OLと女優 第2章 47 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

最初から読む方はここから


それと入れ違う様に救急隊の人達が光の元へやってきた。


私は慌てて光の元に戻り、光の耳元で囁いた。


「光、光。もう、大丈夫よ。救急隊の人達が来て来れたから、


しっかりして。ねぇ、目を開けてよ、光ってば。」


だけど光は目を覚ますどころかぴくりとも動かなかった。


私はこのまま光が目を覚まさないのではないだろうかと


おもうと心臓をわしづかみされた様になり


武内さんが静止するのも振りほどいて、


応急処置されている光にしがみついた。


「光!嫌よ。こんな事で死んじゃうなんて。


私が許さないんだから。私を一生守ってくれるんでしょ。


お願いだから目を覚まして!」


そして救急隊の人にも、


「お願いです。この人を助けて下さい。


この人は私だけじゃなく国民のみんなに愛されてる人なんです。


お願いです。お願いします。」


しがみついて懇願した。


すると救急隊の人は私の手をゆっくりとほどくと


力強く私の両手を持って、


「大丈夫ですよ。落ち着いて下さい。


出血のわりには傷は浅いし、命に別状はないでしょう。


最初の止血が良かったんでしょう。頑張りましたね。


綺麗な衣装を台無しにしてまで…。」


その言葉に私は身体の力が抜ける様に座り込み、


「ありがとうございます。ありがとうございます。」


泣き崩れた。