■「内定への一言」バックナンバー編


「ベストセラーより、ロングセラーを読もう」


僕の趣味は古本屋めぐりで、中でも「絶版」を探すのが大好きです。紀伊国屋でも丸善でも、インターネットでも「在庫切れ」と答えが返ってくるようなかつての名著を探すのは、並大抵の努力ではありませんが、それでも福岡市内の路地裏の書店やブックオフを根気よく回っていると、「あったぁ~っ!」と涙を流したくなるような宝物が見つかることもあります。



書店回りに投じる時間も人より長いのですが、傍から見れば「何ぐるぐる回ってるんだろう」としか思えなくても、僕は今までに集めた絶版文庫(総投資額10万円程度)から得た着想や事業案で、既に何千万円も稼ぎました。

専門学校に数百万円かけて資格を取っても、月給が5万円も上がらない人がほとんどの世の中、僕の投資は少なくとも300倍にはなっているので、時間的に見ても、今どきのベストセラーを買うより、往年の名著をじっくり読み込み、自分が大切にする考えやアイデアを古典などと照らし合わせた方が、結局は効率的なのは、経験からも十分に感じています。

さて、なぜベストセラーよりロングセラーと書いたかと言えば、ロングセラーの方が異なる世代、時代、社会情勢、タイミング、販売手法に耐え抜いてきた分、内容が信用に足るからです。



ベストセラーも売れないよりはマシかもしれませんが、その年しか売れず、翌年にはブックオフで100円になるようでは、一発屋でしかありません。

それに、本というのは大体、発売時には必要な広告宣伝を行うものの、旬が去ったらあとはもっぱら「口コミ」です。



テレビや新聞の広告は内容が面白くなければ文句を言われるだけですが、口コミは失敗すれば知性を疑われます。口コミは大切な人に、責任を持って伝える情報というのが前提ですから、「これ、いいよ」、「ほんと良かった!」という輪が広がっていきます。



広告をしなければ売れない商品など、所詮その時だけの寿命なので、この点でもやっぱり、ベストセラーよりロングセラーの方が読む価値がある、というのが僕の考えです。



そういう意味で言えば、古典こそは最高のロングセラーです。何百年にもわたって、何千、何百万人という人の観察と判断に耐えてきた内容は、シンプルな言葉ながら見て見ぬ振りを許さない迫力があります。



古典には「第○刷」などという親切な情報は掲載されていませんが、やはり先人が「これだけは後世に伝えねば」と思ったからこそ、今、こうして僕たちが昔の英知を頂くことができるのでしょう。ありがたいことですね。

ちなみに出版社が喜ぶ「重版」とは、見込み発行部数が売り切れて再度印刷することですが、わが絶版文庫には、今は手に入らない名著が40冊ほど揃っています。本は売れた部数より、重版の回数の方が信じるに足る指標です。必要とされる人に長く読まれたからです。


つまり、「飽きられなかった」ということ。



たとえば、あの爆発的ヒット作、ハリー・ポッターでも「第10刷」程度です。僕は名前しか知らない「世界の中心で、愛を叫ぶ」という本は映画にもなり、それなりの人気もあったそうですが、それでも10刷行くか行かないかです。それが、ロングセラーはスケールが違います。

毎週の早朝読書会で読んでいる秋のテキスト「知的生活の方法」は110刷、孫正義さんが高校時代に読み、人生を切り拓くインスピレーションを得た伝説の名著「ユダヤの商法」に至っては225刷、世界中の日本文化研究者、比較文化研究者が競って読んだ昭和30年代の超ヒット作「甘えの構造」に至っては、なんと310刷となっています。



ベストセラーが赤ちゃんに見えるくらいの格差ですね。僕の所有している本は最新版ではないため、実数はもっといっているでしょう。これらの他にも、まだまだすごい本がありますが、FUNのみんなは、今は東京の学生でも入手できない知識や情報を得て、これからの人生を生きていけるということをお知らせしておきます。


皆さんも書店で、隠れた名作を探し、人生を変えるようなインスピレーションを求めてみては?


今日もお読みいただき、ありがとうございます。

ただ今、教育・学校部門43位、就職・アルバイト部門27位です。

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