■「内定への一言」バックナンバー編


「大事を成し遂げたいと思ったら、不可能な期限を設定せよ」

(「人生を変える80対20の法則」リチャード・コッチ/阪急コミュニケーションズより)




本書は引用回数においては、本メルマガでも一、二を争う書籍でしょうが、本当に何度読んでも、その都度発見がある名著です。FUNではもう、半分くらいの学生さんが読んだのではないでしょうか。読むと「今まで、自分は何をやっていたんだ…」と思ってしまいますよね。

私たちが勉強や仕事、あるいはスポーツや習い事において、何かを企図し、その対象を征服しようと思う時、まず、「時間がある」や「お金がある」という客観条件の充実度を無意識に気にしてしまいますが、実は、それが最初の失敗です。


理由は「頭を使わないから」。組織管理や人間心理の「膨張」と「退廃」のパターンを分析・提示した「パーキンソンの法則(原題は「In-law and Outlaw」福島正光訳・至誠堂新書)」が示すように、「作業は、与えられた時間に従って膨張する」のが常です。


つまり、「まだ一週間あるから大丈夫だ」と思って臨んでも、「あと五時間しかないから、頑張らないと」と臨んでも、どちらでも「完了」はできるのです。


だったら、「一週間」の方は、一体何なのでしょう。それが「膨張」です。


例えば、あなたが「英単語テスト」を控えた高校生だったとします。「試験はあと一週間後」と言われて、今日そのための勉強をする場合は、「一つ一つ覚えよう」と思って、教室や喫茶店で単語帳を開いては、一単語ずつ蛍光ペンで色をつけ、「apple りんご、apple りんご…」といった勉強を始めるかもしれません。



「余裕があるから」と始めた勉強方法は、こうして「非効率&効果なし」という頭を使わない方法から始まり、いつしかそれが悪習慣となって、時間いっぱいに膨張しはじめます。



では反対に、「明日は単語テストだ。出題数は二○○語。しっかりやるように」と言われたら?おそらく、限られた十時間程度で二○○単語を覚えるための「方法」を、最初に考えるでしょう。



そして、一週間の時間を与えられた場合よりも、案外うまくいったりしてしまうのです。それは、「ムダ」を考えないから。つまり、「頭脳が働く状態」を作ることは、余裕を与えられるよりも、ずっと生産的なのです。

「80対20~」の著者も、「不可能な期限を設定した時、人間の頭は本当に効果的な方法しか考えない」と書いています。



時間が長くても、ダメなやり方が習慣化するなら、根本的な解決にはつながらない、と言っているのです。だからといって、わざと期限ギリギリまで引き伸ばして、自分を「背水の陣」に追い込むのは、無意味な行動です。



不可能な期限とは、与えられるものではなく、自分で設定するものだからです。本メルマガでも去年紹介し、FUNの勉強会でもかなり初期に紹介した言葉に、「五%のコストダウンより、五○%のコストダウンの方がうまくいく。常識が変わるからだ」(松下幸之助)があります。



なまじ時間やお金があると、それを使えばいいとばかりに怠けてしまって、肝心の頭だけは旧式状態ということになりかねません。



世の語学教室や習い事教室は、人間のそんな怠惰な習慣をよく研究し、「自分の頭で考えない人間」のお金と時間を吸いとっています。実に計画的な戦略の一つです。どっちもどっちですが。

僕も二十代は、自分にたびたび不可能な期限を設定したり、されたりしましたが、下手に余裕があるよりも、ずっと集中力が高まり、記憶力も冴えます。そんなこんなで、十四の外国語を学び、四つの外国語を使えるようになりました。明日は四時五十分から西南会館で、そんな勉強方法を具体的にお話します。

「自分って、頭が悪いんじゃないか」
「私って、なんでこんなに物覚えが悪いんだろ」
「なんでいつも覚える以上に忘れるんだ」

と思っている方がおられたら、自分をネガティブに決め付ける前に、一度来られてはいかがでしょうか。テーマは「二十二歳で四ヶ国語を習得した語学学習法」ですが、別に語学に興味がない方でもOKです。


今日もお読みいただき、ありがとうございます。

ただ今、教育・学校部門43位、就職・アルバイト部門27位です。

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