Tomorrow is another day 96話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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今日、二人共食事をしていなかったのでどこか食事が出来る所を探した。


以前行った店は麻子も優人も苦手なマスターがいたのでパスした。


砂浜をしばらく歩いて、オープンカフェになっている店を見つけた。


「優人さん、あそこに良さそうなお店がある。」


「じゃぁ、そこにしようか。」


二人で店に入ると、もうそろそろ海水浴シーズンという事もあり若い年代の客が多かった。


店全体が若者向けなのだろう。店員も若かった。


「いらっしゃいませ。こちらメニューになります。」


今日のパスタとピザの説明をして店員は水を置いて去っていった。


麻子がペラペラとメニューを見ていると優人がボソリとつぶやいた。


「ありがとう。僕を許してくれて。」


メニューを見ていた麻子の手が止まる。そして優人の手に自分の手を重ねた。


「もういいの。優人さんは中島さんの事から私を助けてくれた。それだけでも十分よ。」


「でも僕は中島さんと同じ様な事をしてしまった。許される事じゃないよ。」


「…。でも私はあなたと別れるつもりはないわ。一緒に人生を共にしたいと思ってる。


式はともかく、入籍は早めにしましょう。そして私達の家庭を築いていくの。


あなた、前に私に言ったわよね。希望は捨てちゃいけないって。


だから希望を持って将来の事を考えましょう。」


こんな不祥事を起こした時、何故女性の方が強いのか優人にはわからなかった。


でも、少なくとも麻子は中島との間で辛い事があった。それが彼女を強くしてるのかもしれない。


再び店員がやってきて注文を聞いてきた。


「ここのオススメって何かしら。」


「期間限定で、シーフードのサラダとパスタのセットを出してます。


パスタは選べますので、お二人で別々のパスタにされてはどうですか?」


「じゃぁ、パスタはあなたにお任せするわ。そのセットを2つお願い。」


「いいんですか?私が決めっちゃって。」


「お店の方が一番美味しいのを知ってるでしょ?任せるわ。」


「はい。ありがとうございます。」


「優人さんもそれでいいかしら?」


「うん。」


今日は完全に麻子に主導権を握られそうだった。