いつものファミレスで橋本さんと彰君は仕事終わりに会った。
私も同席しようかなって思ったけど、橋本さんは彰君に用事があるから辞めておいた。
でも気になったから、こっそり他の席に移動して二人の様子を見ていた。
「あの…。柳沢さんって大久保さんと付き合ってるって本当ですか?」
「うん。それがどうかした?」
「…。いえ。」
「もしかして俺に惚れちゃった?」
彰君は冗談で言ったみたいだけど、橋本さんは真っ赤になってた。
「…。冗談じゃなさそうだね。」
「はい。」
「でも、俺は佳那と付き合ってるから、申し訳ないけど橋本さんの気持ちには答えられないよ。
ごめんね。」
「いいんです。なんとなくそう思ってたから。話はそれだけです。」
そう言うと橋本さんは席を立った。
彰君はその後ろ姿を見送った。
私は彰君一人になってから、彰君のいる席に行った。
「あれ?佳那も来てたの?」
「なんとなく気になったから。」
「今の話聞いてた?」
「うん。」
「大丈夫だよ。俺は佳那一筋だから。」
その言葉を聞いても私は不安だった。
だって彰君、かっこいいもん。
次のホテルに行ってもこんな事があるのかなぁ…。
会える時間が減るから、不安は膨れ上がった。
「ねぇ、次のホテルでこんな事あっても大丈夫?」
「大丈夫だよ。佳那は心配症だなぁ。」
彰君は全く気にしてない様だった。
でも私の不安は的中した。
次のホテルに彰君が挨拶に行った時、ほとんどの女の人が彰君の事を見ていた。
本当に彰君は私の事、大事にしてくれるのかな。