■「内定への一言」バックナンバー編

「能力に合わせて期限を決めるな。期限に合わせて力を振り絞れ」




今日から本格的に始まった「FUN就活コース07」。

いきなりですが…部屋が満員ではありませんか。来週はもう少し広めの部屋を取っておかないといけませんね。

就活のお手伝いももう4年目で、毎年この時期を迎えると初心を取り戻すような懐かしい気持ちになります。あの頃はミスドでこっそり集まっているだけだったのに、今では部員・OB・外部講座参加者で100名近い巨大なサークルに…。

ああ、今年はいくつのトマトジュース(※選考通過・内定の謝礼)がわが家に届けられるのでしょうか。


さて、僕は本業の仕事は最近めっきり減らしており、新事業計画や学生さんとの勉強の方に主に時間を使っており、毎日の夕方以降のスケジュールは以下のようになっています。

月⇒営業塾・韓国語塾
火⇒マネー塾
水⇒就活コース
木⇒近現代史勉強会・韓国語塾
土⇒リーダー塾・取材塾
■週3~5通『内定への一言』を配信

つまり、週8回の講義を学生さんにお届けしているわけですが、時々学生さんから、「頭が混乱しないのか」、「どうやって準備しているのか」、「いつ寝ているのか」と聞かれたりします。


メルマガも合わせれば、ワード換算で毎週30~36枚の「全く違う内容」のレジュメを作っているわけですから、そう聞かれるのも無理はないかもしれません。

自慢しているわけではありませんが、それで昼からフラフラとブックオフに行ったり、喫茶店でおしゃべりしたりしているわけですから、作業の方法や準備の仕方などを聞いてみたくなるのかもしれません。

僕のポリシーは「知識、経験、考え方は出し惜しみせず好きなだけばらまけ」なので、今日はお役に立てるかどうか分かりませんが、週に50冊の本を読んで5万字の文章を書くノウハウを説明してみることにします。


①意味は計画時に決められている。作業は万事、機械的にやれ。

僕は、むやみやたらに作業に取り掛かるようなことはせず、最初は1日くらいかけてじっくりと「計画を練る時間」を作るようにしています。

それは、個々の作業が最大限の相乗効果をもたらす方法を考え、一つ一つの作業に意味とやりがいを見出すためです。

疲労とは、作業が多いことではなく、「やっている意味が分からないこと」から生まれるので、僕は全てを楽しくする工夫を最初に考え、何時間没頭しても疲れないやり方や計画を考えるのが大切だと考えています。

それに、一つ一つの作業に前もって意義や効用を設定しておけば、家に帰っていちいち取り組む際に延期することがありません。意味は「作業の直前に求めて迷うもの」ではなく、「計画された時に既に決まっているもの」です。


僕の見る限りでは、学生さんは随分ヒマだし、「忙しい、忙しい」と言っている人ほど数週間前を振り返るとヒマな姿を思い出します。

おそらく、突発的で場当たり的な過ごし方をしているのでしょう。要するに、作業相互、前後の関連性が想像・計画されておらず、思いつきで動いているから、能率も結果も悪いのです。

それに、「忙しい」と言いながらテレビやマンガの話はしているし、おそらく取り掛かりが遅いことが学生さんの低能率の元凶ではないかと思っています。

なぜ着手が遅いのか。それは事に当たって、やれば終わることや大事なことは分かっているのに、「今日した方がいいか、明日でもいいのではないか」と愚かな時間の浪費を行うからではないでしょうか。


エントリーシートにしろレポートにしろ、その作業に意味があるのは最初から分かっていることではありませんか。元々やろうと思って家に帰ったなら、何も考えずにやればいいのです。

社会人でも、恐ろしく能率が低いくせに言い訳だけが達者な人間ほど、着手が遅いものです。反対に、できる人は計画をしっかり立て、あとは黙々と機械的に取り組みます。

もう一つは、「やる気」を待たないことですね。何事も、着手してみると意欲が湧いてくるものです。僕は帰って着替えたら、有無を言わさず必要な作業を真っ先に片付けます。全ては能力より習慣の力だと思っています。


②能力に合わせて期限を決めるな。期限に合わせて力を振り絞れ。

「私、要領悪いから○日かかりそうだなぁ…」と思っている方。「引き出される能力の総量は、設定された期限に従う」という事実を知っておきましょうね。

要領が悪いから「○日」かかるのではなく、ダラダラした期限を設定するからまともな能力が現れないのです。

自己嫌悪に陥るほどの低能率、自分でやっていてアホらしくなる単純作業の反復は、「本気になれない期限」を設定した結果です。


僕は「文武両道」が好きです。勉強ができる人は運動ができない、運動ができる人は勉強ができない、なんてことはありません。そんな発想は嫉妬に根ざした歪曲した人間像に過ぎず、精神と肉体は常に作用しあうものです。

頭の回転が遅い人間は体のキレも悪いし、体力不足で不健康な人は、頭も鈍くなっていきます。

まだ学生だから自覚はないかもしれませんが、26、27歳くらいになると、体力と知力の相関関係が眼に見えて分かり、体力がない人間は勇敢な計画を立てることができず、貧しく目立たない存在になっていくものです。


例えば、「1週間後の単語テスト」に備え、時間がある人の方が有利だと一般に思われがちですが、これは全くのデタラメです。時間がある人は常に不安を増幅させ、不要な作業、例えば「知っている単語に蛍光ペンで線を引く」などのムダから着手します。

時間がある人は自分に甘えて、頭脳を腐らせていくのです。反対に、時間がない人はまず「やり方」を考えます。要するに、「勉強」よりも「方法の発明」を行うことで、「出題範囲の単語で作文を作って覚える」という発想に到達するわけです。

失敗者の処世訓はいつも「能力で期限を決める」であり、成功者は「期限が能力を決める」です。皆さんも、短時間で事を済ませて、仕事も遊びも趣味もプライベートも運動も楽しみたければ、先に期限を決める習慣を築くことです。


③大事な作業は金を払って時間を買い、一気に片付けろ。

これは3年前からずっと言っていることです。僕は就活対策では「受かり方」のようなレベルが低いことは一切教えません。そんなことには全く興味がないからです。

それよりも「通用する人間」になるための生活を提案します。例えばエントリーシートは、学校では「やろう、やろう」と思っていても、家に帰った途端にテレビやお菓子の誘惑に撃沈され、「明日でいいか…」となってしまう学生さんもいます。

こういう延期で朝を迎えると、陥らなくて良かった自己嫌悪に苦しみ、持っている能力も発揮できなくなってしまいます。


僕は、そうやって「勝負する前に負け癖が付く」という学生さんをとてもかわいそうに思うので、「仕上げるまで帰るな」と赤坂ベローチェに閉じ込め、ずっとそばで見守ることにしています。

悶々と苦しんでいようが、帰りたいと思って携帯をチラチラ見ようが、言い訳を考えて帰ろうとしようが、「終わった?」と聞いて帰しません。

そして、最初は嫌々ながら、しかし段々と本気になって仕上げた学生さんは、「やったー!」と天下を取ったような笑顔になり、それ以降の行動は見違えるように変わるものです。



「今日やる」と決めたことを、確実に今日という枠の中で仕留める。自分にはできないと思っても、ギリギリまで粘ってみる。話題が尽きても考え、マスが埋まっても校正し、納得がいくまで耐える。

そういう努力に耐えてみると、今まで自分がいかに低いハードルで粗末に作業を済ませていたかを思い出し、悔しさと嬉しさの混ざったような奇妙な感情が心を支配します。

そんな自分と向き合いながら、黙々と集中して課題を仕留めた経験は、思い出すたびに愉快で、そんな小さな思い出が重なって自信に姿を変えていきます。


「大事な作業は喫茶店で時間を買って仕留めよう」。今年もこの姿勢は変わりません。



内定ごときレベルの低いものは、FUNでは目指しません。低い目標はレベルの低い自分を導くもの。目指すは「期待の新卒即戦力」であるからには、会った瞬間の自信や爽やかさで「おぬし、できるな」と思われる学生を輩出したいからです。

大衆と同じ基準で争うなんて、最初から時間のムダです。勝つ人間は最初から考え方が違うもの。それを全身で、震えが来るほど実感できる就活を楽しみましょう。


④集中的な作業を継続した方が思考が活性化し、全てが早く終わる。

「ヒマ人に仕事を頼むな」とは、トップ営業マンの鉄則です。ヒマ人は約束を守らない人間のことです。時間に押しつぶされ、時間にもてあそばれ、持て余した時間を使いきれずにフラフラしているだけです。

作業を終わらせたかったら、迷わず忙しい人に頼むのが賢明です。理由は、確実に期限までに終わるから。作業というのは、中途半端に時間を占有する形で設定されている時は余計に徒労感を招きます。

ですから、何か大事を成そうと思ったら、毎日それに取り組むくらいの予定を入れるか、あるいは本気にならないと終わらないくらいの作業を組み合わせて黙々と取り組むことです。

そっちの方が集中力が強化され、かえって短時間で仕事が片付くようになります。「ウソやん」と思ったら、やってみて下さい。恐ろしくできる自分に気付きますよ。


⑤10分、30分、1時間、2時間、3時間などの「時間枠」が生む仕事を知る。

いくら自分が計画を決め、予定を入れていても、実際の作業には相手がいたり、調整が必要だったりして、「間」が生じることがあります。特に営業などは、担当が役職者であれば時間調整などもあり、急に30分、1時間の空きが生まれることもあります。

そんな時のために、日頃から自分がある作業をこなす標準的時間を計算しておき、空き時間に合わせて即座に対応できる習慣を付けておくのも大切です。

大事な作業は習慣化すれば、ただちに片付くようになるからです。



例えば僕は、「10分」なら学生さんや友達5人に「近況伺いメール」や「連絡メール(本の発見など)」を送ることができます。

あるいは「30分」ならハードカバーの本が1冊要約でき、あるいはメルマガを執筆できます。

「1時間」なら講義の素案が作成でき、「2時間」なら赤坂からバイクで4分の家に帰って講義の清書を行えます。「3時間」なら近郊の古本屋を3~4件漁って、10冊ほどの文献を購入することができます。


僕の時間は全て「資産形成」のために投資されているため、突発的な空き時間との付き合い方を知っておくのは、非常に便利だと考えています。

空いた時間で何をするかが大事なのではなく、空いた時間に合わせて何ができるかを知っておくことが大事です。使い方は色々あるでしょうが、友達への感謝メールの送信や読書は、そのうちでも上等な使い方でしょう。

そうして地道に底力を上げ、能率が上がったら代替作業と取り替えればいいのです。

皆さんも、無理せずサボらず、自分が一定の時間で何をどれくらいこなせるかを知っておけば、毎日の作業能率は驚くほど改善されるでしょう。


ということで、僕の作業は魔法でも無茶でもなく、平々凡々たる基本の継続にほかなりません。秘訣などは一切存在しないのです。

皆さんも就活を通じて、「基本に勝る秘訣なし」、「やればできる」という単純な言葉が秘める偉大な真理に感動してみてはいかがでしょう。

素朴で目立たない言葉でも、挑戦と継続によってモノにすれば、人生を切り開く絶大な自信を与えてくれるものです。就活の本当の財産とは、内定よりも、そういう「生きる希望」の裏付けとなる真理の発見ではないでしょうか。