■「内定への一言」バックナンバー編
「思考力と文章力は、作業量とスピードに比例する」
毎週一度、福岡女子大2年のNさんと会っては、K-POPの翻訳のチェックをしたり、読書について語り合ったりしています。訳読の成長ぶりを見るたび、勉強し始めて1年なのに、本当に語学のセンスがあるなぁと感じます。
「も~、やめて下さいよ!」と言いそうなので、もう少し続けます。
それにしても、いつもカバンがでかい…。僕もカバンの大きさと重さでは赤坂でベスト10(そんなランキングはない)に入ると思いますが、Nさんのカバンの大きさもすごいです。
何が入っているのかと聞くと、辞書やノート、教科書、本などがゾロゾロと出てきます。夏休みなのにいつも勉強熱心で、本当に感心します。最近は女子大国文科の伝統(?)に習い、金融に興味を持ち始めたそうです(M藤先輩が喜びますよ)。
しかも、今日は一日フリーということで、話題は自然と「古本」に。探検好きなNさんは、翻訳の打ち合わせの後、地図と大きなカバンを片手に六本松を歩き回ったようで、楽しそうなメールをもらいました。
来月の「forFUN」の特集は『福岡の古本屋さん』らしいので、これはNさん、出番ですよ。リハーサル部隊(一人…)として、ぜひ市内の古本屋さんと仲良くなって下さいね。
ちなみに、Nさんの連絡で僕も夕方に訪れた「三和書房」(六本松交差点、鳥飼ハウジングのビルの向かい)は、あの「大橋文庫」といい勝負と呼べるほど、店内に古い本が密集、山積していました。
店長は「3代目」というお姉さん。すごく明るい表情で、本への思いやお店の歴史を語って下さって、6年ぶりに記者に戻ったような気分になりました。
九大を囲む六本松地区は、一頃は10軒ほどの古本屋がひしめいていたそうですが、最近の学生さんはネットでレビューを見ただけで読んだつもりになるのか、あるいは手っ取り早い情報を好んで本を敬遠するのか、今では古本屋さんも3軒になったそうです。
特に、2代目のお父さんの経営理念は「学生に低価格で名作を紹介すること」だそうで、お店に来た学生さんとおしゃべりするのが大好きだそうです。でも、最近はめっきり若い人が減ったとのことで、本当に寂しそうでした。
僕の収穫は、なんとあの名著「論語物語」(下村湖人)の『歴史的仮名遣いバージョン』!こんな宝物が\100なんて、嬉しすぎます。また、山本七平の「武田信玄」(徳間文庫)や鈴木大拙の「禅の研究」(講談社学術文庫)も、\100でした…。うぅ、教えたくない…。
夕方以降、果たして満足に本を探せるだけの明るさがあるかは分かりませんが、夜8時まで営業されているそうなので、六本松近辺を通る方は、ぜひ寄ってみてはいかがでしょうか。ブックオフでは不可能な「ブックコンサルティング」がある明るいお店ですよ。
さて、そう言えば今日で『内定への一言』は300号を迎えました。「一言多いぞ」と言われながらもコツコツ配信してきて、今日は早速4名の方から総集編の申込を頂き、編集に追われているところです。こんなに早く注文があるとは…。
最近は、FUNでもホームページやブログを開設する学生さんも多く、数人の方から「話題の選び方」、「続け方」、「読ませ方」などについて質問を頂きました。
本メルマガは全くの趣味というか、個人的な奉仕活動としてやっているので、別段これといった戦略やノウハウがあるわけでもありませんが、心がけていることはいくつかあるので、それについて書くことにします。
~~公開。「執筆七箇条」(今数えたら7つだっただけ)~~
①毎日こまめに情報を収集し、メモを作るべし。
『内定への一言』は、執筆こそ30分程度しか要しませんが、僕は交差点でも喫茶店でも布団の中でも、絶えず携帯を側において、思いついた文言やフレーズ、情報などを記録しています。
そして、その「短文集」を毎日PCに送り、PC内の「下書き」と題したメモ帳①に貼り付け、分野別に整理して保存しています。これは思いつきの記録なので採用しないものもありますが、とにかく「仕入れ」が大事です。
そして、帰宅してメモ帳の「分野別短文集」をあれこれつなぎ合わせ、さらに大きな文に変えて、「メモ帳②」に移転させ、採用した文言を「メモ帳①」から削除します。現在、この小作品が193個あります。
②毎日本を読み、クリアな頭で読者の要望を想像すべし。
僕は今、一日平均4冊、月80~120冊の本を読んでいます。カバンの中にはいつも7~8冊の本が入っており、毎朝新陳代謝が行われます。ジャンルは歴史、古典、経営、文学などです。
メルマガで伝えられることは質・量ともに限られているので、本の話題なら引用元や参照先を正確に紹介し、学生さんの理解の便宜を図りつつ、自分の意見を客観視するためにも、これは必要な作業です。
よく「長い」と言われますが、そんなことは知ったことではありません。集中すれば一定の意見を持てるだけの内容を伴わせ、完読の実感を作るのは、書き手の最低限の責任だと思うからです。
ですから、「疲れた時は読まなくていい」と言っています。大抵、毎号バランスよく毒を混ぜているからです。「必要を感じた時にざっとまとめ読み」。そんな読み方でいっこうに構いません。
③「話題を語るな。話題で語れ」。
これは、営業塾でも「商品を売るな。商品で売れ」とお話した通りです。商品を売ろうとする営業マンは、うまくいきません。商品は夢や思いを語る材料・手段に過ぎず、本当に売り込むべきは考え方や人間関係です。
面接でも、「バイトを語る」という人は落ちますが、「バイトで語る」という人は相手が興味を示してくれますよね。「を」と「で」では、たった一文字の違いですが、意味するところと結果は全く違ったものになります。
本メルマガでも、雑多な話題を扱っていますが、それらは全て、「話題で語る」という位置付けで配信しています。「古本を語る」では自己満足ですが、「古本で語る」だと、実は人生観や夢を語れます。
④機械的に作業に没頭すべし。
「機械的」というと、「個性がない」、「面白みがない」と条件反射的に答える人もいますが、一定のエネルギーを要する作業は、問答無用で型から入れ、というのが僕の意見です。
何であれ、価値ある行動は「やる気になったらやる」ではなく、「やったらやる気になる」もの。「話題がないもん」と言って延期するのではなく、まず机に向かい、情報を整理するなり短文を作るなり、やってみることです。
そうして一文でも書いてみれば、「何か違う」とか「そうそう」と推敲・加筆が始まり、みるみるうちに一作品が仕上がるもの。勉強もメルマガも就活も、「条件反射」がものすごく大切です。
帰ってまず、何をするか。それで結果の9割近くは、既に決まっています。僕は何をおいても、帰宅したらまず先にやるべき作業を済ませます。10秒でも横になろうものなら、即アウトです。月に1度くらいは、そういう無駄なミスもありますが…。
⑤思考力と文章力は、作業量とスピードに比例する。
これは、僕の好きな作家や学者、経営者が等しく述べている「仕事の哲学」です。「多作=内容が薄い」というのは勝手な思い込みに過ぎないことは、「続・知的生活の方法」(渡部昇一/講談社現代新書)にも詳しく書いてあります。
ここでは、「八甲田山・死の彷徨」(新潮文庫)を気象予報士の仕事の傍ら書き上げた新田次郎さんや、企業小説を書く銀行員・山田智彦さんの仕事ぶりを紹介しており、どちらも「量と速度は質に転化する」という良い事例です。
「時々書く」、「あまり書かない」という人は、作家でも大学教授でも、作品のレベルは低いものです。インスピレーションを捕まえた瞬間に没頭し、集中と継続をもって作業を仕留める習慣を付ければ、毎日違う話題で書き続けることができます。
「量が少ない」、「ペースが遅い」というのを、「頭では分かっているんだけど…」と言う人もいますが、嘘です。量とペースこそ、即「頭の中」です。
「型が発想を作る」という事実を経験から確信できれば、学生時代のテスト勉強も楽勝になるでしょう。
できる人は皆、着手が早いものです。そして、他人より早く集中が訪れ、修正の時間も材料も多く持つことができます。最初から完成品を目指す人の作品はいつも粗末で、まず全体を作り、修正に後半を充てる人の作品は読み応えがあります。
⑥アイデアは、出せば出すほど新しく生まれる。
話題が尽きることを恐れて、ネタを小出しにしないことです。それよりも、自分が一定の納得や境地に達するまで一気に書ききってしまう方が、次のアイデアにつながります。
アイデアというのは、一つの完結した意見に引っかかった情報とも言えます。ですから、自分の問題意識や要望をはっきりと自覚できなければ、必要な情報を見ても見えず、聞いても聞こえない、となってしまいます。
貯金でも人脈でもそうですが、何か形のあるものを得たいと思ったら、まずは「雪だるまの芯」をしっかりと作るのが大切です。「自分は○○について~と考えている」という自覚が、その「芯」に当たります。
⑦始めてから3ヶ月(100日)は、歯を食いしばって継続すべし。
このメルマガでもFUNでも、何度力説してきたか分かりませんが、何かを始めようと思ったら、「初日の実感」など信用しないことです。初日に感じるのは、自分の未熟さや手際の悪さだけです。
「1日目は、嫌々ながらやった。2日目は、面倒くさかった。3日目は、やめるのが嫌になった」という感じの言葉を、2年ほど前のメルマガでご紹介しましたよね。何かをやるなら、まずは「3日目の境地」に何が何でも行き着くことが大事です。
英会話であれ資格の勉強であれ、大きな期待を抱くのはいいことですが、初日でやめてしまうと、「私って駄目やん」と手痛いダメージを受けてしまいます。最初に全てを求めるから、そういう余計な感情に邪魔されるのです。
完成とは、最初ではなく最後に求める結果ですよね。だったら、まずは「やめたくない、やめられない」という精神状態を早く作ることです。手っ取り早く成功してすぐに忘れるより、継続できる習慣を持つ方が何十倍も価値があります。
メルマガもブログも、3日でも続けてみると、「やめるのが嫌」になるでしょう。不思議ですよね。昨日までは「やるのが嫌」、「続けるのが嫌」だったのに。
FUNでもエントリーシートや面接は、まず問答無用で量をこなしますが、それはこういう習慣を作るためです。「やめるのが嫌」になった人は、勉強でも仕事でも連戦連勝です。
続けずにモノになることは、世の中に一つとしてありません。もし短期間で熟練したのなら、そんな能力は「メッキ」に過ぎません。
タナベ経営の創業者・田辺昇一さんも、「3年で覚えられる仕事など仕事ではない」と言っていますが、まさにその通りです。
「自分が書くこと」は、前提となる習慣に過ぎません。より大切なのは、「読者が読むこと」を習慣にすることです。読者の最初の期待は大きいのです。それを良い方に裏切るくらい、圧倒的な情熱と継続力でやり抜きましょう。
文章力や言葉遣い、話題などに思いを致すのは、それから先でも十分間に合います。逆に、早いうちからそんなことを気にすると、すぐに中断します。
たった一つのメルマガ、ブログでも、最初は「新参者のイベント」に過ぎませんが、100日も続けてみれば、毎日に新しい発見や感動をもたらしてくれる立派な友達に育ちます。
そういう意味で、学生の皆さんにも、「そうなのか!」と思っているうちにメルマガやブログを持つことを、ぜひご提案したいところです。
全ての目標を達成し、欲しいものを運んでくれる「継続力と集中力」が、部屋の中で身に付けられるなら、これを手に入れないなんてもったいないですよね。それを手に入れないうちは、別のマイナスの習慣が、刻一刻と体に染み込んでいるわけですから。
ブログやメルマガ、HPを開設したら、ぜひお知らせ下さい。僕も今までの恩返しに、ぜひ皆さんの考えを知り、発信をお手伝いできたらと考えています。
ということで、来月の「就活編」まであと10日ほどありますが、今後ともよろしくお願いします。
小島HP⇒ http://forfun.zzkt.com/nkhp1.html