◆「内定への一言」バックナンバー編

「学生は未来からの留学生だ」





おはようございます。毎日の業界ゼミで新しい学生さんとの出会いを楽しんでいる小島です。特に今日の「先物取引」は、非常に勉強になりますから、どうぞお楽しみに。

それにしても、『タイムマネジメント塾』は皆さん予想以上の反響があったようで、自己満足ではなく、時間を大切にし、よく観察してきた成果を伝えられてよかったなぁと感じています。

まだまだあと3回続きますから、「最もよく時間を生かす者は、時間を忘れて没頭する者だ」という真実に到達できるよう、しっかりと勉強していきましょう。



さて、来月から僕が5年前にベイサイドプレイスで主宰していた異業種交流会「一土会」を復活させることになりました。目下、再開のためのプログラムを作っているところです。

これは、一緒に会社を作ったOさんと、現在は外資系生命保険会社で活躍するTさんのたっての願いとお手伝いを頂き、僕も久しぶりに営業マンや独立起業者が集まる会を持ちたいと思ったことから、5年ぶりに幹事を引き受けることにしたわけです。

本メルマガの読者の方で、営業先を見つけるのに苦労していたり、販売成績が伸びずに奮闘していたりする方がおられたら、役立つ場になるのは間違いないので、楽しみにしておいて下さいね。


さて、今年は業界ゼミやその他の場、そしてもちろん本メルマガを通じて、今まで以上に広範な地域の学生さんと交流する機会が広がりつつあります。

FUNも僕も、まあ、有名になったものだと感じます。

FUNのツールでは、forFUNを抜いて本メルマガが一番広範な情報発信をしているし、講座の99%はなぜか僕が作っているし、取材も雑誌も広告も僕の発案だし、メルマガも僕が一番頻繁に配信しているので、「FUN=小島ゼミ」と言った創設者の安田君の予言は、的中したことになります。

そうやって毎日ちょこちょこ講座やメルマガを作っているせいか、時々、学生さんから「どうして学生を応援するんですか」とか、「学生を応援して、何かメリットがあるんですか」などと聞かれたりします。

こういう質問は、毎年増えてきた気がするので、今日は「学生さんをどう思っているか」、「何を考えて学生さんと付き合っているか」をお話しましょう。

まず、現在皆さんは学生ですが、僕は全面的に皆さんを学生だとは考えていません。時間が経過すれば、皆さんの全員が間違いなく、僕と同じ「社会人」になります。

僕が学生に戻ったり、あるいは学校に行ったりすることは絶対にないので、それは100%確実なことです。

そして、僕の統計では、社会に出て貧しくなった人やうまくいっていない人の9割以上は、「学生時代はヒマ人だった」ということです。ヒマな学生は、貧乏社会人の「稚魚」なのです。

しかし、立派に大成し、今では部下や年少者の信頼を集め、堂々たる仕事ぶりで社内でも社外からも慕われている社会人の友人もいます。

その人たちは、社会に出てからそうなったのかというと、もちろん実社会で叱責や失敗、屈辱を味わって大成した人もいますが、基本的に、人間の基盤を形成する習慣では似通った点を持っています。

それは、FUNの部員の皆さんにはいつも言っていることですが、「自由時間を未来のために使う」、「一人の時間に手を抜かない」という習慣、というより行動特性を持っている、という共通点です。

学生時代なら、「ブログ頑張ります!」とか「金持ちになります!」、「就活、頑張ります!」と言えば、それだけで初々しくてかわいいものです。

特に、内定してから業務を勉強する4年生の口からは、僕の世代ではそういう機会がなければ思い出さないような初歩的な言葉がたくさん聞けて、そういう意味では非常に懐かしいものです。

しかし、社会人になると、誰も動機では評価しません。「分かった分かった。頑張る、は聞き飽きたから、やってから言いに来い」。

学生さんは「いろんなことにチャレンジする力」を行動力と言うようですが、我々経営者は「着手したことに結果が出るまで継続する力」を行動力と見なすので、「色々挑戦する人」ほど行動力がない人はいません。

また、学生が学校に行ったり、社会人が会社に行ったりするのは「当たり前」のことです。

それは歯磨きやトイレと変わらないくらい、日常的なこと。やっても褒められることでもありません。

だからこそ、「一人の時」にどれだけのプラスαを生み出せるか、それをもって人を判定した方が正確です。

率直に言って、FUNの「顧問謝礼」は一人当たり、月額600円ですから、これが「収益目的」であるとは言えず、採算の面から考えても、僕はすぐに大月さんや学生さんにおごるし、毎月20冊前後の本をプレゼントしたりするので、プラスとは言えません。

「学生から得たものは学生に還元する」。

こういう姿勢で与えまくっていたら、いつの間にか巨大組織になっていた…というのが、「最古参部員」でもある僕の素直な実感です。

ならば、何を目的に毎週律儀に学生サークルを応援しているかといえば、それは「将来の事業パートナー確保」にほかなりません。

はっきりいって、僕にとって、就職は楽勝過ぎることです。数百人の経営者と会って鍛えてきた営業力や、筋金入りのネガティブ根性を持つフリーターを更正させてきた説明能力をもってすれば、僕自身をそこそこの会社に内定させるのは、わけなくできるでしょう。

しかし僕は、「美人投票」の考え方が好きですから、その就職能力を自分のためには活かさず、多くの他人、それも自分より若い人々のために役立てよう、そう思っているのです。

就職は、それを経験する前は非常に気になる人生の一大事ですが、終われば受験と同じで、さほど気になりません。

しかし、就職・転職が受験と違うのは、発生回数が受験より多く、受験の結果よりも就職の結果の方が、より切実な意味をもって人生を決定づけることです。

つまり、僕が就職に関心を持つ以上に、一般社会の人が就職に関心を持つ度合いの方が広く、深く、多いということです。

一般に、事業家は「自分が興味があること」よりも「人々が興味があること」を事業内容にします。

僕はフリーターには関心がなく、なりたいとも思いませんが、この市場が急拡大しており、日本経済に深刻な影響をもたらす「時限爆弾」であることは知っています。

だから、うまい投資家が「伸びそうな株」よりも「多くの人が買いたいと思うであろう株」を買うように、僕も「やりたいこと」よりも「多くの人が関心を持つであろう話題」を扱った方が人材、資金、情報をより効率的・効果的に集められると思って、異業種交流会などを担当してきたわけです。

その「成長株」としての話題が、就職、というわけです。就職なら、僕に興味がない人でも興味を持つ話題でしょう。僕はそこにくっついておけば、ついでに自分の存在も知ってもらえて効率的です。

人生で最も繊細な選択を強いられるこの話題を前にして、人は保有する中で最も重要で長期的な情報を拠出し、全人格をもって向き合うものです。いわば、「良い関係」が作りやすい話題なのです。

FUNのお手伝いをしているのも、僕の前職が経済誌の記者で、普通の人より経済知識や会計知識に強いということもあり、または単純に世話好きであるという性格も理由ですが、それ以上に大きいのは「学生時代に頑張れる人間は、必ず大成する」という経験的確信のためです。

考えてもみて下さい。

世の中の多くのトップ営業マンやユニークな創業社長は、そのほとんどが学生時代から積極的で、一人の時間をもてあますことを許せず、何かに挑戦したり、友達を応援したりしてきたような人ばかりなのです。

そういう人ともし、社会人になってから出会おうとしたら、一体どれだけの時間とお金、そして信用構築のためのステップが必要になるでしょうか。


トップ営業マンになれば、放っておいてもあっちから多くの人が出会いを求めてやってきます。その中で、僕が「一社会人」としてその若き逸材に近付いても、僕は「今年会ったうちの一人」としか見なされないでしょう。

しかし、誰も目を付けず、誰も応援せず、「タダの学生やろ」と思っているうちからまじめに接し、誠実な姿と継続をもって僕を知ってもらえたら?

「小島さんだけは、私が学生のうちから、君はできる!と応援してくれました。小島さんだけは、他の社会人とは違います」となるでしょう。というか、もう実際に、そうなっています。

これが「信用」というものでしょう。いわば、有望な人材を未公開の状態で発掘し、言葉は物騒ですが「人材のインサイダー取引」を行うことで、他の人では実現不可能な「特別な関係」を構築できるのです。

結果を出した人を認め、くっつくのは簡単です。僕はそんなふうに「既に高値を付けた株」などには、何の興味もありません。高値で株を買うのは、「今年の業績がいいから」と行ってエントリーする愚かな学生と変わりません。

僕が興味があるのは、「今は小さいけど、将来大成しそうな未公開株」をしっかりと買い、育てることです。

どんな状態で学生さんが訪れても、必要な経験と人脈、知識、考え方を手に入れて大きく成長し、続々と夢に向かって「上場」できる、夢と挑戦の証券市場…それが、僕にとってのFUNの位置付けです。

だからこそ、仕事が終わっても宴会や遊びには行かず、古本屋で貴重な文献を買い占めて入念に資料を作り、毎週、様々な形の講座に変身させて、コツコツとレジュメやメルマガを作っているわけです。

つまり、僕は皆さんの「現在」ではなく「未来の可能性」と付き合っているからこそ、毎週続けて、ちっとも飽きないのです。要するに、皆さんは「未来からの留学生」ということです。

FUNゼミでも時々、「僕がやっているのは先物取引だから、将来は大きく成長して、ぜひ僕を株主に加えてくれ」などと言っていますが、あれは本気でそう言っているのです。

僕にとって、今もらえる月600円の謝礼や一講座数千円の手数料よりも、将来皆さんが成長してともに実現できる喜びや収益の方が、段違いに魅力があります。

それでも「タダ」にしないのは、学ぶものは支払えというのが僕のポリシーでもあり、タダにするとお互いに尊敬と緊張を失って、結局はどうでもいい人間が集まるどうでもいい時間になり、無駄になるからです。

本メルマガの読者の皆様は、大半が卒業されても継続配信を希望されています。いわば、僕が一番欲しい人脈である「学生時代から存在を知っていて、今は社会人となった友人」が全国各地に、毎年数百人規模でうまれている、ということです。

ですから、「毎日よく頑張って配信しますね」とか「マメですね」とか、「よく続きますね」と言われたりもしますが、僕は10年後、20年後を考えてやっているだけで、結局は「上手に怠けている」のです。

あと10年もたてば、本メルマガやFUNが、どれだけ絶大な「時間節約・創造効果」をもたらしたか、恐ろしいほどの勢いで実感することになります。僕はそれが楽しみで、今の毎時間を楽しんでいるだけのことです。

だから、週にたった1回とはいえ、2時間足らずのFUNゼミは、僕にとっては絶対に外せない「資産運用」の時間だということです。

一人一人の学生さんの未来を信じ、全力で見識と情報をぶつけ、毎週に小さな共感と発見を積み重ねていけば、それはきっと、大きな果実となって、将来に実ることでしょう。

僕は皆さんの中に発見した可能性を見捨てず、否定せず、ただその顕現を信じて、自分にできることを継続するのみです。それが顧問の仕事です。

今皆さんが何をしているかが、「自分の未来をどう考えているか」です。

「将来どうにかなるやろ」なんてことは絶対にありえず、「今の自分=卒業後の自分」です。これは鉄則です。突然変異なんてことは社会にはありえず、突然変異は「悪くなる」という方向でのみ起こります。

勉強第一の学生時代に勉強できない者が、社会に出て勉強するはずがありません。やったとしても、どうせやらされる勉強だけで、そこには何ら、当事者意識は介在していないでしょう。

若者を見て「ただの学生」と思う社会人は、自分の過去や経験を信頼せず、自信がないだけです。

僕は皆さん全員に「無限の可能性がある」とは言いません。可能性だけはあっても、行動し、継続し、感謝しなければ、ただの可能性に過ぎません。

可能性、可能性と何かあるたびに未来に逃げ、結局はただの可能性に終わっただけの人間が、この社会にはどれだけいることか。

それで終わるにはあまりに惜しいほど、仕事と人生は楽しいものです。だからこそ、若者を甘やかさず、無意味に批判せず、あるがままの姿でぶつかりあい、そういう思い出を未来の信頼の根拠として育て、一緒に目指した未来に到達したいのです。

ということで、「未来からの留学生」である皆様の今後の活躍に、いくらかのお役に立てば、ということで、本メルマガも頑張って配信していきます。

10年後。楽しみにしておきましょうね。