■「内定への一言」バックナンバー編
「その商品は、あればいいなと、ないと困るのどちらか」
その②
ということで、「安売り店」とは「フリーター」と同じで、収益力が弱いからこそ、人の2~3倍働かないと、同じお金が稼げないわけです。フリーターの方々には、「で、君が欲しかった時間的自由ってのは、手に入った?」と聞くようにしていますが、皆「いいえ」と言います。このように、「割引」とは、タコが自分の足を食うのと同じです。
経営力とは「定価で売る力」を言うのであって、値下げや特典は、「4アウトの野球」や「キーパーが2人いるサッカー」と同じ。つまり、「やればやるほど、弱くなる」。
スケールメリットが確保できない中小規模の業者が「値下げ」をやれば、その末路は哀れです。僕は記者時代、そういう会社やお店を何百と見てきました。
「キャンペーンは大成功だぞ!」と喜ぶ社長に対し、「さすが社長!」と持ち上げる部下…。「ダメばい、こりゃ」とは言えませんでしたが、そういうお店があった場所では、今は別のお店が営業しています。
そういう経験もあり、また、僕自身も創業で集客には大変苦労したので、集客に困っている友人には、「おまえは、半年後の会社の財務状況を予測できるか」と聞きます。大抵、「できない」と答えます。中には、「そんなの、分かるわけない」と言う人もいます。
なので、「分からないんじゃなくて、考えていないんだ。とにかく、見えていないことに変わりはない。自分の店の将来さえ見ていない店長のところで、ヒット商品やお得意様が生まれるわけがない」と言います。
全く、こんな会社や店舗ばかりだから、広告代をぼったくられるわけです。彼らは「広告屋はウソばっかりだ」と文句を言いますが、その前に、「今日も天気と運任せ」という経営状態をどうにかしろ、というのが僕の意見です。
そこから、「不要な客」、「相手にしなくていい客」を絞って除外し、「今すぐ客」と「見込み客」について聞きます。そして、お店や商品、店長自身を商品とし、見込み客の視点に立って、息の長い関係づくりを考えるわけです。
…と、前置きが長くなりましたが、隈本さんが「隈本集客事務所」として独立して以来、そのような本や経験を、よく思い出します。それで、僕も「ミニコミ」とは言いながら、読者が数百人になるメルマガを飽きもせず毎晩発行しているため、隈本さんの新提案である「メルマガ広告」を、先日から掲載しています。
それで、隈本さんに、クライアントさんのお人柄や業務内容を聞いてみたわけです。隈本さんは「素朴一徹」という感じの人ですから、率直に答えてくれました。そして、「これは応援しないと!」と思いました。
申し遅れましたが、本メルマガの歴史について語っておきましょう。
2003年秋 学生の志望業界別に、業界情報を配信。
2004年春 携帯メルマガに切り替え、エッセイ形式で配信。
2005年春 携帯メルマガが「70人&1,000号」を迎え、携帯代が7万円を超えたので、PCメルマガに移行。
携帯メルマガのバックナンバーを、「内定への一言」というタイトルで、一言どころか「長い独り言」形式で連載し始めたら、1年間で読者が686人に増加。
という、3年の歴史です。3年間、1週間も休んでいません。ちなみに、メルマガの総文字数は、ハードカバー3冊に相当する「711,065字」です。
このように、本メルマガは、元々、「広告媒体」として発刊したわけではなく、「空き時間に学生さんに役立つ情報を」という善意で、僕が文章好きということもあって、気楽に配信してきただけです。そのため、本メルマガに広告を掲載するという話があった時は、「500円でいいよ」と答えました。ただ、僕は執筆者として…
・クライアントの機嫌を取ることはしない
・趣旨を勘案し、学生を応援しない会社は載せない
・クライアントの意向で内容を変えることはしない
を条件としました。「反響が云々と文句を言う人、お断り」ということです。すぐに反響が欲しい会社なんて、どうせ儲かってない会社です。焦ってフォローしない会社など、応援するつもりはありません。しかし、無責任に掲載するつもりはありません。
僕が過去数年、短い起業経験で「成功した広告」と呼べるものは、全て、「夏の毛皮、冬の水着」のような長期的視点で呼びかけたものばかりでした。どういうことかと言えば、、「仕事イヤ~。来年転職しようかな」と言っている人、つまり、「今すぐには、わが社のサービスを必要としない人」にだけ、呼びかけてきました。
例えば、「デジカメ?興味ない」と言う人に、デジカメの魅力を語っておくのです。「花?買わん」と言う人に、「花を贈る魅力」を語っておくのです。ニーズが差し迫っていない人は、面白そうに話を聞いてくれます。
「自分が売り込まれる」という恐れがないため、何を語っても客観的に聞いてくれ、時には感情的に反応してくれます。そうして、まずは誰であれ、「正しく知ってくれる人」をたくさん作るわけです。
そして、「興味がない人」はその後、どういう行動を取るかというと、周囲にその商品を欲しがっている人がいると、「ピン」と思い出し、親切に紹介し始めます。
さらに律儀なことには、自分でも、例えばデジカメが欲しくなると、「ねぇねぇ、半年前にさぁ、デジカメ買うならここで買って、って言ってたじゃない?あれ、どこだった?」と、半年前のことを質問してきます。
「今すぐ客」を相手にすれば、バカ高い広告費が必要になります。しかし、「興味はないが、いつかは必要とするであろう人」を相手に、正確にメリットを伝えておくと、超・低コストの上に、後日すごい威力を発揮するものです。
僕は、広告しなくていい商品こそ、良い商品だと思います。そして、僕の商品が「あればいいな」から、「ないと困る」と言えるだけの情報を備えるには、多大なコストと労力を要しました。どれだけ多くの方々の支えで、創業7ヶ月の苦難から再起したかを思うと、今でも感謝で頭が下がります。そのような方々は、当時、若干26歳の僕が「成功したら、恩返しします」と言うと…
「いいんだ。代わりに、他の人を助けてあげなさい」と言ってくれました。
ということで、今も学生をお手伝いしている訳です。そして、その学生さんたちが毎年卒業し、起業した人も今までに2人います。彼らが「お世話になった人を応援したい」と言ってくるのなら、僕が断る理由はありません。
さらに、隈本さんが「本当に学生のためを思っておられる方々です」と言うのなら、僕も若輩浅学の身ながら、学生を応援する一社会人であるため、500円広告を掲載して下さる方々も、同じ気持ちなんだろうな、と思えます。
全てのクライアントさんは、僕より年上で経験豊富な方々ばかりだとお聞きしていますが、僕がたまたま、こういうメルマガを発行していた縁で、一緒に学生を応援できるのは、有り難いことです。本メルマガが、学生さんの幸せと、クライアントさんの繁盛につながれば、それはそれで、大変喜ばしいことです。
読者の皆様も、多くのドラマと個性を持つクライアントさんの会社・お店を、ぜひ覗いてみませんか?今すぐ商品が必要ではなくても、働き方や人生の指針など、得がたい財産が得られるはずですよ。