「大きなものが大きいのではない。小さなものが小さいのではない。それは、心一つだ」(『小さき者へ』有島武夫・新潮文庫 より)
母を亡くした二人の子供に、父としての有島が言って聞かせた言葉です。
人生のどの分野にでも当てはまる、シンプルな名言ですね。「今日も同じような一日だった」、「どうせ今回も同じだろ」…一日の中で、そんな言葉を吐いてしまうことはありませんか?
でも、同じ一日なんてありません。問題は心構え。これを象徴する分かりやすい話が『大きく考えることの魔術』(ダビッド・J・シュワルツ/実業之日本社)に掲載されています。
FUNではもう数え切れない紹介してきた、「レンガ職人の話」です。
場所は十九世紀のアメリカ…あるフランス人の旅人が、建設工事現場らしい場所を通りかかり、そこで働いている若者たちに話しかけていきました。
旅人 「あなたは何をしているんですか?」
一人目の若者 「見れば分かる通り、レンガを積み上げているんだよ」
旅人 「ああ、そうですか」
旅人 「あなたは何をしているんですか?」
二人目の若者 「ふん、一日5ドルの仕事をしてるんだよ」
旅人 「ああ、そうですか」
旅人 「あなたは何をしているんですか?」
三人目の若者 「歴史に残る建造物の工事に参加しているんです」
というだけの話です。
三人がやっている作業は、全く変わりません。みんな同じように、レンガをある場所からある場所へ移動させたり、積み重ねたり、動かしたり、そんなことを続けています。
しかし三人とも、こうも見事に答えが違うのはなぜでしょうか。それは、「何を考えているか」が違うからです。
今やっていることが何のための作業で、何につながっていて、自分がどういう位置で何を期待されているかが自覚できていれば、作業に疲れることはなく、小さな行程にも喜びや意義を見出すことができる、という人生の教訓を示すものとして、経営者からはよく聞く話です。
さて、あなたの就職活動や仕事に対する見方は、どうでしょうか。
「またエントリーシートか…」、「どうせ、次の面接も同じような質問だろ」、「筆記はイヤだって言ってるのに…」こんなことを考えたりはしていませんか?
スーツ姿で友達とばったり街で会い、「何してるの?」と聞かれて、「見れば分かる通り、就活やってるんだよ」と答えていませんか?だから、面白いほど落ちまくるのです。
単調な繰り返しは、誰もがやること。ならば、差が付くのは捉え方。エントリーシートは、「たかが二○○~四○○字程度の書類だ」と思う人にだけ、退屈な書類になります。面接は、「テキトーにハッタリかませばいいや」と思う人にだけ、圧迫面接になります。
反対に、どんなに見飽きた質問でも、聞き飽きた質問でも、毎回初心を見直し、自分が同意する未来を描いて場に臨む人には、全ての現実がチャンスになります。
今やっていることが何のためかを決めておけば、現実に飽きるなどということはありません。
飽きるのは、自分の描いた退屈な未来が導いた単純な現実だけ。
夢を変えれば行動が変わります。行動が変われば、結果が変わります。
そういう結果こそ、今の時期に積み重ねるべきものです。
日に日に新しい自分を伝えるこの就職活動、心から楽しんでいきましょう!