■「内定への一言」バックナンバー編
「オンリーワンかつナンバーワン」
昨今のジャーナリズムでは、「ナンバーワンよりオンリーワン」というフレーズが随分はやり、定着してきた感がありますが、スポーツチームや企業においては、時として「何をのんきなことを言っているんだ!」と指弾されかねない言葉です。
相手にとって「唯一」の存在であることは、それ自体で一つの価値ですが、ただ珍しいだけで要求に満たないのは、考えものです。
やはり、観客や顧客という「相手」がいるからには、「ナンバーワン」という要件も満たしていないと、プロとしてのあり方とは言えないでしょう。
「オンリーワン」も、相手にとっての「ナンバーワン」を同時に達成している会社なら堂々と言えることですが、タダの「オンリーワン」では「だから何?」と言われてしまうのがオチ。僕は試合前に「勝ち負けはともかく、楽しみたい」と言うスポーツ選手が嫌いです。本当に勝てる選手ならいざ知らず、試合前からそんな弱気なことを言い、負け、みじめな結果に終わる選手やチームを見ていると、「こいつ、よく客にお金を払ってもらって、あんなことが言えるもんだ」と感じます。
「楽しむ」とは、よく「達人の境地」だと言われますが、勝ち負けのスリルも超越して、自由自在にゲームを支配することができてこそ、「楽しむ」と言うのが正しいあり方です。
やはり、勝たねばなりません。目的を持ち、誰かのために努力を要求されるスポーツ選手や企業経営者は、「勝つ」べき存在。同様に、プロスポーツ選手はテレビCMなどに出るべきではないとも考えます。
プロはプロの仕事で稼ぐべきであって、ファンはチームが負けてイライラしているのに、当の野球選手がニヤケ顔でCMに出ているのを見たら、どういう気持ちになるのでしょうか。最近は銀行などのCMに出る選手も多くいますが、ただ顔が知れているからといって、本業以外でもカネを儲けようとする風潮が出てくると、チームも決まって低迷し始めるものです。
ホークスも、看板選手がカードローンや預金PRのCMに出るようになって、ここぞという試合で勝てなくなりました。プロ野球選手に金融の世界が分かるのを期待するのも無理かもしれませんが、この傾向は若手選手にも広がりつつあるし、女性ファンを取り込んで市民球団となったのは良いとしても、プロスポーツとしてのあり方からは、随分離れていっている気がします。
全盛期の西武ライオンズでは、堤オーナーが選手のCM出演を厳禁し、CM相当の報酬を年俸に上乗せして、圧倒的に勝ちまくったのは有名な話です。「監督自らがCMに出る巨人など、わがライオンズの敵ではない!」と。
やっぱりプロスポーツは、そういう気迫の下に自分を鍛え上げた選手のぶつかり合いだからこそ、見ている方も感動するのです。選手がニヤニヤしながらバラエティ番組に出ている巨人が弱くなったのは、当然でしょう。選手は球場で見るのが一番です。
FUNの部員の方六十名は分かるでしょうが、顧問の僕が、「就活?さぁ~…。内定できるか分からないけど、僕にその実力があるかどうかも不明だけど、とにかく楽しもうよ!結果はともかく、活動を楽しむことが大事だよ」と言ったら、どう感じますか?「ふざけんな!」と思うでしょ?
だから僕は、いつでも「できる!やる!」とだけしか言わないのです。結果に責任を取らないなら、就職課やハローワークと変わりません。僕は毎週、どんなに小さくても、学生の皆さんの心の中に毎回「前進」や「成長」を残すことを心掛け、二年間を過ごしてきました。
二年たった今のFUNがどうであるか、結果はご覧の通りです。最近は、いろんなビジネスサークルや就活サークルがあるそうですが、皆さんの中ではFUNが「ナンバーワン」でしょう。
皆さんは、日本で二番目に高い山を知っていますか?シドニーオリンピックの一○○M走で二位だった選手を覚えていますか?知らないでしょう。二番など、誰も興味がないのです。同様に、FUN以外のサークルにも興味がないでしょうし、もっと自分の夢や現実にふさわしいサークルがあれば、そちらを選んでいるはずです。
FUNがただ「オンリーワン」で、中身は「ナンバーツー」とか「ナンバースリー」なら、誰も平日の夜に集まったり、土曜の早朝に香椎に集まったりしないはず。しかし皆、他のサークルを辞めてFUNに入ったり、他のサークルをたくさん見学した後、数ヶ月を経てFUNに入ったりするのは、「ナンバーワン」と「オンリーワン」を同時に満たしているから。そしてこれからも、FUNはそうあり続けると思っているから、みんな頑張っているんでしょう。
「オンリーワン」も、ただ自分の手抜きを正当化し、甘い努力に安住している自分を維持するために言うのでは、敗者の言い訳に過ぎません。志望企業、お客さん、友達にとって、求められる分野で「ナンバーワン」になりましょう。それが同時に「オンリーワン」にもなるための条件です。企業は学生から、そういう気迫が欲しいものですよ。