光は担架に乗せられ救急車に運ばれた。救急隊員の人が、
「同行されますか?」
私に聞いたので、頷いて救急隊員の人の手を借りて
救急車に乗り込んた。思ったより狭く
私は光の今、飲んでいる薬とか持病とか聞かれた。
そこで初めて光の事を何も知らない事に気が付いた。
付き合い初めて1年以上経つと言うのに…。
光が忙しくて会える時間がなかったというのもあるけど、
こんなにも知らないなんてフィアンセ失格だと思った。
でも、一緒に同行したマネージャーの上杉さんは
当たり前かもしれないけど、病歴とかは全部知っていた。
指に酸素チェックのチューブが付けられ口には
酸素マスクが付けられた
。背中の血は応急処置でほぼ止まり、私は少し安心した。
「病院は近くの病院でいいですか?」
の問いに私は早く処置して欲しくて、
「どこでもいいです。すぐ処置してくれる病院なら。」
当たり前の様に答えたが上杉さんが、横から、
「いいえ、××病院にして下さい。」
「それじゃぁ、ここから遠いじゃないですか。」
「ここの病院だったら、報道陣に見つかっても確実に
かくまってくれます。事務所でもよくここの病院を使ってます。
命に別状がないならここにして下さい。」
「そんな…。」
「今は報道陣から逃げるのが先です。」
「…」