■「内定への一言」バックナンバー編
「今日の君の最低限は、明日の君の最大限になる」(アミエル)
毎日レジュメ、メルマガ、業務用メールなどを執筆し、一体自分は今、毎週どれくらいの分量をアウトプットしているのかと計算してみたら…
・メルマガ…週20ページ
・レジュメ…週10ページ
・メール…週4ページ
・勉強用要約…週5ページ
となり、合計で「ワード約40ページ」の情報を記録・発信しているのが分かりました。記者の頃と比べると随分少ない量ですが、それでも結構、PCに向かっているなと感じます。
目だけは絶対に悪くなりたくないので、ディスプレイが大きなPCに買い換えて半年。
昔からPCに向かうときは50センチ以上、本を読む時は25センチ以上離れて読む癖がついているのでいまだに裸眼ですが、最近はさすがに目が疲れます。
そんな中、学生さんに「うまくスピーチをするには」とか「うまく文章を書くには」といった質問を受ける秋が近付いてきました。
僕の答えは毎年同じで、「量をこなせ」、「100日続けろ」、「当たり前のレベルを上げろ」しかありません。
でも学生さんは、手っ取り早い特別な答えを期待しているのか、そういう単純な答えでは納得せず、「他には?」とか聞いてきます。
「君たちねぇ…ビスコで泣く子供がせんべいの味を知っても意味がないんだよ」と思い、「とにかく続けろ」と押し切りますが、たった100日ですら、続けた人は未だに一人もいません。
だから僕は、一部の人には「いつ聞いても同じことを言う兄ちゃん」なんでしょう。でも、それは僕が衰えたからではなくて、質問者が成長しないからです。
同じアドバイスに飽きて嫌な顔をするなら、それは自分の頭脳が停滞している証拠だと思った方がよいでしょう。素直な学生は「分かりました」と地道に頑張ります。
なんで100日なのか。その答えを復習しておきます。
①続けることよりも、「止めること」の方が嫌になるから。
②観念的な悩みよりも具体的な課題を自覚できるようになるから。
③自分の無能ぶりや意志の弱さが痛いほど分かるから。
④並みの人間以上のスキルが初めて身に付くから。
要するに、100日くらい無心に続けてみて、初めて「最大限の成長」を心の底から望むようになる、というわけです。
100日後は心構えそのものが、もう、根本的に変わっているのです。アドバイスが有効なのは、そこから先の話です。
何か新しい試みに取り組もうとする学生さんや、やると分かっていた予定が近付いてきて圧迫感を感じている学生さんによく共通する心理は、「最低限発想」です。
余分な労力や時間を省きたい、という合理的な発想は普通のものですが、それを叶える能力や知識がないのに望むのは、感心した態度とは言えません。
それにこの姿勢は、人生を支配する悪習慣の病巣となりかねない重大な負債的態度です。これを除去し、「最大限発想」から取り組めば、皆さんの就活や仕事は信じられないくらいスムーズに進むでしょう。
例えば、毎年冬になると「エントリーシート」で悩む学生さんがいます。
悩みの質は様々ですが、だいたい「何を書いていいのか」、「うまく書けるか」、「志望動機はこれでいいのか」、「学生時代に誇れることをやったか」などといったものです。
日頃じっくり考えることのないテーマだからか、自分の人生なのに良いニュースが思いつかない学生さんもいるようで、どんどん期限を先延ばしにする人も数名、出てきます。
そういう人は業界研究であれSPI対策であれ、あるいは会社訪問であれ自己分析であれ、とにかく作業量に比例して「暗く」なっていきます。
たくさんやっているのに、「成果に納得できなくなる」というのは、おかしくありませんか?不満や落胆は、「何もやっていない人」の独占物じゃないのでしょうか?
それが、実はそうじゃない場合があるのです。何もやっていない人は悩みすらありませんから、そういう人間は除外するとして、「やっても不安と恐怖が増える人」は、ある共通した心理パターンを持っています。
それが冒頭の「最低限発想」です。
例えば、「今日はエントリーシートの下書きを作って、履歴書を清書して、余った時間で自己分析しよう」と考えるとします。
計画時に積極的なのは大いに感心できる態度ですが、それを計画通りにこなす意志力を持った人はそう多くありません。
よって、「○○は明日でいいか」と一つ延期されたら最後。ほどなく「そういえば、○○も来週でいいし」とまた一つ外され、最後は「あたし、何焦ってるんだろ」と携帯を見始め…アウト。
わずか10分ほどで計画は放棄され、いくらか後ろめたさもあるのか、友達との電話では、「今日さ~、履歴書の志望動機の下書きの書き始めは一応書いたよ。でさ、そろそろ帰ろうっかなって思うっちゃん。あんた明日バイト?あたしも~」といった話になってしまいます。
電話を切れば、「今日は履歴書ができたし、いいか」と妙に自分を褒め、同時に「明日の作業量」が増えます。
しかし、それをこなすための「明日の計画」は、今日の反省に基づいて遠慮され、「(履歴書だけでこんなにきついなら)明日はエントリーシートに専念しよう」と下方修正されてしまいます。
さて、「明日」を迎えました。今日中に終わらせるはずだったエントリーシートは、6個ある質問項目のうち、なんと「学生時代に熱中したこと」1個しか終わりませんでした。
「けっこう大変だなぁ…」と思いながら自分の文章を眺めると、自信が持てません。でも書き直しの苦労を今からやる気分でもないので、さらに明日に延期して、「永遠に好転しない気分転換」がまたもや始まりました。
そして翌日。今度は何も終わりませんでした。正しくは、何も着手されませんでした。こうして、一日の予定から「就活関連作業」は排除され、それが再度介入する時は、厳重な審査と計画を要求されるようになりました。
「せめて○○だけはやってしまおう」と思ったことが、数日後には、それさえこなせないようになってしまう。
つまり、「今日は最低○○」と思っていたことが、「明日の最大限」にすり替わってしまう…。
学生に限らず社会人であれ、延期する人はやたらと作業量が少なく、かつ作業が遅く、さらに出来が悪いものです。何か一緒にやろうと思ったら、「着手が速い人」を選ぶのが賢明な人脈構築です。
こういう人は必ず成長するし、成長する人は良いニュースと情報をもたらしてくれる「人脈」となるからです。
僕の人生も、①能率の悪い人、②公務員、③口だけの人を遠ざけ、①着手が速い人、②やる理由を探す人、③言い訳をしない人を周囲に集めてからというもの、時間が2倍になったような豊かさを味わえています。
なぜ、「最低限→最大限」になってしまうのか。それは日々、作業を恐怖するようになるからです。
「手っ取り早い方法」を心中で期待しながら、それが見つからないことに腹を立て、自分が無力であることを知った時、9割の人間は「目標を下げる(延期か作業減少)」という対策に逃げます。
要するに、この期に及んでさえ、まだ「自分ができない」という事実を受け入れずに、環境や対象を加工するのです。
1割の人間だけが、「絶対に仕留めてやる!」と燃えるか、「自分はできないんだ。ここから始めよう」と謙虚に現実を受け止めます。
「作業を恐怖するようになっていった人」の作業パターンを、仮に「18:00~21:00までES執筆」という時間配分で表すと…
18:00~18:30 心の準備と称した延期
18:30~18:35 様子見の着手&休憩
18:35~19:00 「難しい」という心理が拡大し始める
19:00~19:10 二度目の着手で恐怖が心を支配する
19:10~19:30 「まだやる時ではない」という理由を高速検索
19:30~20:00 携帯や雑誌で気分転換
20:00~20:30 当初の意図とは関係ない作業に没頭
20:30~20:55 罪悪感を感じつつ延期に同意する
20:55~21:00 3時間前何をやろうとしていたかも忘れ、片付け
といった感じでしょう。
作業は延ばせば延ばすほど、次の着手時には腰や手が重くなっていく、という性質を持っています。「延ばす」とは「不足の自覚」がもたらす結果にほかならないからです。
よって、「①延期→②困難の自覚→③未達成の罪悪感→④長所の喪失→⑤短所の過度な自覚→⑥目標の引き下げ→①~⑥のリピーターに」という「可能性のデフレスパイラル」が発生していきます。
こうして、最初は「最低○○だけでも」と思っていたことが、数日たつと「最大○○しかできない」という信じられないような能率低下、結果の悪化、自己認識の消極化を招くわけです。
能力はあるのかもしれません。僕が見れば、十分あります。
しかし本人だけは、既に強固な信念を持って「自分はできないんだ」、「作文は苦手なんだ」、「業界研究が足りないんだ」、「自己分析が下手なんだ」と言うので、手のほどこしようがありません。
そういう心理が定着した今、どれほど能力を保有していようが、もはや何の意味もないでしょう。だって、それは永遠に発揮されることはないからです。
作業を延期するとは、失敗を延期するということです。
失敗の延期は改善の延期であり、改善の延期は成功の延期です。
成功が実感できない行動は自己嫌悪やストレスを増幅させ、そしていずれ、諦めます。
「やらなかった理由」は「やれなかった理由」に化粧直しされ、別にそうでもなかったのに忙しかった、気分が乗らなかった、準備が不足していたなどと客観条件を検索して自分の無為を正当化していきます。
そして最後は、どれだけ自由時間があって心身健康な状態であっても、心の奥底にはどんよりと不安と恐怖が居座ってしまいます。
始める前からそれに屈し、自ら目標を引き下げて、以前自分が誤魔化したとおりの「できない理由」を過剰に想像し、そしてそういう人間に成り下がってしまいます。
このように、延期は若者を急速に老化させ、つまらない人間へと変えてしまう悪魔の誘惑だといえるでしょう。
僕は毎年、就活の時期になると「大事な作業は喫茶店で時間を買って仕上げよう」とか、「最初の成功は続けることだ。うまくいくことではない」とか、「複数の期限があれば早いほうを選ぼう」と言っています。
それは、延期がもたらす精神と頭脳の腐敗を未然に食い止め、学生さんが持っている能力と発揮できる能力をできるだけ近付けて、本番が近付くほどワクワクするような準備を楽しんでほしいからです。
初年度はこういう「時間管理のテクニック」や「モチベーション向上の考え方」ばかりを話していましたが、それほど学生の「先延ばし病」は深刻な伝染病に映りました。
大月さんや牛尾さんが3年生の頃は、3年生たちを喫茶店に閉じ込めて、計画した作業や書くと決めたエントリーシートが仕上がるまでは、決して帰しませんでした。
帰ったら集中が途切れ、二度とやる気が起こらなくなって、選択肢が減って自信が傷付くのを恐れたからです。だからどんなに苦しかろうが、作業を仕留めて笑顔でベローチェを出ていくのが大事だと考えました。
大月さんは5時間くらい凸版印刷のESを書き、牛尾さんは証券会社3社くらいのESを一気に仕上げ、その他の学生さんたちも黙々と取り組み…
「お客様、当店はそのような作業をする場所ではないのですが」と僕だけが店員さんに叱られ、「はい、すみません。すぐ片付けます」と出て行ったことさえありました(この店員さんは現在博多口店にいますよ)。
僕は福岡市民で一番ベローチェ、ブックオフ、キンコーズの営業利益に貢献している個人だと自負しており、「なんだ、集客功労賞か?」と思っていたのに、その僕を追い払うなんて…と、一人ひそかに嘆きました。
しかしまぁ、それくらい真剣だったということです。放っておけばすぐに他のことをやりだして、コロコロ話題が変わって作業を忘れ、「いい加減」で済ませて恥じない学生を叩き直すため、僕も頑張りました。
その翌年、後輩たちが見て感動した電通やスタッフサービス、アシックス、東海東京証券、JAL、大正製薬の通過エントリーシートは、あの「限界を超える集中」の結果です。
僕は「その時に嫌われること」など、なんとも思いません。それよりも、将来「あの人は私に手を抜いてたんだ」と失望されるのが嫌です。
今感謝されるような努力も、それはそれで時によっては大切ですが、就活は相手があることだし、通過や内定の時に「頑張ってよかった」と思えねば、どんな努力も肯定できません。そして結果が出せない顧問なら、いる意味がありません。
「最高の準備は、自信と余裕だ。本気で準備すれば、面接は楽しくなる」とは初年度から言い続けていることですが、地方大学の文学部の女子学生が、東京の有名大学の学生を蹴散らして笑顔で帰ってくるのは、見ていて実に気持ちがいいものです。
就活の早い段階から「最大限の努力」を始めた学生は、選考が進めば進むほど要領も良くなり、計画が「予定より早く終わった」となります。
こうして「思っていた以上の実力」を自覚できた学生は、さらに根拠のある自信をまとい、笑顔と余裕を武器にして、どんどん選考に勝ち進んでいきます。
反対に、最初の方で「最低限発想」に取り付かれた学生は、選考が進むほど能率が下がり、結果も悪化し、不採用通知の山ができ、友達に会わせる顔がなくなって、いつしか選考を放棄していきます。
顔だけは必死ですが、だからといって作品やパフォーマンスが良いかといえば、そうでもありません。必死さには「追う顔」と「追われる顔」の二種類があるものです。
僕はフリーターでそういう例を嫌というほど見てきたので、最初は学生が先に知りたがる「意味」が分からなくても、「やれと言ったらやれ」と押し切って、所定の計画を達成するように励ますことにしています。
いざ取り組めば、学生は最初にどんなに気が乗らない顔をしていても、終わった時は「やったぁ~!」と笑顔になるからです。中には「人生、夢っすね!」と調子に乗る学生さんも。
「君、3時間前は何て言ってた?」と思いながらも、僕も嬉しくなる瞬間です。延期せずに作業を仕留めた学生さんは、こうして放っておいても業界研究や面接対策を頑張りだし、もはや心配は「漢字だけ」になります。
就活の結果は、それを迎える心構えで、もう半分は決まっているんですね。
西南は今日から授業が始まったそうですが、3年生の皆さん、準備はバッチリですか?
全国46万人の大学生が一斉にスタートする10月まで、あと1週間です。
ちょっと上の世代の統計から逆算して推定すれば、このうち…
8%⇒公務員・団体職員
5%⇒留年・中退・不登校
11%⇒大学院・留学・専門学校
22%⇒成績不良者
30%⇒先延ばし病患者
なので、皆さんが対決する学生は残りの「24%=110,400人」で、視界に入る学生の4人に3人は最初から「敵じゃない」ということです。そういう人たちは、どの世代であれ、競わずとも自分から消えてくれます。
「すぐに着手し、決めた作業を終える集中力」があれば。
習慣ってすごいですね。
始めから30万人以上の同世代に「周回遅れ」の差を付けてスタートできるんですから。
10~12月は華々しい結果を求める必要はありません。それよりも地道な作業を継続して自信を付け、来る冬に良いスタートダッシュが切れる準備に専念しましょう。