Tomorrow is another day 第2章 始めからの方はこちらから
その日、優人が出社すると1通の手紙がデスクに置いてあった。
差出人を見ると真亜子だった。
封を開け中を見ると真亜子がウェディングドレスを着て男性と写真を撮っている結婚の案内状だった。
『この度、わたくし岡田 雅弘と加山 真亜子は結婚致しました。
まだまだ未熟な私達ですが、よろしくお願い致します』
文章は真亜子の字で書かれていた。
封筒を見るともう1通小さな封筒が入っている。
『店長へ。今月、結婚しました。私が転職したインテリア店で知り合った方です。
最初は店長の事が忘れられませんでしたが、彼が親身になって相談に乗ってくれたので
店長の事は思い出にする事が出来ました。これからは彼と幸せになります。
店長も小林さんと、どうか幸せになって下さい』
真亜子からの手紙で優人は安堵した。
(よかった。幸せになってくれて)
だが、最後の『小林さんと幸せになって下さい』の文章で最近の麻子の様子を思い出してしまった。
編集長に仕事の量を減らしてもらったとはいえ、最近帰りが遅い事が増えた。
料理教室と言っていたが、毎日ある訳でもないと思っていたので、
まさか、と思いつつも『もしや…』と考える事が多くなった。
(今晩も帰りが遅かったら聞いてみようか…)
だが、麻子に限ってそんな事はないと思いたかった。
自分が真亜子と関係を持った時の麻子の悲しみを考えるとありえないと信じたかった。