■「内定への一言」バックナンバー編


『すぐ役立つ本は、すぐ役立たなくなる本だ』




携帯メルマガから始まり、こうしてPCでの配信になって、そろそろ合計1,300号…。1週間もサボることなく、コツコツとメルマガを配信していると、時々、思わぬメールが来たりするものです。



・「先週、内定をもらいました。残りの大学生活で、どんな本を読んだらいいでしょうか」(その前に、まず名前を書きましょう)

・「恋愛と就職は、どちらが大事でしょうか」(政治、恋愛、宗教、思想については、本メルマガで扱うところではありません…)

・「今から就活って、キビシイですか」(その前に、何年生ですか?)



僕の本業は、社会人とフリーターの転職・再就職支援です。何度も言ってきたように、FUNを通じての学生さんのお手伝いは、個人的な社会奉仕の一環で取り組んでいるのであって、僕は別に全ての専門家ではありません。



だから、経験して基準が分かるようなことは自己責任でご説明しますが、知らないことは扱わないことにしています。



代わりに、メルマガで特に人気があるのは「本の紹介」なので、こちらについては、できるだけ多くの良書をご紹介するようにしています。



最近は、読者の方が増えてきたせいか、ご紹介した本があまり見当たらなくなりました。 それを感じるのは、ある本を紹介した号を配信した後に、ブックオフに行った時です。


僕は、特に品揃えが良いと思っている、
①博多店(新書と文庫の数が豊富で、とにかく規模が大きい)
②長住店(ビジネス書や小説の名作が安い)
③大橋店(経済・経営関係の掘り出し物が多い)
④水谷店(新書やビジネス書の品揃えが良い)
⑤大野城店(文学作品や文庫で掘り出し物がある)
⑥野多目店(文庫、学術書で珍しい本が見つかることも)
⑦春日店(僕の小学校の近くなので寄ることが多い)


は、毎月1~2回、夜中にでも必ず回るようにしています。家から近い天神店、六本松店、西新店などは、帰宅の途中に週1回は行きます。


こういう時のバイクは実に便利で、もし「夜中の宝探し」に参加したい方は、迷わず「ミニバイクショップ・ビバ」さんで、2~3万円台のバイクを買うことをおすすめします(僕のタクトは37,000円でした)。


3万円なら、1年(12ヶ月)で割ると、月額2,500円。ガソリン代は月に1,000~2,000円。自賠責保険は年間約7,000円で、月額なら約600円。これにエンジンオイルなどを足しても、月5,000円ほどで自由度と時間が手に入ります。



エンジンの音もうるさくないし、ぜひ「夜中の知的プチ暴走族(?)」になって、宝物を探しに行きませんか?これは宣伝じゃなく、本当に役立つからそう言っているんです。他に気に入っているのは、大名の「入江書店」、「痛快洞」、草ヶ江の「葦書房」、空港付近の「ほんだらけ」などで、いずれも100円の「見切り本」の中に、宝物がこっそり隠れていたりします。



さて、前述のお店に、例えばメルマガで紹介した本が3冊あったとすると、配信直後(2~4日以内)に行った時に、1~2冊がなくなっています。そういうのを、今までに10回ほど、確認してみました。6~7回はそういうパターンが見られたので、これはメルマガの効果も多少あるのだろう、と思っています。



これは、ブックオフから「功労者賞」(※ありません)をもらえるのも、遠くないかも…。ということで、今日は「本の選び方」について、いくつかノウハウをまとめてみることにします。



まずは、「リストアップ」について。これは…

①ネットで著者、キーワード、タイトルなどで検索をかけ、メモ帳に写す。
②「文庫OFF」、「スーパー源氏」、「日本の古本屋」などで検索し、メモ帳に写す。
③丸善、ジュンク堂、紀伊国屋などの新刊コーナーを回り、欲しいと思った本を携帯でメモする。
④ブックオフの「半額コーナー」を先に回り、リストアップする。

という方法がいいです。僕の携帯のメモ帳には、こうして整理した「欲しい本リスト」に、常時30冊ほどの候補作が記録されていて、本探しに役立っています。通販も時々使いますが…。



次は、「選び方」について。これはとても大切なことで、リストアップの前にやってもいいことです。

①「すぐ役立つ本」より、「長期的に深めたい話題」の本を優先する。
②人物や企業の「解説書」を買うなら、同時に「本人が書いた本」も買う。
③「ベストセラー」よりも「ロングセラー」を優先する。


以上3つについて、詳しく説明します。


①情報には「フロー(流動的)」と「ストック(固定的)」とがあります。このうち、判断基準や価値観を形成するのは「ストック」で、ストックが充実すれば、反応できるフローも変わります。



つまり、「その日の感情」や「最近の悩み」、「短期的課題」に基づいた本を優先すると、「ストックが、過度なフローに影響される」という状態になって、「1度(ちょっと)しか読まなかった本」が部屋に溢れることになります。



気分のように変わりやすいものを基準にすると、損が増えます。ですから、本を買う前はじっくり人生を考え、遠い見通しや広い視野を持って、自分がどんな人間を目指すのかしっかりと見極めたうえで、落ち着いた心で書店に向かうのが大切です。



②評論や評伝にも名作は多いですが、ある人が語った記録だけを読んで、本人の本を読まないのは、裁判で弁護士や検察官の話だけを聞いて、原告や被告の発言を無視するようなものです。



さらに、評伝や人物論は、選挙や社長交代、業績悪化の際に多く発刊されることもあり、あるいは提灯記事(イメージアップのために裏でお金を払って書いてもらう記事)でしかない場合も多いので、当事者の発言と照合しないと、偏狭な理解に陥ることがあります。



例えば、「漱石論」をいくら読んだところで、漱石の自著を読んでいないのであれば、それは何も読んでいないことに等しく、良質な読書とは言えません。原著を読んでこそ、解説書に健全な批評感覚が作動するようになります。



③ベストセラーは、広告宣伝の影響を受け、その当時のブームや時代背景などを追い風に、大量に発刊される本です。もちろん、それなりの質は保っていますが、本の本当の価値は「宣伝されなくても売れる」という点にあります。



要するに、「これは役立つから、ぜひ人に紹介したい」と思われれば、景気や時代背景、社会情勢の影響に左右されず、売れ続けるのです。ですから、30年とか80年、あるいは100年、500年とたっても売れている本は、まず選んで間違いありません。世代や時代が変わっても読まれるのは、それだけ本質的な内容を書いた本だという証拠でもあります。



さらに、最も大事な「在庫処分(効果的な読み方)」について。いくら買っても、本が単なるインテリアに終わっては、日増しに負担感が募っていきます。ということで、「熟読、精読、再読」という本来の目的を果たす方法について。



①毎日「読書時間」を設け、喫茶店などに行って時間を買う。
②ブログなどで「表現の場」を確保し、アウトプットを前提として、メモを取りながら読む。
③最初は集中できなくてもいいから、まずは習慣を作る。



学生さんの中には、手っ取り早く成果を求めようとするあまり、最初から「完成形」を望んで、実際にやってみた時に想像とのギャップで「中断」、「挫折」に陥る人もいますが、物事には段階や順序があります。



それまであまり本を読んだことがない人は、「1時間、ぐっと集中する」ことだけでも、立派な成長です。読了した経験に乏しい方は、「最後までとにかく読む」だけでもいいのです。



さらに、「読んだだけで自己満足に陥っていた」という方は、表現の場をもって、友人や知人の批評に応えるのもよいでしょう。人に説明してみれば、自分の理解度もよく分かります。というふうに、読書においては、まずは「型」から入ることが大事です。



友達と同じ本を買い、お互いに感想を語り合うことを一つの目標とするのも、モチベーションを上げる方法になります。最初から過度に「質」を求めると疲れやすくなるので、ほどよく続き、発展していくように、決めたペースをコツコツ守っていけば、誰しも上達するものです。



目標と行動の関係は、いつも「最初からできる」ではなく、「最後にそうなる」という基準で測るのが健全です。



さらに、これは読書だけではなく、人生全般において大切なことですが、「発想は、生後1分が勝負」を心得ておくのも大事です。



世の中、伸びる人と「あと一歩で負ける人」の差は、様々な面に原因がありますが、最も分かりやすい例の一つとしては、「二度寝しない人」が伸びます。



誰も干渉しない「起床」で、起きたのに時計をずらし、また眠るようなパターンが染み付いた人は、自分の良いアイデアをわざわざ悪いアイデアに取り替えて、先延ばしにしているも同然だと言えます。



「この本は、自分が求めていたものかもしれない!」と興奮して、ある本との出会いから自分の成長をワクワクしながら想像し、買って読んだとしましょう。その人は、本を手に取った時に想像した以上の自分になっているでしょう。


反対に、「でも…難しそうだし、別に今じゃなくてもいいか」と思った人は、別の軽い本を買い、軽い人間になるでしょう。また、そういう本を再読することは、まずないでしょう。



「すぐ役立つ本は、すぐ役立たなくなる本だ」とは、こういうことです。人生の深い目的や長期的な展望に基づかない行動は、継続されることがありません。よって、モノになることはありません。



読書も、九大のM君が好きな「筋トレ」と同じで、すぐには効果が分からないような地道な努力が大切です。最初からムリをしても体中が痛くなるだけで、まずはその習慣を作ることを目標とするのも大切です。



今すぐやせるようなトレーニングは、筋肉や習慣に頼らずに行うものですから、表面的な改善(フローの変化)にとどまります。そんなものにお金をかけるより、太らない習慣を作ってしまえば、根本的に解決できるもの。読書も、心の筋トレとしてじっくり慣れていきましょう。



さて、あと5時間で、3ヶ月ぶりの第④回「ブックオフツアー」が始まります。今日は、どんな名作との出会いが待っているのでしょうか。楽しみですね。夕方は空港のカフェで、飛行機を眺めながら語り合いましょう。


今日もお読みいただき、ありがとうございます。

ただ今、教育・学校部門41位、就職・アルバイト部門22位です。

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