◆「内定への一言」バックナンバー編

「一灯照隅」(最澄)





皆様、新年明けましておめでとうございます。

企業取材サークルFUN顧問、(有)フューチャー・アテンダント社長、異業種交流会「一土会」幹事の小島尚貴です。

昨年は仕事、サークル、プライベートで色々とお世話になり、大変感謝しております。「恩は倍にして返せ」をモットーに、この平成19年はさらなる躍進を約束しますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

また、大晦日は僕の31歳の誕生日ということもあり、皆様から抱えきれないほどのプレゼントを頂いたうえ、学生の皆様からは「一生の家宝」になる素敵なメッセージ集を頂き、重ねて感謝申し上げます。

さらに、年末の数日間で個別にメッセージを頂いた学生さんから、新たに6人の新しい読者の方々をご紹介いただき、こちらにも感謝しております。

加えて、31日にはわが社の出資者、取引先、個人的な仕事仲間、同級生の方々に多数お集まりいただき、ご紹介も含めて新たに63人が「そのメルマガ、読んでみたい」ということで、読者数が831人になりました。

本メルマガ『内定への一言』は、表向きは学生さんの就職活動における「採用決定」を意味する「内定」をテーマにしてはいますが、目標がある人間には、必ず何らかの形で未来に内定し続ける必要があるでしょう。

そのようなチャレンジの過程で、未熟な私の日々の挑戦と達成、そして反省と計画の中から悟った哲学や先人の英知を発信していくのが、本メルマガの使命です。

創刊以来、その方針に変わりはなく、今後も変わることはありません。変わらぬ姿勢の継続が新しい自分を作るからです。ということで、今年も『内定への一言』、および企業取材サークルFUNをよろしくお願いします。

新しく読者になられた社会人の皆様にFUNのことを説明しておくと、このサークルは母校の後輩・Y君が在学中に「夢を茶化さず、本気で語り合え、なおかつ形にしていける学びの場を作りたい!」との思いからたった1人で立ち上がり、築き上げたサークルです。

僕は発足前から、普通の人よりちょっと早く社会に出て蓄えた経験や知識を学生さんにお届けする、「顧問」という大層な肩書きの役割を引き受けていますが、別段、何かすごいことをやっているわけでもありません。

サークルでは企業取材や雑誌発刊、ビジネス学習などを継続しており、部員数や発行部数、メルマガ読者数は毎年「前年比2倍」で増えていますが、やっていることは至って地道な活動の継続です。

我々社会人は何かあると「学生時代に勉強しておけばよかった」などと屁理屈をこねますが、そういう輩に限って、生活の中での空き時間を浪費しているものです。

本気の人間が「忙しい」などと言うわけがありません。真に創意溢れる人間なら、学生時代を悔やまずとも、今の生活の中に改善の工夫を創出していけるものです。

悲しいことに、半数近くの学生は、働く前から「働きたくない」、「できるだけ学生でいたい」などという考えを持って生活していますが、僕はそういうのは、「まだ学生生活すら始めていない」と考えています。

なぜなら、未来を歓迎できず、今の楽しみや単位のためだけになされる勉強は、動機からして間違っており、やる意味もないからです。

そんな学びをいくら続けたところで、「大卒」の肩書きは得られるかもしれませんが、肝心の自信やビジョンは一向に育たないでしょう。

将来の価値ある社会貢献を想定してこそ、学生時代も輝くもの。ならば、少しでも多くの「考える材料」や「立派な社会人の姿」を学生時代に知り、良きモデルとの接触の中で積極果敢に将来を描く学びができないか…。

FUNの活動は週にたった1回ですが、決して「居心地の良い場所」だけで終わることなく、必ず「成長した自分」で集まり、新たな課題と目標を持ってそれぞれの居場所に戻ろう、という方針で行っています。

その意味では「一人の場所」、「一人の時間」こそ活動場所、活動時間であり、我々社会人の本当の成長が「社外の時間」、「社外の場所」でどれだけ勉強に励んだか、で決まるのと同じです。

学生が授業に出る。社会人が会社に行く。そんなのは当たり前で、「毎日歯を磨く」、「毎朝トイレに行く」のと同じです。毎朝トイレに行く人間を、誰が尊敬し、誰が余計な給料を払うのでしょうか。

それよりも「+α」で人生の勝負は決まるというのは、社会人の方なら等しく実感しておられることでしょう。勝つのはいつも「一人の時に強い人」です。

我々社会人も、「仕事は大変なんだぞ」、「会社には色々あるんだ」などと、未熟な学生を前に威張るような愚かな行いは避けたいものですね。

本気の勉強は、怠けてばかりの仕事なんかより、よっぽど価値があるのです。経済的価値を生み出していないからと「学問」を「仕事」より下に置くのは、本気の勉強をしたことがない貧乏社会人だけです。

そういう人間は「仕事は大変なんだ」と言いますが、数年前は同じように「勉強も大変だった」のを思い出すでしょう。無能でやる気がない人間には、何でも大変なだけ、というありきたりな事実です。

ですから、今後学生さんに会ったら、「何を勉強してるの?」、「どういうふうに生かしたいの?」と優しく聞き、持てる知識や情報の一端でも与えていきましょう。そうすれば、学生さんは素直に喜んでくれます。

ということで、我々社会人が「こういう教育があれば」、「今ならこういうことを勉強する」、「社会で大切なことはこれだ」と今になって心から賛同できるような内容の基本をソフト化し、毎週「講義」の形で届けるのが、FUNでの僕の仕事です。

天神山小学校、春日南中学校、太宰府高校、西南学院大学の同級生の皆さん、僕が「ここ数年熱中している社会奉仕」と言っていたのは、この「サークルのお手伝い」のことです。

秘密にしていたわけではありませんが、何事も3年続けるまでは人に言うべきではないし、社会人として当たり前のことをやっているだけなので、別に人に誇る必要もなかっただけです。

「最近の若者は」などという年寄りの繰言はやめたいものです。そんなのは、我々もかつて上の世代に勝手にそう決め付けられて不快な思いをしたのを、下の世代にぶつけているだけに過ぎません。

自ら若者の中に飛び込み、彼らの声にならない声を聞き、その行動をつぶさに観察すれば、我々の時代より真剣な熱意と素直な向上心で頑張っている若者は、いくらでもいることに気が付きます。

彼らに経験や知識が少ないからと、我々が尊大な態度を取る必要などありません。真の経験や知性を持つ人であれば、若さを尊重し、若者を応援できねばおかしいでしょう。

なぜなら、今の自分が「過去の教育の結果」であることを認め、感謝できる社会人なら、若者をただ「若いから」といって批判するようなことは、考えもつかないからです。

ちょっと頭の悪い人間は「オレってアホやね」と言いますが、本当に頭が悪い人間は、「自分は間違っていないのに教育が悪い」などと言うものです。人間、こうなったら終わりですね。

まあ、教育も悪いかもしれませんが、今の自分を受け入れがたいのは、それ以前に未来を描かなかったことと、長期的計画を持って継続しなかったことが最大の原因で、責任転嫁は怠け者と敗者の得意技です。

人の批判をするよりも、自らの身を正し、居場所で地道な努力を継続し、その姿をもって若者の尊敬と信頼を勝ち取っていける社会人になりたいものですね。

学生さんと一緒に学ぶと、想像以上にこちらが学ぶことが多く、若い頃はいかに表面的にしか物を見ていなかったか、いかに手っ取り早く結果を求めて愚かな過ちを繰り返してきたか、痛感します。

本メルマガでは、実社会を楽しく実況中継しながらも、同時に「今どきの若者」の素晴らしい行いや発見を伝え、読者の皆様を感動や信頼でつなぐお手伝いができれば、と考えております。

ということで、前置きが長くなりましたが、今日はやや年上の読者が多数増えたので、おめでたい新年号ながら、きっちりと趣旨と方針を説明させてもらいました。



さて、FUNの部員の皆様や去年直接お会いした読者の皆様、およびFUN主催の講座に参加された方々、メールを頂いた方々103名には、年末のお礼メールでお伝えしたことですが、平成19年の僕のテーマは「一灯照隅」です。

去年は、個人的には軍事思想と東洋哲学に没頭した一年で、関連文献を400冊ほど買い込みました。中でも特に「すごい」と感動しきりだったのが、「禅」を始めとする仏教の思想です。

「一灯照隅」は、正しくは「一灯照隅、万灯照国(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこく)」と続く言葉の前半部分で、天台宗を開いた最澄の言葉です。

この言葉の意味は、「一人の人間が灯火を掲げ、自分の居場所(隅)を照らす。この灯火が少しずつ広がって千万の灯火になれば、ゆくゆくは一国を照らすほどの明かりになる」というものです。

インストラクターの大月さんや女子大3年のTさんの愛読書で、西南演劇部のJさんが年末に買ったという『上杉鷹山の経営学』(童門冬二/PHP文庫)にあった「火種を移す」という思想と似通った精神です。


FUNの発足時、まだ3年生だった大月さんに本書を紹介し、「要するに、大学をこうしたいということだ」と説明したのが懐かしいです。

一人の人間の居場所は「大学の教室」、「バイト先のレジ」、「会社の中の自分の職場」、「営業先の会社」などと、狭く小さいものです。

しかし、そういう狭隘な空間であれ、一人の人間が本気で想像力を駆使し、関わる人々に思いやりを発揮して、居場所に存在する様々な雑多な課題を「掃除」していけば、その及ぼす効果は実に偉大なものです。

また、「灯火」のすごいところは、「与えても減らない」ということ。一本のろうそくの火は小さくても、他のろうそくに少しずつ火を移していけば、最初のろうそくの火も消えないどころか、どんどん燃え広がっていきます。

こうして、「たった一人」の思いから始まった良い行いが人々に広がり、それぞれの心を照らしていけば、社会も国もきっと明るくなる…という、理想と現実を見事に調和させた先人の言葉が「一灯照隅、万灯照国」です。

ということで、31歳になった僕も、20代は人様にお世話になってばかりで、海外勤務時代、記者時代、翻訳家時代、創業時代と、失敗と再挑戦ばかり繰り返してきたので、ここらで「火付け役」に転身していこう、と考えています。

たかが31歳の社長にできることなど、最初から高が知れていますが、それでも週5回の講義、週4通のメルマガ、週10回の個別相談くらいなら、働きながらでも可能です。

だから今年も、欲張らず遠慮せず、倦まず弛まず、己に与えられた課題と寄せられた期待に基づいて、日々堅忍不抜の精神で継続を重ね、ともに味わえる感動を極大化させていきたいと願うだけです。

皆様は新しい一年に、どのようなテーマを設定したでしょうか?

テーマパークというと、人々は分かりやすいディズニーランドやスペースワールドばかりを想像します。

確かにそれらには、アニメや宇宙など、商業的に分かりやすいテーマが設定されています。

しかし実は、学生生活こそ最も偉大なテーマパークなのです。

この4年間に「挑戦と感動」というテーマを持った人は、出会う全ての出来事がそのように位置付けられ、結果的には多くの財産をもって卒業するでしょう。

逆に、「今しか遊べん」というテーマを持った人は、そのように遊びまくり、社会への準備を怠って、時間なし、金なし、信用なしの「トリプル安」を達成するでしょう。こういう人は、社会人になれば「貧乏三冠王」です。

「出会いと感謝」というテーマを設定した人は、一生を豊かに彩る素敵な仲間を得て、後の人生をさらに実り多いものにしていけるでしょう。

要するに、皆さんの「居場所の照らし方」は、自分が決めたテーマにもとづいて作られる、ということです。

新しい一年、照らされることを待たず、弱い光でも小さな光でもいいので、まずはちょこっと光ってみましょう。そうすれば他の灯火が見えてきます。

僕も小さい灯火ながら、居場所で光を失わず、少しでも灯火の及ぶ範囲を広く、灯火の温度をさらに熱くし、関わる皆様に少しでも良い影響を与えて、感謝と感動で締めくくれる一年にしていきますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします。