■「内定への一言」バックナンバー編


「人は支配できる仕事を好み、服従する仕事を嫌う」(ポール・アラン)


その②



僕は25歳で退職し、東京の出版社と専属記者契約を結び、2冊の本を出しました。戦史の回顧録と、ある詐欺事件にまつわる裁判の奮闘記録です。1冊は、紀伊国屋書店で売っていますよ。それらの仕事は、大変高額でした。


受注から発刊まで半年ほどですが、取材・編集・校正・装丁という、僕が関わった作業はわずか1ヶ月ほど。報酬は120万円ほどでした。僕はそのうち30万円程度をフリーターの友達に配分し、原稿入力や表編集など、最も煩雑で繰り返しの多い、やりたくない仕事を任せました。そんな仕事を、2つやりました。



また同時に、知人の紹介で、英語の翻訳と、韓国語の通訳・翻訳業務を担当しました。英語の方は、日本に進出するアメリカ企業のビジネス文書を翻訳する仕事。韓国語の方は、テレビ番組の字幕翻訳や、中古家電製品の説明書の翻訳です。また、JICA富士合宿では、通訳も担当しました。



また、自分の全ての人脈をつぎ込んで異業種交流会を組織し、月に数回の定例会を開き、これはかなり、儲けました。ちなみに、この交流会に時々参加していたのが、当時大学2年生だった、FUN創設者の安田君です。


交流会の人気企画「夢のプレゼン」は、安田君の尽力でFUNの名物行事となっているのは、部員の方ならよく知っていますよね。



創業準備に奔走した25歳の1年間は、調子に乗るほど稼ぎました。月収は6080万円ほどで、生活費や起業資金を差し引いても、270万円の新車を現金で買えました(のち創業の苦難で売却)。20歳で海外勤務を果たし、22歳で4ヶ国語を覚え、24歳でトップ営業マンにもなって、25歳で夢の貯金も終わり、「世の中って、なんて甘いんだ」と思ったのが、運の尽き。起業はそんなに、甘いものではありませんでした。



僕から見て、今の学生はどうか?



時々聞かれますが、大学を出ていない僕には答えにくい質問です。しかし、正直に答えると。まず能力や知識の面で、どの年齢で考えても、当時の僕より優れた能力(語学力、経済知識、会計センス、時事問題の知識、PC能力など、ビジネス面でのスキル)を持っている人は、一人もいません。他の知識は、どうか分かりませんが。


ましてや、継続力や負けん気の強さ、意志の強さとなれば、どの学生を見ても、当時の僕より、5歳ほど幼いと感じます。



とにかくみんな、意志が弱い。もう10歳も離れているので気になりませんが、なんで同じことを100日程度続けられないのか、疑問に思います。教えたいことは色々ありますが、100日程度続けられない人には、こちらも限度があるというものです。「いつまでオレに遠慮させる気なのか」と思います。


これから毎日必死で、4時間睡眠くらいで勉強しないと、25歳の時の僕に追いつくのは、到底不可能でしょう。僕はずっと、1020歳年上の人と競い合ってきたので。



同級生が県道でダラダラ走っている間に、都市高速で事故スレスレのレースを繰り広げてきたようなものです。そりゃ、久しぶりに下の道に下りたら、タダでも周囲がスローに見えます。


ただ、ボロクソに叱られて、非常識な残業もさせられて、不当な扱いを受けても、僕は絶対に、言い訳をしませんでした。「こいつら、覚えてやがれ!!!」と歯ぎしりをしながらも、未来のために頑張りました。



すると「大人なんて、全然大したことない!」と、心からそう思えました。皆さん、今から本気になれば、ダラダラと惰性で働いてきた10歳くらい上のサラリーマンくらい、楽々追い抜けますよ!


そういう人は相手にする価値もないかもしれませんが、社会では努力次第で、どんどん上に行けますよ!



と思っているので、今は学生さんを応援するため、自分が得てきた知識や経験を、毎週惜しみなく、学生さんに提供する活動に熱意を燃やしている次第です。



と、以上が学生さんだけでなく、会った人からよく聞かれる質問です。20代前半は、うまく物事が進んだため、普通に経歴を話しても、「威張っている」と思われたりするのですが、以上の経験は誇張でも何でもなく、単なる事実です。威張れることなら、他に腐るほどあります。多すぎるので、いちいち書きませんが。



20代を終え、学生時代から今までを振り返ってみると、本メルマガでも何度か紹介してきた、ポール・アランの一言を思い出します。それは「人は支配できる仕事を好み、服従する仕事を嫌う」という言葉です。



例えば、あなたが「大きな夢」を描くとします。すぐに、「全てが足りない自分」に気付くでしょう。若者のはやり言葉で言えば、「理想と現実のギャップ」とかいうものです。僕は、「だからどうした?」としか思いません。



挑戦者はギャップを楽しみ、臆病者はギャップを怖がる。



ただ、それだけのことではないでしょうか。ギャップがあるから無理と言う人は、ギャップがなくても無理です。だって、全てがギャップに見えるから。ギャップを恐れている方がおられるなら、以下のことを知っておくとよいでしょう。



ギャップとは、あなたが「平均以下」だから生じるのではなく、あなたの「夢が大きい」から生じるのだ、と。FUNが発行している月刊誌forFUNの最新号で、福岡女子大学英文学科のWさんが、「巻頭提言」で書いてくれているように、「今の自分にできなくても、未来の自分ができればいいんだ!」ということです。



あなたが「やりたい仕事」と言う仕事は、おそらく「支配しうる範囲が、他の仕事に比べて多い仕事」という意味も含んでいるでしょう。反面、「やりたい」とは思えない仕事は、自分に準備不足の要素が多く、「服従を強いられる範囲が多い仕事」という意味かもしれません。


しかし、無心に仕事に打ち込めば、1年後に見える仕事は、ずいぶん変わっているでしょう。1年前は「ちょっとねぇ」と思った仕事も、「あの仕事って、面白そうだ」と思えるはず。



仕事は変わっていなくても、自分が変われば、物事は全く違う姿で見えるものです。仕事など、「自転車の練習」と同じ。乗れない時は、転ぶのが怖い。乗れたら、「なぜ乗らないのか」と思う。つまり、「服従」が「支配」に変われば、楽しくなるんです。



小学生が、「僕はアルファベットが読めないから、大学入試は駄目なんだと悩んでいたら、あなたはどうアドバイスしますか?「そんなの、すぐに読めるようになるよ」と言ってあげることでしょう。


仕事も同じです。だから、今の自分を基準にするのではなく、未来の自分を基準にして、仕事を選びましょうね。