2つの鍵 31話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

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武が出て行ってから2週間が経とうとしていた。


浩之との事は誤解を解こうと思い、何度も武の携帯に電話を入れた。


だが、何度かけても武は電話に出ようとはせず


このまま小川家は自然消滅で


離婚してしまうのではないかと美奈は危惧した。


一番の危惧は浩之が武に、香が武の子供ではなく浩之の子供と言う事を


告げる事だった。


今まで必死になって隠していた事が浩之の


出現によってどんどん暴かれていく。


香は香で、父親が家にいない事を不審がっていて、


「ママ、パパは出張に行っちゃったの?いつ帰ってくるの?」


何度も聞いてきた。


「パパもお仕事忙しいから、きっと大変なのよ。」


まさか自分のせいで父親が帰ってこないなんて言えなかった。


(…もう限界かもしれない。本当の事をあの人に話すしかない。)


日を追う事にその考えは膨らんでいった。


だが、美奈はまだ知らなかった。


武が香の事を自分の子供ではない事に気づいている事に。