日曜の夜 | After15-20 years

日曜の夜

会議の後に待ち合わせ。


疲労困憊した彼女と、
 いつもの蕎麦屋で夕食。

何度も来ているのに、
 夕食を摂るのは初めて。


めんつゆの優しさや、
お蕎麦の上品さが、
 疲れた心に染み入る。


それから、
 いつもの場所に車を駐めて、
「あなたの腕の中で、
 少しだけ眠らせて。」と言う彼女を、
後部席で、優しく抱きしめていた。


暗闇の中でうっすら浮かび上がる、
寝息をたてて眠っている、
 彼女の顔を見つめていた。



あと、どれだけの時間こうしていられるのだろうか?
 限られた時間がヒシヒシと伝わってくる。



彼女の目が覚めると、
恋人同士のように、
 お互いの気持ちを伝えあう。


いくら想いを伝えあっても、
 今はどうにもならないことばかり。



再婚して、
1人でも子供を生むことが
 彼女の願いの1つ。
先日、定期的に通院している病院で、
 タイムリミットはあと3年ぐらいと言われてから、
離婚に向けて突き進みだしたことは事実。


「僕の子供のお母さんにならないか?」
「あなたの子供は産みたい。
 今のお子さん方はどうなるの?」
「うちの子供達も連れてくるから・・・」
「そうしたら苦しむのはお子さん方でしょ?
 それに、
  お母さんから子供を離すなんてできないもの。」



彼女が望むのなら、
 相手はやがて現れるだろう。

素敵なスタイル、
 持って生まれた美貌、
守りたくなるかわいらしさの彼女だから。


今の流れの中では、

 残り時間が少なくなってきている・・・。