■「内定への一言」バックナンバー編
「人は思っているものになる」
忘れもしない九四年の夏…。百道浜で遊んでいたら、後ろから「おじちゃ~ん!」と子供の声が。お構いなく遊んでいたら、しばらくするとまた、「おじちゃん、ボール取って!」との声。
そう、「おじちゃん」とは、当時十八歳だった僕のことだったのです。僕はまさか自分のことだとは思わずに、ボールを取ってあげました。
さて、お盆明けで久しぶりの配信となる今回、どうして冒頭にこんなエピソードを紹介したかというと、「人は自分がそうだと思う情報に反応する」ということを説明したかったからです。
あなたは男性ですか?女性ですか?仮に女性としましょう。たくさんの人がいる町で、後ろから「おばちゃん」と呼ばれて、あなたは振り向きますか?多分、振り向かないでしょう。本メルマガの読者の大半は、振り向くには若すぎます。
では、あまり人通りがない道で、後ろから子供に「おばちゃん」と言われたらどうでしょうか?もしかしたら、「ん?あたしのこと?」と思うかもしれません。そして、振り向くかもしれません。あるいは、「おばちゃんとは何よ!このガキっ!」と怒るかもしれません。
しかし、あなたはおばちゃんだから振り向いたのではなく、振り向いたから「おばちゃん」になったのです。「私のことだ」と思わない人には、その子供の声は雑音に過ぎません。ところが、心のどこかで「私は年齢以上に見えないか?私は今どきの女子大生に見えるだろうか?」と、声にはしないまでも、実は内心ではいつも気にしている人は、振り向いてしまいます。あるいは、その声に自分が「当てはまっているかもしれない」と思います。
つまり、人は「反応したものになる」のです。この例の場合、その人がおばちゃんであるかどうかに関係なく、反応すれば、その子供にとっては立派なおばちゃんです。
昼下がりの天神の喫茶店に行ってみて下さい。「いつ会社をやめようか」と顔に書いてあるような無気力なサラリーマンがいっぱいいます。入り口に背を向け、「誰か」に見られないよう、さりげない工夫に励む哀れな彼らを前に、「貴様!ここにいたのか!何をサボっているんだ!」と一喝してみたら、そこにいる半分くらいは、「うそ?バレた?」と思って振り向くでしょう。
内心ビクビクしている人間は、何にでも反応するものです。
さて、大学生はどうでしょうか。
「フリーターになるんじゃないか…」
「留年するんじゃないか…」
「単位が足りないんじゃないか…」
「内定もらえないんじゃないか…」
といつも気にしている人は、確実にそうなります。なぜなら、そういう関心事に合致する情報ばかりに自分を当てはめるからです。以前、ヤフーのサイトを見ていたら、いきなり、「あなたの毛穴…誰かに見られてるかも」という、某化粧品会社の広告が点滅しました。
この忙しい日本で、果たして他人の毛穴に興味を持つ人がどれくらいいるか、あるいは自分の毛穴を気にして眠れない人がどれくらいいるか、そんなことを考えたこともない僕は、「変な広告もあるもんだ」と、キャッチコピーを覚えてしまったんですが、これも「本心では人の目が気になって仕方ない人」が一人でパソコンの前にいる時を狙った広告です。
もちろん、毛穴がどうであるかなど全く関係なく、その人が気にすれば気になるだけの話です。
FUNではいつも、対外的にプラスの情報発信をしています。そして、それに反応して入部する人が後を断ちません。彼女たちが受け取ったビラ、見つけたチラシだけに、良い情報が書いてあったのでしょうか?そんなことはありません。
部員の皆さんが時折リニューアルしては各大学に設置しているビラを、僕も何度も見せてもらったことがありますが、どれも一緒。そして、入部時にその学生さんが口にすることも、大体似ています。
つまり、「プラス思考」なのです。要は、「このビラに書いてあることは、私に当てはまる」と思ったのです。そうでない人は、「学生の身分で社長取材?んなこと、あるわけなかろうが!」、「どうせマジメ君ばっかりやろ」、「今は行く時じゃない」、「取材とか雑誌作りやったって、就活には役に立たんやろ」とでも思ったのか、FUNには来ません。
こういう人は、学生に限らず、社会人でも、いつもプラスの情報を疑ってかかり、自分という人間の価値を低く見積もっているのかもしれません。おかげでマイナス思考の人は来ることがなく、大変活気のある活動ができています。
つまり、本当の自分は「お兄さん」、あるいは「お姉さん」でも、「おっさん!」、「おばちゃん!」という言葉に反応し続ければ、本当にそうなってしまうんですね。「あなた、夢に間に合っていませんよ!」と後ろから呼びかけられたら、「はい!すみません」と振り向くんでしょうね。
FUNに集まる学生たちは、「間に合っていないかもしれない」という不安や誘惑を断ち切り、「いいや!間に合っているんだ!」と信じてやって来ます。そして、事実、間に合います。間に合うまでみんなで頑張るから、絶対に成功して当たり前です。
その学生さんが日頃、どんな情報に同意しているかは、ちょっと話をすれば見抜けることなので、僕は最近の若者は「すごい逸材ばかりだ」と毎日感じています。
「そうじゃない人も多いんですよ。無気力な学生もいっぱいいます」と学生さんたちは言いますが、そういう学生と会う機会はないし、別に会いたくもないので、FUNには積極的な人ばかりが集まり、消極的な人も積極的になっていくばかり。
周りにどんな人がいるかで、社会の見え方も人生の見え方も変わるなら、積極的な環境にいるのは、絶対に大事なことですね。僕も微力ながら、週1回、好き勝手なお話しをさせてもらっていますが、本当に勉強になる素晴らしい環境です。
さて、お盆も明けました。あなたはこの夏と秋、どんな情報に反応しますか?よく考えて過ごしましょう。