残り香 | After15-20 years

残り香

朝、彼女にメールをした。

「仕事は、はかどっている?
 予定していた仕事は、キャンセルで明日に。
 何して過ごそうかなぁ?」
「暇しているのなら、
 つきあってあげてもいいよ。」


昼前に迎えに行く。
 約束通りに、
 コーヒーを水筒に入れて。


途中で、
「僕たちって、
 きっと、素敵な夫婦に見られているよね?」
 バカなことを言いながら、
 お昼ご飯のパンや紙コップを買う。

スーパーでの買い物も大好き。


今日の海は、あいにくの天気。
 お陰で、周りに車は止まっていない。
ベタ凪の海を見ながら、
 パンを食べ、コーヒーを飲む。


今日は、僕が、超くつろぎモード。
 シートで、半分うつらうつら・・・
彼女の声を聞きながら、
 彼女の横顔をボーッと見続けていた。

幸せで、穏やかに流れる時間・・・


次のデートでは、
 シングルバーナーでお湯を沸かして、コーヒーを淹れようね。
水筒のコーヒーは香りが逃げていたものね。



彼女が羽織った僕のセーターに、
 しっかりと残っていた彼女の香水の香り。
こうして部屋で、
 その匂いをかいでいると、
 とっても気持ちのいい掌の感触もよみがえり、

 なお一層愛しく思えてくるのが不思議。