武内さんが持って来たのは、強いアルコールのテキーラで
小さいカップに入れては一気に皆、喉に流し入れてた。
私は舌でチロっと舐めてみたら、とてもじゃないけど飲めそうになかった。
「きつ~い」
私が顔をしかめてカップをテーブルに置いたけど
舐めただけで、顔が赤くなった。
武内さんはどんどん飲んでいる。…。武内さん、お酒強いんだなぁ。
紗由理は、お酒を楽しむと言うより、竹内さんに身を任せている感じ。
それをぼぅと見ていたら、江川 光がまた、私の前に立ちふさがり、
「なんだよ、羨ましそうに見て。」
「べっ別に羨ましくなんか…。私、メイク落とすからどいて。」
「やだね」
「どいて」
「やだね」
「あのね…、」
私は明日早いのよ、と言いかけた時、
あいつは私の両手をうばってキスをした。
ポタポタと、両手に持っていたスウェットと、化粧道具が落ちていった。
武内さんは口笛を吹いて私達をからかった。
紗由理は手に持っていたビスケットを落とした。何故だろう。
こういう時、周りの反応がよく判る。
そして、私はいきなりだったから、動けなかった。