■「内定への一言」バックナンバー編
「作業は、与えられた時間に従って膨張する」(C・N・パーキンソン)
今日をもって、10月から続けてきた「FUN就活コース」が終了しました。6ヶ月で、延べ322人の方が参加され、多くの素敵な出会いが生まれました。
講義や解説を務めた大月さん、司会や相談係を引き受けてくれた宮田君、フォローや会場予約を担当してくれた隈本さん、石橋君…本当にお疲れ様でした。
今、福岡各地で生まれている新しい出会いと笑顔こそ、皆さんが作り上げたものです。参加された皆さんも、早朝からの「見えない準備」を半年間、欠かさず頑張ってくれた先輩たちに、ぜひお礼の声をかけてあげて下さいね。
…と、秋からの取り組みを振り返っていたら、最近は就活コースに来てくれた学生さんから、毎日のように「韓国語もよろしくお願いします!」との声が…。
分かりました。ではさらに90日、一緒に勉強しましょう。皆さんの「語学力と記憶力」の可能性を発掘するため、面接塾で「8時間」を投資したように、僕に「48時間」を投資して下さいね。「200時間分」くらいの配当を付けて、7月末に達成感をお届けしてみせましょう。
人生には、一人ではなかなか着手できない「努力」があります。
仮に着手できても、一人では諦めてしまう「継続」があります。
仮に継続できても、一人では実感しにくい「達成」があります。
ならば、「着手しやすく、続けるほど楽しく、小さな成果にも手応えを感じる勉強」が実現すれば、何だって習得できてしまうじゃないか…というのが僕の考え。
これは、語学学習においても同じ。僕は、情熱的で成果が出る語学学習方法を、高校時代に読んだ「古代への情熱」(シュリーマン/新潮文庫)を通じて知りました。結果は…成功でした。習慣は、作れます。
さらに、記者になってから「パーキンソンの法則」を知って以来、自分のあらゆる努力や行動を客観的に見つめることができるようになり、「報われる努力とは、どういう努力か」を考えて行動してきました。
パーキンソンは、20世紀を代表する組織論の大家で、主に政府組織や巨大組織などを観察し、多くの小説やエッセイを書いた政治学者です。彼の優れた洞察は、現在FUNゼミで行っている「マネー塾」でも紹介している通りで、「ピラミッド建設公団」や、「金は入っただけ出る」の話などは、彼の著書に書いてある逸話です。
参考までに、「ピラミッド」の話は…。
数十万人を動員し、20年の歳月を経て完成した「王家の墓」であるピラミッドは、エジプトの国力の粋を集めた超巨大建造物でした。
歴史に名を残す不世出の名君を称える、これ以上ない威厳と規模を備えた建造物を完成させるために、多くの国民が自分の仕事を休んでまで工事に参加し、熟練技術者も生まれました。
さすが、国王直々に発注された仕事だけあって、給料も悪くない。20年近く工事を行っているうちに、「ピラミッド作りの達人」たちは、おのおのの得意分野に特化して派閥を形成し、ピラミッド建設は、公共事業的要素を帯びるに到りました。
…そして、遂に完成。誰もが喜びとともに迎えるであろう瞬間、のはずでしたが…。「オレは嫌だね、仕事がなくなるのは!」と、各派閥が政府に不満をぶつけ始めたのです。
無理もありません。20年近く、一つの事業に特化していれば、他の仕事よりもピラミッド建設に熟練して、給料も上がります。それをむざむざ捨てて、なんで今さら、「昔やってた、安い仕事」に戻れるものか…。
ピラミッド建設部隊の目的は、こうして、初期の「ピラミッド建設」から「組織の自己保存」へと変質し、集団が存続するために工事を要求するようになっていったのでした。つまり、「官僚化」し、「公団」のようになったわけです。
王様は困りました。無理に解散すれば、暴動が起きかねません。そこで、あるアイデアを思いつきました。
「君たち、実は私の妻にも、私のより小さくていいから、ピラミッドを作ってほしいんだけど」。
「わーい!」と、新たなピラミッドができました。そして、また不満がぶつけられました。
「分かった分かった、じゃ、私のいとこに、あんまり出来は良くないけど、まぁ性格がいい王位継承者がいるから、彼の墓も、早めに造っておくか」
「わ-い!」と、また一つ…。
「仕方ないなぁ、じゃあ、私の兄も、この前死んでしまったけど、せっかくだからよろしく」
「わーい!」…。
こうして、まさに戦後、イノシシかウサギしかいないような山道にまで「高速道路」を張り巡らせた、わが日本の「道路建設公団」のように、文化事業だったピラミッド建設部隊は「政治団体化」し、全ての税金を吸い尽くしていった…というのが、パーキンソンの仮説です。
これは、正解でした。ピラミッドは、エジプト王国の墓となってしまった、というわけです。
日本では、高速道路やハイテク港湾が、企業戦士たちの墓標になるのでしょうか…。ちなみに、この話は「組織の盛衰」(堺屋太一・PHP文庫)、「80年代、時代の読み方」(堺屋太一・祥伝社)にも詳しく解説されていますから、興味のある方はご一読を。
このように、パーキンソンは歴史や政治、経済で「当たり前」とされていた通説を心理学的、数理的に解明し、ウィット溢れる筆致で皮肉っては、大胆な仮説を提案し、法則化しています。
1970年に日本で発刊された「パーキンソンの成功法則」(福島正光訳・至誠堂新書)は既に絶版で、アマゾンでも、ブックオフのネット検索サービス「文庫OFF」でも在庫切れとなっていますが、どういうわけか僕の家にはあります。
そのパーキンソンの法則で、特に有名なのが、「作業は、与えられた時間に従って膨張する」という言葉です。
これは、一言で言って、「ヒマ人は成功しない」という事実を指摘しており、「時間的余裕を作ると、失敗しやすくなる」という、驚くべき「認識のギャップ」を洞察した法則でもあります。
僕は、これを知った時、「勝った!」と思いました。なぜなら、短時間で成果が出る方法が、勉強、仕事、趣味…などに応用できると知ったからです。学生時代に知っておくと、大きな差を付けることができるでしょう。
今日もお読みいただき、ありがとうございます。
ただ今、教育・学校部門43位、就職・アルバイト部門27位です。
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