OLと女優 第2章 23 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

最初から読む方はここから

その時、上島さんがしていたブローチが光に反射して光った。


その瞬間、高田君に襲われた時の事が


フラッシュバックの様に頭を駆け巡った。


私は頭を両手で押さえ屈みこんでしまった。


「部長!」


皆が駆け寄る。


「頭が…。高田君が…。」


呻く様に何度も同じセリフをつぶやいていると、全てを思い出した。


…そうだ。私は高田君にカッターナイフで襲われたんだ。


それで高田君は警察に…。


私はフラフラと立ち上がると皆を見渡し、


デスクに手を置くと一息ついてから背筋を伸ばした。そして皆に、


「もういいの。もう誤魔化さなくていいの。私、思い出したわ。


私、高田君に襲われたのね。


それで高田君は警察に連れて行かれたのよね。」

「…部長。」


「ごめんなさいね。皆に気を使わせて。そしてありがとう。」


「大丈夫なんですか?あんな事思い出して。」


「そりゃ、辛いわ。でも、これを乗り越えないと前に進めないもの。」


確かにあの時の恐怖はまだ残っている。


でも、これを抜け出さないと私は光と同じ立場に立てない気がする。