小学生を指導して思うことがちょうど新聞の記事に掲載されていた。その記事によると、数の概念があまりできていないまま、進級していく子供さんの話だった。10をかけたり、10で割ることの意味。また、単位の変換を覚えていない。また、分数や小数の概念が理解できていない。そんな子供さんの占める割合が年々増加している。私も生徒さんと接していて感じることだ。真面目に取り組んで何とか克服しようという子供さんもいれば、それを苦痛と捉えて辞めていく生徒さんもいる。中学生で分数の理解ができていない生徒さんの数も増えている。やはり、小学校の段階で分数や小数の概念が習得できていないのが大きな要因となっている。小学校の先生にきいてみると、やはり小3~4までの段階でつまずくことが多いようだ。また、国語に関してはもっとさかのぼって、小2くらいから漢字や語彙が理解できていない場合が多く、読解ができない子供が増えているとのこと。
 小学校の英語教育が話題になっているが、個人的には国語をしっかり勉強することを優先して欲しいと思う。国語力ができていないと他の科目にまで悪い影響が及ぶからだ。社会や数学(算数)の文章題が理解できない、あるいは、苦手な子供さんに当てはまる場合が多い。国語力を養うとその点が改善されることが多い。
 確かに複雑な数学や難しい国語が理解できなくても、社会で生きていけるという人もいるだろう。確かに勉強ができても、良識や倫理観というものができていなければ、意味がない。その点は私も同意する。でも、その倫理観や良識に勉強というものは何かしら、影響を及ぼすところもあるはずだ。例えば、社会に出ても勉強したことは役に立たないと言う人もいるでしょうが、勉強したときの努力や労力は仕事においても役に立つと思う。これだけやったのだから、こういう結果、あるいは、成果が得られるとか、文章を読むことで、論理的な考えや倫理観、そして、人がどのように感じたり考えるのかを人は少なからず理解し、習得することができるのだ。人は偏差値だけでなく、心の偏差値も高める必要がある。どちらも大切なことなのだ。