OLと女優 64 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

私の方が周りの目を気にし過ぎてたかもしれない。


今、思えば今まで光とたまに外でデートしてても誰も声をかけて来なかったし、


週刊誌にも載ってないし。でも、このダイヤのリングは大き過ぎるわ。


仕事の時に絶対何か言われる。


「光、この指輪とても嬉しいんだけど、仕事の時は外して行くね。


ちょっとゴージャス過ぎるもの。」


光は私がそう言うだろうと心得てた様に、


体中のポケットをパタパタ探しながら、


「そう言うと思ったんだ。だから、こっちは普段用。」


と、もう1つの指輪をはめてくれた。シンプルなシルバーのリングに見えるけど、


これは多分プラチナなんだろうな。


私の誕生石が内側に埋め込んであって、


ダイヤのリングとプラチナのリングをしていたら、


まるで私達は結婚したみたいだった。光は左手の薬指を見せると、


「じゃぁん、俺も同じシンプルバージョンしてまぁすっ。お揃いだね、友梨香」


「まさか、それつけてテレビとか出るんじゃないでしょうね。」


「出るよ。だって、前に『彼女います』宣言してるからね。


もうファンの子達も、俺に彼女がいる事は判っているし。


芸能記者は誰が彼女か必死になって探してるだけだし。


まさか友梨香とは思わないよ。」


「思うって。どう見てもお揃いじゃない。」


「ファンの子がお揃いのを買ったと思う位だよ。


友梨香は元々ブルムンのファンなんだから」


「危機感が薄い!」


「友梨香が考え過ぎなんだよ。大丈夫、大丈夫。」


そう言うとケタケタ笑った。本当に大丈夫なんだろうか。


かなり不安。私が慎重過ぎるのかしら。