ベッドに座り込み片足に顔を乗せた状態でしばらく考えた。
江川 光の事を。
あの古いアパートでコンビニまでついて来て、慣れ慣れしく話かけ、
新聞にまで私が彼女扱いされてしまった。
でも、よくよく考えるとあの辺は夜、痴漢が多い。
行きも帰りも寄り添う様に一緒に彼が歩いたのは、
その事を知っていたからかもしれない。
でも、あのアパートに彼が来たのはあの日が初めてだった。
そんな情報どこから?あの日は紗由理が芸能人の友達を呼んで大騒ぎだった。
その時、紗由理が話したのかもしれない。
そして帰り際、頭を撫でられて、正直私はドキッとした。
当たり前かもしれない。彼氏いない歴2年で
しかも私の好きなブルムンのメンバーだから。
それに、コンビニでの言い争いもなんとなく心地良かった。
上手くキャッチボールが出来てた気がする。
あんな会話、紗由理以外とは誰とも出来ていなかった。