■「内定への一言」バックナンバー編
「忙しい人こそ、怠け者である」
(「金持ち父さん 貧乏父さん」ロバート・キヨサキ 筑摩書房)
「何だって?」と思う一言かもしれません。「忙しい」とは、「時間がない」こと。「時間がない」とは、「予定で埋まっている」ということ。そして、「予定がある」とは、「怠けてはいない」という証拠じゃないのか…?
「忙しい人=怠け者」だなんて、おかしい。
確かにそれも一理あります。もちろん、「予定があって忙しい」のも真実。
しかし、「どんな予定なのか」が大切です。本書では、「本当にやるべき大切なことが分かっていながら、忙しいと自分に言い聞かせることで、重要な課題と向き合うことから逃げるのは、怠け者だ」と指摘しています。
具体的には、「今は忙しいから、それができない」、「お金ができたら、貯金する」という、多くの人が陥りがちな自己欺瞞を指摘しています。
「忙しい」と言うのは簡単です。あんまり言い過ぎると、自分でも自分の位置がよく分からなくなり、口にするだけで心がソワソワしてきて、「だから自分は、今、それをしなくてもいいんだ」と自分の怠慢を正当化してしまいかねません。
そして、そういう「忙しい」は、「大事なことだけやってない=無駄な遠回りばかりに忙殺されている」という点で怠慢だと、著者は指摘します。
つまり、「自分で自分の邪魔をしている」だけ。忙しかろうが忙しくなかろうが、期限までの時間があろうがなかろうが、「それをしないと進めない」という課題は、だいたい誰でも、本心ではよく分かっています。
それに、取り掛かる「忙しさ」と、逃げる口実としての「忙しさ」では、同じ言葉でも意味は全く違う…。だから、自分をごまかさないようにしよう、簡単に「忙しい」と口にしないようにしよう、と、先週水曜の「早朝読書会」で、学生の皆さんと語り合いました。
「忙しい」と言いそうになったら、「忙し…くない!全然!」と言葉を飲み込んでしまいましょう。その瞬間、私たちはさっきより、新しくなることができます。