私の方が周りの目を気にし過ぎてたかもしれない。
今、思えば今まで光とたまに外でデートしてても誰も声をかけて来なかったし、
週刊誌にも載ってないし。でも、このダイヤのリングは大き過ぎるわ。
仕事の時に絶対何か言われる。
「光、この指輪とても嬉しいんだけど、仕事の時は外して行くね。
ちょっとゴージャス過ぎるもの。」
光は私がそう言うだろうと心得てた様に、
体中のポケットをパタパタ探しながら、
「そう言うと思ったんだ。だから、こっちは普段用。」
と、もう1つの指輪をはめてくれた。シンプルなシルバーのリングに見えるけど、
これは多分プラチナなんだろうな。
私の誕生石が内側に埋め込んであって、
ダイヤのリングとプラチナのリングをしていたら、
まるで私達は結婚したみたいだった。光は左手の薬指を見せると、
「じゃぁん、俺も同じシンプルバージョンしてまぁすっ。お揃いだね、友梨香」
「まさか、それつけてテレビとか出るんじゃないでしょうね。」
「出るよ。だって、前に『彼女います』宣言してるからね。
もうファンの子達も、俺に彼女がいる事は判っているし。
芸能記者は誰が彼女か必死になって探してるだけだし。
まさか友梨香とは思わないよ。」
「思うって。どう見てもお揃いじゃない。」
「ファンの子がお揃いのを買ったと思う位だよ。
友梨香は元々ブルムンのファンなんだから」
「危機感が薄い!」
「友梨香が考え過ぎなんだよ。大丈夫、大丈夫。」
そう言うとケタケタ笑った。本当に大丈夫なんだろうか。
かなり不安。私が慎重過ぎるのかしら。