◆今日の一言
No.416(07/4/1)
『空のところが、役に立つ』(老子)
隈本さん、ご結婚、おめでとうございます!お二人の幸せな未来を祈っています!
…ふぅ~。
これで、2007年のエイプリルフールが、無事終了しました。隈本さん、ご登場、ありがとうございます。昨日は西南のTさん、Oさんへの仕事のお話も、どうもお疲れ様でした。
さて、今日はいよいよ、東京から出版社の編集長さんが来てくれて、デビュー作について打ち合わせを行います。どんなプロデュース方法になることやら…。
お昼に福岡空港にお迎えに行くのですが、その前に、「ほんだらけ」空港店に行こうかと考えています。
昨日はちょうど、ANAの客室乗務員に内定した福大卒のEさんから元気なメールが来て、今月、北海道の路線で初フライトに搭乗するという知らせをいただきました。
Eさん、夢の初フライトの成功、応援していますよ!小松空港には、僕の高校の同級生も客室乗務員で毎週通っていますから、いつかご紹介しますね。
それにしても、昨日のFUNゼミでは、本のプロデュースに合わせ、このメルマガも同時にPRしようと、学生さんたちが『内定への一言』のキャッチコピーを考えてくれたのですが、聞いていて本当に勉強になりました。
10歳近く若い学生さんたちの考えを聞くのは、いつも本当に楽しいものですが、こと、自分の出しているメルマガが題材だと、「なるほど、そういう見方もあるのか」と、新たな発見がいっぱいでした。
中でも、Q大のO津君には特に活躍してもらったようで(女子大のT地さんが強制的に頼んだとかいう噂も…笑)、短くもインパクトのある言葉をいっぱい考えてくれ、心強かったです。
昨日のグループワークでの意見、アイデアは、リアルタイムで全部携帯に入力し
ました。後から送っていただいた分も含め、今、それを振り返ってみると…
■3分後の自分革命
■視界広がる、未来広がる
■面接官の裏をかく
■就活力、配信中
■大学生が見た、FUN連続内定事件
■迷走STOP
■採用側のThe Answer
■あなたの夢をプロデュース
■内定、がっつり出てます
…などなど。
僕には、こんなに若々しくて柔軟なアイデアは出ません…。ほんとに有り難いです。
あと、昨日はなぜか、冷ややかな笑いとともに却下されたようですが、Q大2年のM君が司会の途中で言ってくれた、
「就活の中心で、志望動機を叫ぶ」
もなかなかのアイデアだと思いました。僕はこういうの、大好きですけどねぇ。「本歌取り」は創設者の安田君も大好きだった手法で、いつもクールなギャグを連発していたのが懐かしいです。
さて、そもそも、このFUNの始まりは、僕が社会人仲間と一緒に主宰していた異業種交流会に参加した、当時西南大2年の安田君が、「ビジネスって面白い!」と目覚めたあたりに由来があります。
法人営業や財務コンサルティングを行う友人たちと、とりとめもない雑談を行っていたら、「そ、それ、学生にも聞かせてあげてください!」ということになって、仕事が終わった後、大濠公園のミスドで学生さんたちと話すことになりました。
財務会計の知識や法人営業の実践的具体例、原価計算の着眼点、販売コンサルティングのアイデア…そんな話は、僕たちの中では当たり前すぎて価値を意識しないものですが、世代をずらしてみると、こんな情報に価値を見出す人たちがいたのです。
中退して、7年ぶりに会う大学生は、一体何に興味を持っているのか。
僕は全く分かりませんでした。それというのも、前職は経済誌の記者だったため、毎日毎日年上の人しか会わなかったからです。
異業種交流会も、数十人が参加していましたが、僕は最年少に近い年齢でした。
それで、聞かれるままに就活や仕事選び、起業体験、営業実務、会計センスや知識などを話したら…。
「来週、自分の友達も連れてきていいっすか?」
という声が続出し、毎週、ミニ勉強会の参加者が増えていきました。
「おかしいなぁ…大学生なら、これくらい知っているはずなのに」と思ったんですが、学生の実務知識や経済知識は、僕が思っていた以上に、現実の業務とは乖離したものばかりでした。
経営の最前線で奮闘する経営者と接し、自らもそういう立場にあった自分から見ると、学生の勉強は「よそゆきのきれいごと」みたいに感じました。
しかし、学ぶ意欲や素直な姿勢は立派で、吸収が早いことに驚きました。
「こんなに向上心と理解力があるのに、教える側が手を抜いたばかりに不安になって、かわいそうに」。
そう思った僕は、それ以来、毎週、喫茶店で学生さんと話す時間を定期的に持つことになったわけでした。
安田君は、この勉強会をベースにサークルを作ったため、これが今に至る「企業取材サークルFUN」の始まりです。
さて、「社会人には当たり前の知識や体験」を、世代をずらすことで「集客情報」に変えた安田君の視点は見事だと思いませんか。
僕たちの世代には「無用」ではないにしても、わざわざ集まって学ぶほどのことはない基本を、大学生を対象にすると「差を付けられる情報」、「学校では学べない知識」となるわけですから。
これは、「実務知識」という過剰在庫をうまく活用し、サークルの勉強会に当てはめた事例です。
他にも、「余ったもの」を安く活用してビジネスにつなげる発想はたくさんあります。
空席を買い取って転売するHIS。
深夜特急を借り切ってスキーツアーを生み出した西武鉄道。
空いた施設を使って合同説明会を行う業者。
これらは全て、FUNでは昔から説明してきた「過剰在庫活用ビジネス」です。
本業でそれらの機械、設備、施設を運用する業者から考えてみれば、「空き時間がもったいない」、「客はどこだ」と思うようなものも、別の視点で見てみると、有効な資源になる場合が多いものです。
まさに、昨日のBusiness Cafeで読んだ「無用の用」(『老子の読み方』月洞譲・祥伝社)の考え方ですね。
「役に立たないと思うものも、視点を変えると役に立つ」。それが「無用の用」です。
本書では、コップの空いた部分や家のくりぬいた部分が、「水を入れる器」や「窓」となって役立つことを例に挙げ、一見無用と思われるようなものも、意外な形で役に立つことを分かりやすく述べています。
僕の弟は長崎で建設会社を経営する社長で、先代の社長さん(今は会長)が、とにかく「老子」が大好きな方です。
弟は21歳で結婚して長崎に行ったため、僕も当時からよく諫早に行っては、会長さんのお話を聞きました。
「経営は無為自然だ」
「世の中に無駄な資源はない」
「建設会社は地球に感謝せないかん」
原価ゼロに近い砂浜の砂利からセメントを作ったり、ゴミとしか思われていない廃棄物から資源を作ったり、液状化が起きた土地を花畑として再利用したり…建設会社はまさに、日々の業務の全てに「無用の用」が溢れた業種です。
僕のように、都会型のコンサル業務をする者から見れば、「どうやって使うのか?」と思うような資源にも、建設会社の社長である弟から見れば、「これはこう使うったい」となり、色々と教えてもらえます。
僕たち社長兄弟は、昔から「省くこと」と「大切に使うこと」を母から徹底的に教えられており、とにかく何でも大切にするような習慣を育ててきたのですが、弟は建設会社を経営する今、その家庭教育がずいぶん役立っていると言っています。
この「無用の用」を昨日の朝、学生さんたちと一緒に読んだ限りでは、「浪人」の体験が後々考えてみれば、自分の人生には特に役に立っている、という話になりました。
FUNは、「浪人」、「O型」、「女子大生」が多いサークルで、詳しい数字は知りませんが、5年目の今年でやっと、「現役生」が代表になります。
浪人は、僕は経験したことがありませんが、落ちたときは「お先真っ暗」のような徒労感に打ちひしがれ、「なんで自分だけが」、「あんなに頑張ったのに」と思うものの、半年くらいすれば、「あんな軽い気持ちで受からなくてよかった」と思えてくるそうです。
ひいては、それで大学生活にも真剣な判断力が働くようになり、酒や遊びに走る前に、「これでいいのか?」と自制して、勉学を優先できるようになる点では、やっぱり、「無用の用」なのかもしれません。
「無用」を「用」に転じさせる視点として昨日語り合ったのは、
①長期的視点と大局的視野の両立
②動機と目標両面からの公平な評価
③感情におぼれず、本質的に結果を観察すること
といったものでしたが、これらを踏まえて考えると、なるほど、人生には一つも無駄なものはないものですね。ただ、明らかにマイナスのことを、「いい経験だ」とかごまかすような言い逃れはダメだね、という注意点もありましたが。
皆さんが今、就活や仕事で「無用」と思っているようなことはありませんか?
それは本当に「無用」なんでしょうか。
初心に返り、長期的に目標を定めてみれば、案外、「用」としての側面が見えてくるかもしれませんよ。
今日もお読みいただき、ありがとうございます。
ただ今、教育・学校部門41位、就職・アルバイト部門22位です。
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