2004-11-09
人ひとり住むのに十分なこの部屋の出窓から見たその夕日は、
この世のものとは思えないほどに輝き、『宇宙の宝石』であると思えた。
沈んでゆくその表しようがない光を見つめていたら、
いつのまにか、回りは闇に包まれていた。
「ひとりで空想をするのが得意な人は、未来への期待も大きいが、
過去の失敗への悔いも大きい。
人は、いつから自分の選んだ道を悔やんでいるだろう。
いつも、この道であっているのか、選ぶ理由は何なのか、
そして失敗したときの理由を考えながら、生活してきた。
何が人をそうさせるのだろう。
意味のないコトだとしっていながら、人は、過去を振り返らずにいられない。
『あのとき自分が選んだ糸が赤でなく、青であったなら・・・』
誰もが、皆そんな事を考えずには居られない。
それは、人類の欠点であり、くせなのであろう・・・」
机の上に開きっぱなしになっていた本には、
そんな事が書いてあった。
「そんなこと・・・だれもがわかっている。」
そう思わずに入られなかった。
人は心のそこで誰もが思っている事を、さも哲学者のように、
難しい言葉で紙につづるのが好きでたまらない。
いまどきの教科書には、そんなものばかりが載っていて、
感動する物語なんて微々たる数になってしまった。
そんな事を考えながら、毎日を過ごす。
振り返り考えると、無駄に過ごしている気もする。
「あの本の言うとおりかもしれない・・・」不本意にも、ふとそう思った。
近くにあった鉛筆と紙をとり、身近な人の顔を、思いつく限りに描いて見た。
それは、尽きる事を知らず、気づけば昔の女の顔まで描いていた。
昔、美大にいたせいか、暇になると、紙とペンをとり絵を描き出す。
それは、風景であったり、人の顔であったり、時には何にも似つかない怪物や
抽象画であったりする。
自分の心の仲を描いているようでいて、全く知らない他人の絵のような気もする。
最近読んでもいない本を手にとり、パラパラとめくって見る。
やはり、読む気にはなれない。
読み途中の本や、昔よく読んでいた本が無造作に本棚に投げ入れてあった。
何も変わらない日常にはっきりとした『無』を感じていた。
それは、わたしから発せられるものでも、目の前のテレビから出てくるものでもなく、
世界中の全てから少しずつではあるが確実ににじみ出ているものであった。
この世のものとは思えないほどに輝き、『宇宙の宝石』であると思えた。
沈んでゆくその表しようがない光を見つめていたら、
いつのまにか、回りは闇に包まれていた。
「ひとりで空想をするのが得意な人は、未来への期待も大きいが、
過去の失敗への悔いも大きい。
人は、いつから自分の選んだ道を悔やんでいるだろう。
いつも、この道であっているのか、選ぶ理由は何なのか、
そして失敗したときの理由を考えながら、生活してきた。
何が人をそうさせるのだろう。
意味のないコトだとしっていながら、人は、過去を振り返らずにいられない。
『あのとき自分が選んだ糸が赤でなく、青であったなら・・・』
誰もが、皆そんな事を考えずには居られない。
それは、人類の欠点であり、くせなのであろう・・・」
机の上に開きっぱなしになっていた本には、
そんな事が書いてあった。
「そんなこと・・・だれもがわかっている。」
そう思わずに入られなかった。
人は心のそこで誰もが思っている事を、さも哲学者のように、
難しい言葉で紙につづるのが好きでたまらない。
いまどきの教科書には、そんなものばかりが載っていて、
感動する物語なんて微々たる数になってしまった。
そんな事を考えながら、毎日を過ごす。
振り返り考えると、無駄に過ごしている気もする。
「あの本の言うとおりかもしれない・・・」不本意にも、ふとそう思った。
近くにあった鉛筆と紙をとり、身近な人の顔を、思いつく限りに描いて見た。
それは、尽きる事を知らず、気づけば昔の女の顔まで描いていた。
昔、美大にいたせいか、暇になると、紙とペンをとり絵を描き出す。
それは、風景であったり、人の顔であったり、時には何にも似つかない怪物や
抽象画であったりする。
自分の心の仲を描いているようでいて、全く知らない他人の絵のような気もする。
最近読んでもいない本を手にとり、パラパラとめくって見る。
やはり、読む気にはなれない。
読み途中の本や、昔よく読んでいた本が無造作に本棚に投げ入れてあった。
何も変わらない日常にはっきりとした『無』を感じていた。
それは、わたしから発せられるものでも、目の前のテレビから出てくるものでもなく、
世界中の全てから少しずつではあるが確実ににじみ出ているものであった。