OLと女優 34 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

武内さんが持って来たのは、強いアルコールのテキーラで


小さいカップに入れては一気に皆、喉に流し入れてた。


私は舌でチロっと舐めてみたら、とてもじゃないけど飲めそうになかった。


「きつ~い」


私が顔をしかめてカップをテーブルに置いたけど


舐めただけで、顔が赤くなった。


武内さんはどんどん飲んでいる。…。武内さん、お酒強いんだなぁ。


紗由理は、お酒を楽しむと言うより、竹内さんに身を任せている感じ。


それをぼぅと見ていたら、江川 光がまた、私の前に立ちふさがり、


「なんだよ、羨ましそうに見て。」


「べっ別に羨ましくなんか…。私、メイク落とすからどいて。」


「やだね」


「どいて」


「やだね」


「あのね…、」


私は明日早いのよ、と言いかけた時、


あいつは私の両手をうばってキスをした。


ポタポタと、両手に持っていたスウェットと、化粧道具が落ちていった。


武内さんは口笛を吹いて私達をからかった。


紗由理は手に持っていたビスケットを落とした。何故だろう。


こういう時、周りの反応がよく判る。


そして、私はいきなりだったから、動けなかった。