こんにちは。メルマガ『内定への一言』執筆担当の小島尚貴です。
いつもお読みいただき、ありがとうございます。


最近は、作家デビューもあってか、法人の読者の方々から資料請求やお問い合わせのメールをいただくことも増えてきたので、今日は頂いたご質問に簡単にお答えすべく、号外を配信しています。



頂く質問の中で多いものは、

①良い人材の見極め方を教えてほしい
②平凡な能力で採用した新卒の育成方法を教えてほしい
③若手社員に業務への動機付けを効果的に行いたい
④新卒採用を考えているが、その導入時期や方法を相談したい

というものです。また、中には私自身の業務経験をお尋ねになった方もおられました。




私自身は就職仲介業者ではなく、あくまで個人と法人の潜在能力の顕在化を支援する一事業者なので、この経験からしかお答えできませんが、まとめてお答えします。



①「良い人材の見極め方」について

まず、「良い人材」の定義をはっきりさせておくことが大事です。その人材が本当に伸びるかどうかを見極める際は、私なら「強制が存在しない一人の時」にどれだけ主体的に動き、結果を出せるかを見ます。


「やらされてやったこと」、「義務だからやったこと」、「なんとなくやったこと」、「義務が存在しない趣味的行動」を履歴書から除外し、純粋に目標に貢献する行動をどれだけ継続・発展させたかを見極めれば、伸びしろが把握しやすくなるでしょう。


一口に「良い」といっても、その言葉に込める求職者、経営者、採用担当者の意図は様々なので、意味を翻訳して意義を共有することが大切だと考えます。



②若手の育成方法について

これについては、「最近の若いものは、基本がなっとらん!」と不満をもらす社長さんもおられますが、私はそういう場合、「あなたがなめられているだけです」と答えるようにしています。


見かけが茶髪だとか、言葉がおかしいとか、趣味が子供っぽいということは、本人の資質とはほとんど関係がありません。それどころか、若者は本当に憧れる人に出会ったり、今やっていることが大切なことだと分かったりすれば、自分から主体的、積極的に動くものです。


私自身、本業外で学生サークルのお手伝いをやっており、常時50名前後の学生が部員として活動していますが、顧問を引き受けて4年間、一度も学生の行動を指示、干渉、妨害、強制、命令したことはありません。


「若者を思うように育てる」など、私には無理だと分かっているからです。



それより、私が一貫して重視しているのは、「決めたことを無言でやり抜く」ということです。毎週の講義を引き受け、依頼があれば快く相談に乗り続ける。そういう当たり前の継続こそ、若者の可能性に対する何よりの信頼と期待の表現だと考えています。


「毎週土曜の朝から、本当は自由に使える時間を、僕たち、私たちの成長のために使い続けてくれている一社会人がいる。そして、その人は絶対に約束を破らず、やると決めたことをやり抜いてくれる」。


私は学生時代、そういう大人がいればいいなと思いました。だから、今は自分がそれをやっているだけのことです。私が適任かは分かりませんが、信頼や期待を地道に築くには、こういう素朴な行動の継続以外の妙案はないと考えています。



このサークル(FUN)で、私ほど多くの作業を担当し、私ほど多く出席し、私ほど多く資金援助を行い、私ほど「言ったこと」を実現させた人はいません。これは自慢ではなく、事実です。


組織では、無言であれ、最も実行力があり、約束を守る人が頭角を表し、そういう人は無言の威圧感をもって組織の緊張感を作るものです。


学生の中では、私のそういうイメージは部員の要望とはかけ離れているかもしれませんが、最年長者である私が言行不一致で感情的で弱気だと、サークルの士気が下がるおそれもあり、かつ、膨大な管理の手間も生まれるはずです。



私は、リーダーや年長者が自分のやるべきことをやっていないで、年下や部下に指図することほど、組織管理において無駄な作業はないと考えています。


世の中には、自分は責任を取ろうとせず、仕事の意義も説明せず、個人的事情や感情に任せ、地位を利用して部下に命令したりする上司もいますが、そういう人は、私なら即刻解雇します。


というより、そういう無能な人間は入社させません。若者にとって害以外の何物でもないからです。


人をあれこれ動かそうとして苦労するより、自分がやるべきことをやって、その姿を見せるだけのほうが、どれだけ楽で簡単で低コストで速くて効率的なことか。人を動かすなんて、私はそんな無駄で無意味でアホらしい行動に時間を割くのは嫌です。



私は無学歴で無学で有名企業にも勤めたことがないので、MBAだったり、最新の人事管理や研修プログラムなどもよく知りませんが、「道具は立派、私は怠け者」のような教育は有害無益だと考えています。


それどころか、ホンネでは、有名大学を卒業して一流企業に入った人は、どうしてこうも頭が悪く、頭の回転が遅く、結果の出せない無能な人間が多いのか、という疑問さえ持っています。


何かあれば、すぐに「責任転嫁できる人」と「優しい相談相手」を探そうとするのは、子供と変わらないのではないでしょうか。「あんたら、ガキじゃないんだから、もっと精神的に自立しろよ」と言いたくなります。



「イマドキの若いモンにはお手上げだ」
「最近の若い奴らは理解できん」

…本当にそうでしょうか。


その「どうにもならない未熟な奴ら」を感動させ、夢に同意させ、自らの情熱を推進力として成長の手応えを提供するのが、本当のリーダーシップなのではないでしょうか。


「扱いやすい人間ならOK」などというのは無能の証拠で、そういうのは私に言わせれば「偽物のリーダーシップ」です。本当のリーダーシップは相手を選びません。相手を選ぶのはアマチュアで、上司の資格はないといえます。



採用したなら、若者が育たないのは純粋に上司の責任です。採用後に若者を「若いから」といって批判するのは、上司の敗北です。


地位を利用して文句を言うヒマがあれば、自分の人望を高める訓練でもした方が世のため人のためです。早期離職は「若者が悪い」という以前に、上司の魅力や人望が欠如した証拠だともいえます。


ただ、会社から離れる若者だけを見て「やる気がない」などというのは片手落ちの無意味な議論で、私は、若者だけに責任を転嫁しがちな最近の雇用ジャーナリズムは、表層的で意味がないと考えています。


若者の職業教育や経済教育は、それはそれで重要ですが、上司こそもっと自分を鍛え、勉強すべきです。



ちなみに、私は保護者の相談も担当しており、「うちの子、本を読まないんです。どうしたらいいんでしょうか?」というお母さんが来られる場合もあります。

そんな時の答えは簡単です。

「まず、親が読んでください」の一言です。


自分はテレビを見たり遊んだりしているのに、子供には本を読め、勉強しろと言ったところで、子供は理不尽な命令を理解できず、反発したくなるだけではないでしょうか。


会社で、「部下がやる気にならない」、「若手がすぐやめる」と言っている上司も、こういう未熟な教育ママと何ら変わらないのではないでしょうか。



世の中には様々な研修方法や研修ツールが存在しますが、「理想のリーダーの姿」ほど安上がりで効果絶大な研修資料はないでしょう。何か有料の研修を求めるのは、そういう当たり前で低コストの習慣をご自身が確立されてからでよいのではないでしょうか。


また、そういう当たり前ができない上司が研修ツールを購入しようが、カネの無駄でしかありません。部下や若者を燃やしたければ、まず自分が燃えろ、というのが若手の育成に関する私の意見です。


③若手社員の動機付けについて


それは、「君は特別で、君の仕事も特別だ。君のおかげでお客様がどれだけ喜んでくださっているか」を諄々と説くことです。


無能な上司は「オレは特別だ」、「わが社は特別だ」と威張りますが、特別なのはいつも相手であるべきで、自分ではありません。相手がどれだけすごい可能性を持っているのか、どれだけ組織やお客さんに貢献しているのか、それを繊細な観察眼で認め、思いを汲み取って仲間やお客様に伝える。


そういう姿勢を保てば、基本的な問題は解決するのではないでしょうか。中には、すぐに利益や恐怖を用いようとする方もいますが、そんなのは調教です。そういうのが大切な時もありますが、もっと人間性を信頼して、長期的視点で温かく見守り、大胆に失敗させ、その意味を深く語り合うような指導方法があってもよいのではないか、と考えています。


あとは、よければ今月末発刊の私の本をお読み下さい。そういうことも書いてあるからです。



④新卒採用の時期と方法について

これは私の担当外のことなので、詳しくは書きません。

新卒採用は、学生はこの事業が「広告事業」だとは考えていませんが、

①広報関連経費
②選考関連経費(試験代、交通費、宿泊費、書類代など)
③研修・育成関連経費
④新人が損益分岐点を超えるまでの機会損失経費
⑤指導・育成を担当する上司や担当者の機会損失経費

という莫大な出費を伴う一大決断ですから、どの企業にも簡単に導入できる人事戦略ではないでしょう。



経費や能力の面で考えても、本人はどう理由付けしようが、3年以内でやめればただの損失、つまり「貸倒れ」です。


ただ、どういう人材が良いかは、私がお手伝いしているFUNの学生が良きモデルになると考えています。


学生さんたちはみな、謙虚で素直で向上心にあふれ、様々な知識を身に付けたいと、日夜友達と競い合い、励ましあい、学生生活をフルに楽しんでいます。


毎年、社長さんや採用担当者から「ぜひうちに!」と誘われる学生も多いですから、FUNの講座を研修ツールとして利用されてもよいと思いますよ。たいていの部員は、内定よりも内定辞退で悩みます。結果が出なかったら、私に文句を言っていただいて構いません。



最後に、最近は企業の方々から資料請求メールが相次いでいる講座について、簡単なご案内を掲載しておきます。


これは、私が企業取材サークルFUNや自分の仕事で用いてきた資料を「塾」として提供したもので、今では大月舞さんが代表である「mai place」で提供しています。

http://maiplace.cart.fc2.com/
(詳しくはこちらでどうぞ)

企業の方に役立つ講座としては、

①ビジネス塾
②営業塾
③スピーチ塾
④タイムマネジメント塾
⑤マネー塾

をおすすめします。新卒や若手の目の色が変わり、目に見えて結果を出せる人材になるでしょう。なぜなら、それは既に実証済みだからです。


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ビジネス塾
☆お客様の悩みや要望を財務諸表上で翻訳し、具体的、現実的な解決策を提案できるようになります。
☆貸借対照表と損益計算書を関連付けて理解することで、コスト意識とコミュニケーションのスピードが高まります。
☆自社の課題や新商品のアイデアをコスト面の裏付けをもって提案できるようになり、組織活性化に役立ちます。


営業塾
☆営業とコミュニケーションの本質を学び、信頼関係に根差した人脈構築の方法を学びます。
☆営業に対するネガティブなイメージを取り払い、負け癖をなくして、改善と工夫を楽しむ心構えを育てます。
☆クライアントの要望や事情に基づいた深い部分での課題設定を行い、「売る→売れる→売れ続ける」のサイクルを築きます。

スピーチ塾
☆コミュニケーションの基盤をなす「聞く姿勢」と「思いやり」を育て、お客様の悩みに対する共感力を高めます。
☆相手との共通点を探し、自社商品に対する効果的な関連付けを行う方法を学んで、コンサルティング能力を高めます。
☆社内、社外で日々発生する人間関係の変化の中からチャンスを生み出す接し方を身に付けます。

タイムマネジメント塾
☆忙しさの根本的な原因を見つめ、「ない時間」を嘆く前に「ある時間」を活用する考え方を学びます。
☆早期着手と長期的忍耐の習慣を作り、自分の居場所から小さな仕事を大きな目標に関連付けるセンスを育てます。
☆楽しく生き生きと能率改善に取り組む方法を学び、計画の途中挫折や行動のマンネリ化を除去します。

マネー塾
☆起業家発想を学ぶことで長期的な計画を持つことができ、給料以外の報酬を見つけられるようになります。
☆逆境を楽しみ、自分が苦しくても仲間やお客様を応援できる寛容なリーダーシップを身に付けられます。
☆社内、社外の様々な現象を積極的に関連付け、ユニークで収益性のある新商品を企画できるようになります。
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以上、今日は法人読者の皆様への号外でした。
では、また439号でお会いしましょう。



小島尚貴