」


私は彰君が勤めているホテル名を言った。


「なによ、すっごい一流ホテルじゃない。」


「ウェイターとしての腕は一流だからね。」


「あんたの彼氏を拝みに行きたいからそこでランチしない?」


「え~っ、すっごく高いんだよ。一回ランチに行ったけど二人で二万近くしたんだから。


それに綾香、遠出するの嫌いじゃない。」


「私が見たいんだから、私が出すよ。


佳那の彼氏を見れるんだったらそれぐらい行くわ。」


「…。その執念には負けるわ。でも、主婦のあんたにそんなお金あるの?」


「主婦だからこそ、へそくりっていうのが出来るのよ。」


私はあんまり…。と言うかかなり乗り気じゃなかったけど、綾香がしつこいので


彰君のいるとこでランチをする事にした。


「服装とか気を付けてね。ドレスコードが一応あるから。」


「分かってるって。私も結婚前の結納の時それなりの服装したんだから。」


「だからって着物で来ないでね。」


「そこまで大袈裟にしませ~ん。じゃぁ、ホテルの最寄駅に着いたらまた電話するね。」


「ハイハイ。」


って事は私も着替えないと。ジーパンじゃマズいもんね。