■「内定への一言」バックナンバー編
「愚者は投入した時間の量に価値を感じ、
賢者は節約した時間の量に価値を感じる」
ここ数日、個人的な作業とFUNの雑誌の編集(最新号の完成度はすごい!)、FUNのホームページのリニューアル作業でメルマガをお休みしていました。今日からまた再開します。
ここ三年ほどで、学生さんからよく聞かれることの一つに「お金の稼ぎ方」があります。僕はおそらくそれが得意な部類の人間ですが、あえてそれをFUNでは封印しているのは、学生に教えたら多分就職しなくなるからです。
僕はやはり、一回くらいは就職した方がよいと考えています。そして、「人に使われるのがいかに非効率的か」を味わったら、自分で事業をやるのがよいと考えています。
「内定」という言葉は、就職を控えた時期の学生が聞けば、それだけで「幸せ」を意味する言葉かもしれません。
しかし、社会人の実に七割が「仕事に不満」、「自分は幸せと呼べる状態ではない」と答えているのは、一体どうしたことでしょうか。内定すれば安心じゃなかったのか…。
ということで、今日は皆さんが社会に出てからの「幸せ度」を決定する重要な尺度の一つである「お金」の稼ぎ方、お金を見る視点について書いてみます。
僕はいつも、自分の知識を広く分け与えるのに寛容です。その理由は、「与えると倍になって帰ってくる」から。もう一つは、「八割の人は聞いても実行しない」からです。
そうして知識や考え方を提供することで、どの人間が本当に組めるかを判断してきました。だから、このメルマガでも日々、知識や考え方を無料で提供しています。この中から将来を語り合えるたった数名の若者と出会えれば、それは大きな財産と呼べるでしょう。
さて、「儲かる仕事」とは、一体何をもって、そう称するのでしょうか。まずは、これをしっかりと定義しておかねばなりません。
僕には一つ、母が教えてくれた確実な定義があります。この尺度に照らせば、それが「続けるべきか」、「撤退すべきか」が明らかになる基準とは、「自分がそこにいなくてもお金が生まれるかどうか」です。
だから、「時給二○○○円」とか、「一日の実働時間が十二時間で休みは週一回」というのは、それだけでやる価値がない仕事です。そんな働きぶりじゃないと維持できないビジネスなんて、社長の考えが間違っている証拠でしょう。
賢い経営者は、自分が得た「お金」よりも、「新たに創出できた時間」の方をより素晴らしい報酬だと考えます。
なぜなら、時間が新たな思考や想像を可能にし、アイデアを生み、事業を創出するからです。お金があっても時間がないのでは、あるお金を正しく生かせないのと同じなので、そういうのは成功とは呼びません。
そこで、FUNの学生(特に営業に興味がある学生)にいつも教える発想があります。「君のやりたい仕事には○○があるか?」、「○○的な要素がなければ、それはビジネスではなく自転車操業になるぞ」と言う、その「○○」とは、「歩留まり」です。
と言っても、学生に「歩留まり」と言うと、毎回「ん?」という顔をされるので、「時間や成果が保存され、翌月は蓄積された結果からスタートできるか?」と問い直します。それでも「は?」という顔の学生さんもいます。
ということで、今日はこの「歩留まり」について説明しましょう。世の「お金と時間の自由を同時に達成している人」は、必ず「歩留まり型収入」が生まれる仕事をしている人です。もしあなたが、これを確実に理解できれば、未来が変わります。
では、一つずつ段階を追って見ていきましょう。
まず、あなたは「毎日早朝から深夜まで働き、土日も返上して月に四十万円稼ぐ銀行員」と、「自分が所有する賃貸マンションから生まれる月額二十万円の収入で生活する事業家」では、どちらがお金持ちだと考えますか?
答えは「事業家」です。なぜなら、その収入は「自分」ではなく「マンション」が代わりに稼いでくれているからです。
歩留まり型収入の代表と言えば、やはり「不動産」。そこには「時間と成果の保存」があるから、労働収入では太刀打ちできない時間的自由があります。
皆さんは昔、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」などのゲームをしたことがあると思います。あの手のRPGの特徴は、「ストーリーが長くて、一日ではクリアできないこと」です。
それを一日でクリアしようと思ったら、一体どういうことになるでしょうか?おそらく、よっぽどの幸運を祈るか、それとも寝食を忘れてゲームに打ち込むしかないでしょう。
しかし、二つとも「セーブ」という機能がありましたよね。今日のレベルや状態を保存し、翌日はその状態からスタートできるという機能が、当然のように付いていました。「歩留まり」の仕組みとは、まさにあれです。
例えば、あなたが「一部屋=五万円×二十部屋」のマンションを持つオーナーだとしましょう。
一ヶ月目に五人の入居者が決まり、あなたは「二十五万円」の収入を手に入れました。そして、二ヶ月目にはさらに五人の入居者がありました。この五人を探すため、あなたが投じた時間は、先月と同じ長さです。その努力で、あなたは今月もさらに「二十五万円」のお金を生み出しました。
しかし、あなたの収入は二十五万円ではありません。だって、先月既に同じ額を稼いでいるのですから。よって、あなたの収入は「五十万円」になります。あなたは、先月と同じ時間を投下したのに、先月の二倍の収入を得たわけです。つまり、「五人を探す時間を節約した」ということです。
そして三ヶ月目。さらに十人の入居者があり、あなたのマンションは晴れて「全室入居」となりました。あなたが三ヶ月目に作った収入は、十人ですから当然、「五十万円」です。
しかし、本当の収入は「一○○万円」ですよね。だって、先月までに既に五十万円のお金を生み出したのですから。つまり、「十人を探す時間を節約した」ということです。
よって、あなたの口座には四ヶ月目から、働かなくても毎月一○○万円が振り込まれ続けることになります。「嫌だ」と言っても振り込まれます。気付いたら二倍、三倍になっていきます。退去しない限り、これがずっと続いていくのです。
このように、「歩留まり型収入」とは、一ヶ月目に積み上げた成果が二ヶ月目に上積みされ、さらに三ヶ月目の成果と合算され、「投入時間は同じでも、収入は増えていく」という性質を持っています。簡単ですが、式で表すと以下のようになります。
一ヶ月目…五万円×五人=二十五万円
二ヶ月目…五万円×五人=二十五万円+先月の二十五万円=五十万円
三ヶ月目…五万円×十人=五十万円+先月の五十万円=一○○万円
です。携帯電話、広告、出版、学習塾、サーバー、アフィリエイト、保険…これらは努力と時間が保存され、「時間が空いてお金も増える」という歩留まりビジネスの典型です。
これが「セーブできないドラクエ」だったら、どうでしょうか。
一ヶ月目…二十五万円
二ヶ月目…二十五万円(ゼロからスタート)
三ヶ月目…五十万円(ゼロからスタート)
ですよね。つまり「サラリーマン」や「公務員」、「アルバイト」と同じ、「時間切り売りの労働収入」です。こういう「雇われている人たち」の頭の中にはそもそも、「歩留まり」という発想自体が存在しないので、収入を増やそうと思えば、考えることはいつも…
■資格を取ろうか
■いい学校を出ようか
■仕事を増やそうか
■時間を増やそうか
■会社を変えようか
といったところです。つまり、本質的に何も変わらない選択肢を描いては、それで「収入が増える」、「人生が変わる」と幸せな錯覚を楽しんでいるわけです。どこの大学を出ようが、昔の偏差値がいくつであろうが、こういう考え方をしている限り、誰でも大差ありません。
こういう人たちは大体、二七号で紹介した「取得原価主義発想」で物事を考える傾向があります。投下した時間が成果物の価値を決める、というあの「唯物論思考」です。考え方が言葉として表れれば、次のような発言になります。
■せっかく浪人して入った大学だから、絶対にやめられない
■十日間も勉強したのに、この結果は納得できない
■二十年も住宅ローンを払ってきた家だから、売れない
■四年間も勉強してきた学問だから、それとつながらない仕事は嫌
といった感じです。本質がどうか、具体的な数字の上での見返り、バランスはどうかということは全く見えておらず、ただ「後悔したくない」とかいう意味不明の言葉で自分を納得させ、苦しい精神主義に浸っているのがよく分かりますよね。
我々経営者の世界では、「損切り」ができる撤退のプロもまた、大変評価されるのですが、そういう概念を知らずに生きると、ただ過去のみに束縛されて生きることになります。
英語の授業で、ある単語テストがあったとしましょう。ある人は、「二時間勉強して八十点」でした。それが悔しくて、「四時間勉強して一○○点」を達成しました。それは、結果の上では上等に思えるかもしれません。
しかし本質は、「同じ方法を二倍に引き伸ばしただけ」であって、何の改善もなされていません。
本当に賢いのは、「二時間、あるいは一時間で一○○点」という方法を考えることです。「同じ時間でも成果が違う」のを「プロ」と呼びます。「時間やお金の制限を撤廃して成果を変える」のは「アマチュア」です。だから、受験勉強で「長時間主義」に慣れきった秀才君は、ビジネスの世界では使い物にならないわけです。
ビジネスには、いつも時間、お金、人員、競合他社のレベルといった「制約」があります。その前提の中で優れた結果を出す要因を、「能力」と呼んでいるのです。「引き伸ばす」のが能力ではなく、「節約する」のが能力です。
人は「余計時間がかかること」にはお金を払いません。弁当、クリーニング、バス、電車、パソコン、携帯電話、洗濯機、冷蔵庫、テレビ、飲食店…など、「時間が節約されること」に人はお金を払います。長時間かけて何かを成し遂げる力など、磨いても何の使い物にもならないんですね。
…ということくらい、僕は大学生なら就活で考えると思っていました。
しかし、そういう本当の「賢さ」は学校では教えてもらえないようで、「時給が一○○円上がった」とか、「こっちの方が初任給が五千円高い」とか、「副業やって三万円稼いだ」という話を現役学生から聞いて、「なんだ、大学では今も社会主義を教えているのか?」と驚きました。
ということで、あなたがもし将来、「時間とお金の自由」が欲しいと思ったら、以上のような性質を持つ仕事をしましょう。そしてまず、知識の歩留まり(集積)を起こしましょう。
日本には、宗教法人に加入している人が「述べ二億人」いるそうです(神社とお寺が大半)。わが国には神話の神様、学問の神様、商売の神様、受験の神様、野球の神様などに加え、イエス様やアッラーの神様、ヒンズー教の神様、その他新興宗教団体の神様…いろんな神様がいます。
みんな色んな神様を信じているでしょう。僕は「学問の神様」の菅原道真公や、「商売の神様」の松下幸之助さんが本当に好きです。学生の皆さんの中には、ギターの神様や恋愛の神様、占いの神様、ダンスの神様…が大好きな人もいるでしょう。
そんなわが国で一番多い神様とは…「貧乏神」です。貧乏神の教え第一条は「労働価値説(投下時間に価値がある)」ですから、信じた人はみんな貧乏になるというわけですね。