Tomorrow is another day 第2章 33話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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三人で立ち話をしていると、一人の男性が近づいてきた。


「千夏。どこ行ってたんだ。」


「昔の知り合いに会ってたから、ちょっと話してたのよ。」


(奥さんの事、名前で呼んでる・・・。中島さんが言ってた通り、付き合ってる人がいたんだ・・・)


「誰?」


「前の旦那の、忘れなかった人。」


「へぇ。この人がねぇ。」


千夏の付き合っているであろう、男性は興味深々の視線で麻子の足の先から頭まで見ていた。


その視線が、とても下品そうに見えて、早くこの2人と離れたかった。


「行こう。」


優人が麻子の腕を取って歩き出した。


「じゃぁ、失礼します。」


麻子が離れようとしたら、後ろから千夏が呼び止めた。


「私は彼の携帯を見ただけじゃないの。あなたとの事も調べさせてもらったわ。」


「そうですか。」


「私だって人の事言えないけど、あなたもなかなかやるわよね。」


きっと中島とホテルから出てきた事などを調べたのだろう。


「私の話はこれまでよ。あの男性と幸せになるといいわね。」


馬鹿にしきった口調で麻子に言うと男性と子供を連れて去っていった。


優人は千夏を睨みながら、ボソっとつぶやいた。


「こんな事言うのも変だけど、中島さんはあんな風の女性を選んだんだろう・・・。」


「わからないわ。でも、彼はあの人と結婚して本当に幸せだったのかしら。」


「それは僕も思った。ただ、あんな感じの女性だから、麻子さんに連絡を取ってきたんだろうね。」


二人の後ろ姿を見ながら、優人も麻子も中島の事が気になった。


今まで二人共中島の事を憎んでいた時期もあったが、中島の事が心配になってきた。