肩を落としながら社長室を出ると
、友梨香は引継ぎの為に自分のオフィスに戻った。
『やっぱり引継ぎは上島さんにしてもらおう。
彼女が一番私の仕事を知ってるから。』
そう思いながらとぼとぼと自分の部署に戻ると
部下達が心配そうに待ってくれてた。
それを見るとなんだか心強くなって、
『あぁ、私は部下に恵まれたな。』
涙ぐみそうになった。
だが部下にはそんな姿は見せる訳にもいかず、
背筋を伸ばしていつもの様に振舞った。
「みんな、心配してくれてありがとう。でも、大丈夫よ。
私はしばらく会社を休む事になったから
上島さんに引継ぎをお願いします。
それと私が指示していた案件はそのまま進める様に。
何かあったら上島さんに指示を仰いで下さい。
上島さん、いいわね?」
「そんな…。部長みたいな仕事、無理です。」
「大丈夫よ。今まで貴女の事を見てきたもの。
貴女なら出来るわ。でも、私と同じ通りにしなくてもいいのよ。
貴女らしくやりなさい。自信を持ってね。」
「部長…。」