彰君ん家のベッドは広い。きっとダブルはあると思う。
「ねぇ、一人暮らしなのにベッドがこんなに大きいの?」
「女の子対応。」
「えっ?」
「冗談。ただ単に寝相が悪いから。」
「…。何でそんな平然とした顔で言えるのかがわからない。」
「慣れ、慣れ。ほら、明日俺、早番なんだからさっさと寝る。」
「は~い。」
電気を消してその大きなベットに二人で潜り込む。さっさと寝ようと言いながら話しかけて来たのは
彰君の方だった。
「俺、引っ越そうと思ってるんだけど。」
「どこに?」
「今のホテルの近所。」
「だってあそこ都内じゃん。家賃高いよ。」
「早番の時始発位で出ないと間に合わないんだよ。」
「そしたら私達なかなか会えなくなっちゃう。」
「だからさ、佳那も都内のホテルに転職してみたら?そしたら一緒に住めばいいし。」
「私に都内のホテルで務まる様な所あるかなぁ。」
「あるよ。こないだ行った時佳那も成長したなぁって思ったし。
今度の休みから佳那でも勤められそうなホテル探そうぜ。」
「毎回食事して?そんなお金ないよ。」
「大丈夫。こないだボーナスが入ったんだ。半分近くは佳那用の通帳に入れちゃったけど
ボーナスの額が、今佳那が働いてるとこの3倍だった。」
私はおもわずベットから飛び起き、
「そんなに?!」
「あそこは超が付く程の一流ホテルだからな。自分でも驚いたよ。」
彰君が私を再びベットに招き入れると軽くキスをした。
「結婚資金も思ったより早く貯められそう。」
「ホントに私、彰君のお嫁さんになっていいの?」
「25で結婚って早いかなって思ったけど、佳那がアラサーだから。」
「彰君…。わざと『アラサー』って言葉使ってるでしょ。」
「いいじゃん。事実なんだし。さて、明日はホントに早いから寝よ。」
「うん。明日何時に起きればいい?」
「4時半。」
「そんなに?!」
時間をセットしている彰君の目覚まし時計を見ると1時だった。
3時間半しか寝れないじゃん…。
今日はイチャイチャするの辞めて寝よ。