新居の掃除
会社帰りに、
掃除機と雑巾を持って、
2人で掃除に行った。
広くて、
築年数の割にはとても綺麗な部屋。
これが僕達の部屋になるのなら、
もっとウキウキしたのかも知れないけれど、
冷静に、
「1人ここで住む、
彼女に優しくしてね!」と心の中で思いながら、
掃除機をかけていた。
掃除が終わると、
部屋の灯りをすべて消して、
薄暗い部屋の壁に寄り掛かり、
抱き合っていた。
その後・・・
2人きりになれる場所に行き、
お互いの体温に包まれて過ごした。
僕の胸に顔を載せる微笑む彼女を見ながら、
彼女の髪を優しく掻き上げ、
ささやくような静かな口調で、
お互いの偽りのない想いを伝えながら、
抱き合っていた。
やがて、
抑えきれない想いのように、
お互いの名前を何度も呼びながら、
「愛している」と何度も叫びながら、
激しく愛し合い求め合った。