うちに帰ると紗由理が1人、セリフを言いながらリビングをウロウロしていた。
私は思わずいつもは紗由理がする様に紗由理に抱きついた。
これじゃぁ、いつもの逆だ。
「ど、どうしたの友梨香ちゃん。」
私は紗由理の目を見て、
「うちの会社の新入社員に告られちゃって、その男の子に、
光と付き合ってるのがバレたのかもしれないの。」
「へぇ、友梨香ちゃんが告られたんだぁ。光君といい、
その新入社員の子といい、モテ期だね。」
「そういう問題じゃない!光との事がバレたかもしれないのよ。
そっちの方が重要でしょ。」
「確かに。」
「紗由理、この問題の重要性が判ってる?」
「判ってるわよ~。光君には言ったの?」
「言ったけど、寝耳に水。全く相手にされなかったわ」
「光君らしいわね。それで、どうするの?」
「これから光が仕事終わりにうちに寄るって。」
「どうする?武雄さんにお説教してもらう?」
「ううん。とりあえず、2人で話し合う。」