Tomorrow is another day 番外編 66話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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麻子は再び中島に連絡を入れた。


「何度もごめんね。私も心配だから見送りに行く。」


「分かった。2時35分発ので帰るらしい。東京駅も広いからどこかで待ち合わせるか。」


「そうね。確か東京駅内に『ブーランジェりー ラ・レール』ってカフェがあったと思うの。そこは?」


「場所がわかんねぇ。」


「インフォメーションセンターがたくさんあるから、そこで聞いてみて。」


「分かった。」


麻子は帰り支度をすると、渡部の元へ行った。


「中島さんの知人って私も知ってる女性なんです。男性じゃ気づかない事も気づくと思うので


今日は上がらせて頂いていいですか?」


「そうだな。あいつ一人じゃ女性に対応するのも難しいだろう。いいよ。今日はあがって。」


麻子は一礼してから会社を出、走って大通りに出てからタクシーで東京駅に向かった。


カフェに先に着いていたのは中島達の方だった。


東京駅と千夏が搬送された病院が近かったのだ。


「大丈夫ですか?巧さんに聞いたんですけど事故ですって?」


「えぇ。大丈夫です。かすり傷ですから。


それにすみません。、見送りに来て頂いて。中島さんだけでも十分だったのに。」


「心配だったので…。」


「ありがとうございます。」


千夏は時計を見ると、


「もう行かなきゃ。30分前ですもの。駅が広いから迷ったら困るし。」


そういうと腰を上げ荷物を持とうとした。


その時、苦痛に顔をしかめた。正確に言うとしかめた様に演技をした。


「僕が持ちますよ。その手だったらこの荷物は大変でしょう。」


「ありがとうございます。」


中島と麻子が千夏を見送ってから駅構内のカフェでコーヒーを飲んでいたら


麻子が不審に思った事を中島に言った。


「本当に事故だったのかしら…。」


「事故に決まってるじゃなか。俺の携帯に救急隊の人から連絡があったんだから。」


「そうね…。」


先程の中島への態度で千夏が中島に好意を持っている事が分かった。


中島が変わりにバックを持とうとした時に、麻子は見てしまったのだ。


千夏の冷笑を。


(きっと気に入ったものは手に入れないと気が済まない人の様な気がしてきた)