■「内定への一言」バックナンバー編


「なぜ我々の未来の予測は当たるのか、だって?

それは、我々が未来を作ってしまうからだ」(ポール・アレン)

その②




あなたは、「これから衰退しそうな会社」や「今がピークの会社」のことを考えながら、町を歩いていました。そしてふと、「あった!」とひらめきました。あるレコード会社が、新人歌手のCDがヒットし、マスコミが「大型新人、鮮烈デビュー!」と報じているものの、音楽に対する読みだけは外れたことがないあなたは、「いいや!あんなのは一発屋にすぎない。じきに廃れて、売れなくなるはず」と読んだのです。



町にはいたるところにその歌手のポスター。お菓子のCMにも、その歌手が出ています。確かに、顔だけはかわいいかもしれません。しかしあなたには、まだ、その歌手が次もヒットするとは思えません。長年ヒットに苦しんでいたそのレコード会社が、この一人の歌手だけで持ち直すとも、思えません。



しかし、マスコミに踊らされた人々は競ってCDを買い、レコード会社の株価は最高値をつけました。それを知ったミニ投資家たちは、「最高値なんてすごい!私も株を買おうっと」と、まだまだ上がると期待して資金をつぎ込んでいます。




あなたはある決意を胸に、証券会社に出向き、そのレコード会社の株式を、五○○万円分、一○○○株、借りました。株価はピークの五○○○円。その株を「買う」のではなく、「株券を借りた」のです。あなたの義務は、半年後、証券会社に一○○○株を返却すること。五○○万円を返すのとは、違います。


あなたが借りた株は


額面五○○○円×一○○○株=五○○万円


です。




あなたは迷わず、翌日になって、その一○○○株を最高値で売却し、計画通り、五○○万円の現金を手にしました。五○○万円を手にしたあなたは、別にそれを使うことなく、じっとレコード会社の様子を見守りました。「株価、下がれ!」と願いながら



音楽の目利きなら人に負けないあなたの予想は、見事に当たりました。調子に乗ったその歌手は、CMやドラマに出まくり、ワイドショーでは「小生意気」と言われ、女子高生からは「てか、ダサくない?」と嫌われるようになり、連続ヒットを狙った二枚目のアルバムは、「似たような曲調で、飽きるんだよ!」と評論家やリスナーから酷評。CDは、初夏の台風のように、オリコンチャートからすぐに消えていきました。



ショックを受けたその歌手は、気持ちを癒すためか、遊び人として名が知れていた芸能人とスキャンダルが発覚。歌手のイメージも、会社のイメージも、急落してしまいました。わずか半年後には、期待の新人がイメージダウンしてしまい、売れっ子歌手がいなくなったそのレコード会社の株価は、半額の二五○○円にまで暴落してしまいました。最高値で株を買ったOLたちは、「信じられな~い!」と泣き叫んでいます。



しかし、冷静なあなたから見てみれば、「下がった」のではなく、「元通りになった」だけ。さて、半年後ということで、あなたが証券会社に一○○○株を返す時が近付いてきました。最高値で株を借りて売却し、その見返りに得た五○○万円のお金は、まだ一円も手を付けずに、そっくり残っています。半年前、一株五○○○円で買った株は、今や二五○○円


あなたは

額面二五○○円×一○○○株=二五○万円


と、五○○万円のうち二五○万円を使って、一○○○株を買い戻しました。証券会社との約束は「一○○○株返して下さいね」でしたよね?ということで、一○○○株返したあなたの手元には、株価が半値に暴落したおかげで、一○○○株返したのに、まだ半額の二五○万円が残っています。それは全部…「あなたのもの」です。暴落してよかったですね、あなたの株価。



以上、簡単に説明した割には長くなってしまいましたが、これが信用取引の基本的な仕組みです。別に「良い借金ならすべきだ」と言っているのでも、「若い歌手の不幸につけこめ」と言っているのでもありません「こうなる!」という未来を想像できた時、「こうしよう!」と計画して行動すれば、未来は本当に「思い通りになる」ということを、株式投資を題材にしてお伝えしたかったのです。



例えば、大学進学は、人生における巨額の「信用買い」です。借金をして自分の価値を高めようとする学生・家庭が大半だからです。計画通り、大学教育で「あなた株式会社」の株価が上がれば、あなたは実社会という市場で、まぁ、サラリーマンの身分で限界はありますが、高値で売買される「注目株」になれるでしょう。



反対に、暴落した人はフリーターニートになっています。何百万円というお金を投じて学校に行かせ、在学中は車やパソコンも買ってあげ、旅行代金も出してあげたのに、変な遊びを覚えてしまい、結局は失業式を経てプー太郎にそんな「値下がり株」を、「フリーター大歓迎!」と、安値で酷使する会社も、たくさんあります。




新卒の正社員なら、二倍以上払わないと労働力として雇用できなかった若者も、卒業式を控えて「業界はもう関係ない。とにかくどこでもいい。内定がほしい。内定がダメならバイトでもいい・・・」と、かつてのプライドはどこへやら。



四~六月になって周囲は社会人になり、自分だけは取り残されて、学生証とともに身分も失い、気分が落ち込んでいる「フリーター」になった状態で雇用すれば、人件費は半額で済みます。そうして浮いた差額は。丸々「利益」。これは「人材の信用売り」ですよね。



町の中に「学生・フリーター大歓迎!」と貼り紙がしてあったら、「また、若者が安値で買い叩かれている」と思って下さい。全く、ひどい話です。しかし、サボった若者も悪いです。




僕はフリーターの支援を業務としていますが、こういう世の中のシビアさも教えながら、心の底から自信をつけさせることを大切にしています。フリーターや保護者の方々は、あまりにリアルに感じすぎて、ぞっとする人も時々おられます。



つまり、世の中は、何でも信用買い&信用売りで成り立っている、ということです。あなたも、誰かの想像のターゲットにされているかもしれません。自分で決断できない人の人生は他人が決めてくれます。それはあなたではなく、「他人」の成功です




僕は学生に、自分の可能性を心の中にしまっておくのではなく、ぜひ挑戦と失敗によって開花させ、自分の価値を高めることで、未来の成長株・注目株になってほしいと考えています。



今日は非常に長くなりましたが、学生の皆さんには、ぜひ信用買いで連戦連勝を続け、自分の可能性を高めていってほしいと願っています。自分の未来に対して、評論家になっていませんか?周囲なんて無視しておけばいいんです。どうせ、「そうなると思った」としか言わない人たちを相手にするのは、時間のムダですよ。




さて、今日も「未来の成長株=学生」の可能性をカタチにすべく、信用買いをしに行ってきます。今日は福岡女子大学です。