■「内定への一言」バックナンバー編
「おいしいものを食べるのも大切だが、
おいしく食べることはもっと大切だ」
僕がまだ記者だった頃(九九年)、取材で訪れた薬院の居酒屋の店長の言葉です。
自分を取材して話題を探し、自分を広告する就活において、ふと話題がなくなったような思いに駆られ、不安を感じた時は、少しリラックスして、「何を食べたか」よりも「どれだけおいしく食べたか」を振り返ってはどうでしょう。
今も鮮明によみがえる思い出や、自信を与えてくれた体験は、その思い出や体験自体に希少性や価値があったというよりも、位置付けや起こり方、つまり「食べ方」が特別だったから、あなたの人生の大切な一部となっているのでしょう。
留学、ボランティア、習い事、語学留学、スポーツ経験…それぞれ素晴らしい経験です。
しかし、「何をやったか」よりも、「なぜ、どのようにやったか」の方がもっと大事。それが「個性」だからです。留学は真似できても、動機はあなたオリジナルのものがあるでしょう。それに相手は興味があるものです。
TOEICの実力が七○○点のまま入学し、卒業時も七○○点であるような人よりも、入学時は三○○点でも、卒業時は五○○点になるような人の方が、「英語」という対象を大切にしているので、企業は好みます。これは、通常の人間関係でも全く同じでしょう。
「頭がいい人」よりも、「勉強する人」の方が実社会では確実に伸びます。不足していることはいつも問題ではなく、不足は自覚してさえいれば、必ず長所になります。
それとどう向き合うか、どう克服して長所に変えるか、そういう「夢の食べ方」であなたの真似をできる人はいないでしょう。あなたのやり方で克服したり、放置したりすればよいのです。それが自分ですから。
自分がやってきたことに自信を持ちましょう。あなたが「大切だ」と言えば、相手も必ずそう思ってくれます。あなたが「自信がない」と言えば、相手もそう見ます。
「自分と会社をどう大切に位置付けたか」を語るだけでいいなんて、就活ってホントに楽勝ですね。