◆「内定への一言」バックナンバー編

「バイトを語らず、バイトで語ろう」





おはようございます。昨夜、歴史勉強会の資料コピーが終わり、珍しく帰って数分で寝付いた小島です。

昨日は予約分の半分しか作れませんでしたが、全部を積み上げたら、軽く電話帳5~6冊分はあるでしょう。我ながら、やりすぎには注意せねばと感じました。

今日は入試でFUNゼミの会場が取れなかったため、僕はお休みをもらう…と夜に連絡したのに、4年間も早朝から起きていると、どんなに疲れていても、体は勝手に起き上がってしまうものですね。



昨日の業界ゼミ「IT①・②」の講義は、京都大学からたった一人、マイクロソフトのシアトル本社に内定した友人とよく話し合っていた内容を元にしたもので、さながら「情報文明史」という感じでした。

シアトルと言えばマイクロソフト。マイクロソフトといえばビル・ゲイツ。ビル・ゲイツといえば、アラン・ケイ。PCを発明したアラン・ケイが、人生を決定付ける影響を受けたのが、マーシャル・マクルーハン…

ということで、昨日の講義レジュメ4枚の作成に当たって、特に参考になったのは、マクルーハンの本です。40年も前に世界で初めて「グローバル・ウェブ(ヴィレッジ)」という言葉で未来を定義した彼のことは、2年ほど前の本メルマガでも触れましたね。

現代の広告、情報通信産業に彼が与えた影響はあまりに大きく、その発想自体が「インターネット」の前提であるため、今ではさほど知られていません。

彼の発想の本質に驚いた当時の電通は、数ヶ月待ちの予約でマクルーハンの幹部コンサルティングを受け、たった2時間で数十万円の講演料を払ったそうです。

まだ無名の「広告屋」に過ぎなかった当時の東京電報通信社、つまり今の電通が、それからどうなったかは、学生さんならよく知っていることでしょう。別に彼のコンサルティングだけが理由ではありませんが、やはり「情報」を見抜く力が大事だったのです。

彼の本は奇抜で逆説的な表現に満ちていますし、解説者によっては「ペテン師」から「ビル・ゲイツを何十人も集めたような天才」という評価まで分かれ、なかなか捉えにくい人物です。

昨日の内容に興味を持った皆さん、およびITや広告に興味のある皆さんは、以下の本を読まれてはいかがでしょうか。



『グーテンベルクの銀河系』(マクルーハン/みすず書房/7,500円)
『グローバル・ヴィレッジ』(マクルーハン/青弓社/4,620円)
『マクルーハン理論』(エドムンド・スノー・カーペンター/サイマル出版会/1,950円※絶版)
『マクルーハンの世界』(竹村健一/徳間書店/1,200※絶版)
『ワーク・オブ・ネーションズ』(ロバート・ライシュ/ダイヤモンド社/1,800円)
『イノベーションと企業家精神』(ドラッカー/ダイヤモンド社/1,400円)
『ドイツ参謀本部』(渡部昇一/中公新書)

高くて買えない場合は、大学の図書館で探してもいいでしょう。

このうち、マクルーハン関係は学生さんが理解するのは困難だと思いますし、別に就活ではそこまでの知識は不要なので、『ワーク・オブ・ネーションズ』の第三部「シンボリック・アナリストの台頭」を読んでおくことをおすすめします。

既に福岡のブックオフでは僕が買い占めて、FUNの4年生数人にあげましたから、もう少ないかもしれませんが、探せばあるはずです。「情報」、「知識」、「発想」に関する明確で十分な定義を持てるでしょう。



さて、昨日の講義では「IT」を「I」と「T」に分け、歴史的にその着眼点がどのようにメディアの盛衰、産業の盛衰を決定してきたかについて話しました。

その際、面接の考え方についてもちょこっと触れたら、数人の学生さんには参考になったようなので、今日はそれについて簡単にご紹介しておきます。

それは、毎年面接塾で言っていることで、「バイトを語らず、バイトで語ろう」ということです。

いつかも書きましたが、学生時代の勉強の差は社会に出てくっきりと表れるもので、特に明白な差が生まれるのが営業の仕事です。

世の中、いろんな場所に差がありますが、できる営業マンとできない営業マンの差ほどひどい差もないなぁと思ったことがあります。

だって、考えていることが全く逆なんですから。


できない営業マンは、「商品を売る」と考えます。

それどころか、「営業はモノを売る仕事」と考えています。

根本の発想から間違っていて、成果が出るわけもありませんよね。

僕のような「最終学歴・自動車学校」男には、「なぜカネかけて大学出てまで、そんなふうな嫌われるような発想しかできないのか」と疑問です。偏差値60より、月60万稼ぐ方が僕などの中退野郎にはよっぽど楽です。


で、できる営業マンはどう考えているかというと、「商品で売る」。

何を売るのかと言えば、「自分との人間関係」です。

全ての商品は、相手との永続的・発展的な関係を創造するための手段に過ぎないがゆえに、「何を売るか」は関係なく、「相手をいかに深く思いやれるか」が大切になってきます。

営業塾に参加された方は、最初の方で聞いたことがある話ですよね。


このように、世の中には「できる人」と「できない人」がくっきりと棲み分けをなしており、その収入、資産格差は十倍を超えることがあります。

なぜできない人を養わねばならないか、よく分かりませんが、世の中は金持ちが貧乏人を搾取しているのではなく、貧乏人が金持ちを搾取しているというのが事実のため、十倍以下で済んでいるのはまだいい方でしょう。

9割は、だいたい「できない営業マン」です。彼らのほとんどは学卒者ですが、創造的な発想は苦手で、ビジネスマンとしての偏差値はほとんど50以下ということです。別に勝ち誇っているわけではなく、僕は「考え方」が及ぼす結果の違いに興味があるだけです。

営業ができないというのは、社会人になっていきなりできなくなったわけではなく、現場に出るまでに何ら価値あることを学ばなかった、という証拠でしょう。

つまり、「社会人になった時から、できなかった」。

要するに、「学生時代から、できなかった」ということです。

ならば、営業における発想は、学生時代に胚胎していると考えられます。


「営業活動」に相当する要素を学生時代から抽出してみると、中退した僕は経験したことがない「就活」が思い当たります。

ならば、彼らはもしかして、あれをあのように言うのでは…?

やっぱり、その通りでした。



できない営業マンが商品「を」売るように、落ちまくる学生も、バイト「を」、ゼミ「を」、サークル「を」、旅行「を」、資格「を」語っていました。

「君たちは、そんなに高い航空運賃を払って、わざわざ東京まで独り言を言いに行くのか?」とかわいそうに思ったので、FUNではなんとか処置をほどこしましたが、それにしても、なんということでしょうか。

「で」ではなく「を」の発想が脳髄に染み付いたばかりに、資格や留学、珍しい経験といった「見栄えのいいこと」ばかりに大金をつぎ込むという、ずれた発想しかできない…驚きました。

何を語るかも、もちろんそれなりに大事です。しかし、それ以上に大事なのは、何をもって自分を伝えるか、です。

珍しいバイトをすれば自分の価値も上がるのか。

そうではないでしょう。バイトやゼミはあなたを説明する「手段」としての位置付けで使ってこそ、初めて価値が生まれるのです。


例えば、東京の有名大学の学生に競り勝って、九州でたった一人、某VCに内定を勝ち取った西南大4年のM地君の場合はどうでしょうか。

M地君は見るからに体育会系で、話してみればもっと体育会系です。初めて模擬面接を見た時は、まるで「居酒屋の接客」のようなテンポの良さを感じたものです。

その通りで、M地君は実際、居酒屋でアルバイトをしています。(もう引退したかもしれませんが)


「居酒屋のバイト」。

「を」主義者は、「そんなありきたりの話題で面接に受かるのか?」と感じるかもしれません。

しかし、「で」主義者には、そんなことは問題ではありません。

居酒屋のバイトの前に「野球少年」でもあり、また、国際文化学部の学生でもあるM地君は…

「店はグラウンドです!僕たちはお客様の要望をしっかりキャッチし、それが外野に抜けないように守って、スピーディに仲間にボールを届けるのが仕事です」とか、

「当たり前の接客も素振りのようなもので、量をこなせば必ず質が上がります。自分は特別な経験はしていませんが、それ以上に今いる場所で成長できるきっかけを掴むことを大切にしてきました」

と語っていました。まさに「国際文化」的な発想ではないでしょうか。文学部ほど、本当の意味で就職に有利な学部もありませんよね。だって、「人間の発想の成果と経緯」を研究するのですから。

しかし、学部やバイトが有利になるかどうかもまた、「考え方」の問題です。

「ありふれた居酒屋のバイトだから」受からないのではなく、「その人だから」受からないだけ。

M地君のエピソードはこれにとどまらず、受ける先々で「ぜひウチに!」と言われまくって、いつも東京や大阪から、「こじまさ~ん!ココ、めちゃ熱いっすね!第一志望です!」と電話してくれながら、何度もそんなことがあって、やはり、人の成功は能力よりも性格によると感じたものです。

M地君は実務的な能力・知識については4年生から勉強し始めましたが、その発想力や性格で、いずれビジネス系の学部を出た人以上の知識を身に付けることでしょう。

皆さんは、話題の希少性や相対性ばかりに意識を奪われたりはしていませんか?

何を語るか、そればかりで悩んでいませんか?

それよりも、何をもって自分を説明するか、に頭を切り替えましょう。

ありふれた話題でも構いません。動機や工夫、位置付けが自分です。同じようなことを同じにはしない心構え、何を語っても自分が伝わる考え方、それこそが面接における最高のニュースですよ。

ということで、面接なんて楽勝ですから、のびのびと会話を楽しんできましょう。