■「内定への一言」バックナンバー編
「試合のたびに新しい課題が見つかって、
30年間、同じ練習なんて一度もなかったよ」(ペレ)
今日は朝から「合格エントリーシート講座」の第2回、昼から面接塾と続き、朝から夕方までを西南会館で過ごした一日でした。エントリーシートをやっと書き始めた方、既に面接を何度か受けた方、いくつか内定も見えてきた方、民間と公務員を迷っている方…様々な動機の方が集まりましたが、皆さんとても素直で、よく集中して聞いてくれるなぁと、いつも嬉しくなります。
5時間近く立ちっぱなしで、かつ3時間もしゃべりっぱなしだと、さすがに声が少しかれてしまうのに、今日は夕方に模擬面接の面接官役をさせてもらい、女子大のKさん、久留米大のY君、西南大のAさんの元気な様子に、疲れも忘れるほどでした。九大のY君は、2年生ながら面接塾も作文塾も参加ということで、自分なりに設定した課題を聞いて、大変感心しました。ぜひ、一緒に目標を達成していきましょう!
さて、面接塾も今週で7週目を迎えましたが、実は毎回、少しずつ話の内容が変わっているのはご存知ですか?「誰か気付くかなぁ…」と思っていたら、案外気付いていた人もいたようで、今日は久留米大のMさんから、「内容が毎回変わって、聞くたびに勉強になります」という、有り難いメールをいただきました。Mさんはいつもクイックレスポンスで、参加した日の夜は、必ず達成と感謝を記したメールをいただいおり、なんと素晴らしい心がけかと、いつも感心せずにはいられません。
しかし…。Mさん。話の内容が違って聞こえるのは、何も僕が内容を「マイナーチェンジ」しているから、だけではありませんよ。
何人かにはお話したかもしれませんが、僕の実家はピアノ教室で、母親はピアノ教師です。23歳で独立して教室を開業し、25歳で大卒の2倍の給料を稼ぎ出した母は、ことお金のセンスに関しては、僕も及ばないくらい鋭いものを持っています。
しかし、音大卒だけに経営用語などは全く知りません。ただ、「カン」がやたら鋭く、決断が速い。しかも努力家。昔から、口癖は「ピアノは1曲を1,000回練習したら、やっと練習の仕方が分かる」で、「1万回弾くと、作曲者の顔が見えてくる」と言っていました。
その言葉を裏付けるように、子供部屋の横の「ピアノの部屋」からは、何時間も同じ曲が流れてきて、僕はショパンやリストの曲なら、曲名は知りませんが、今でもほとんどの曲を覚えています。「3年も続けきれんで、何がモノになるとね?1,000日程度続けられんなら、やめてしまいなさい」という母の教育が、今の僕にどれだけ支えになっているか、感謝してもしきれないものがあります。
…と、そんな母の言葉を、最近学生さんと接していて、よく思い出すのです。
僕は高々、学生の前で講義を380回やってきて、メルマガを205号出した程度のことしかやっていませんが、面接塾だけでも、6週連続で24回、話し続けています。
しかし、全く飽きないのです。それどころか、これはいつものFUNでの講義でも言えることですが、一度として同じ時間はありません。内容も同じ。時間も同じ。参加者も時々同じ。テーマも同じ。
しかし、「目標」が違えば、内容も含めて、全てが新しくなります。僕は、こういう心がけを共有しながら学生さんと一緒に頑張りたいと思ったので、作文塾のレジュメの2ページに、ブラジルが誇るサッカーの神様・ペレの言葉を紹介しています。もう、ご覧になりましたか?
ペレは貧しい家庭に生まれ、小さい頃はボールも買えず、靴下やシャツを丸めた「球」でサッカーをしながら育ちました。子供の頃から明るく練習熱心で、朝早くから練習し、日中は工場で働いて、夕方から深夜まで、また練習。そんな日々を、青年時代まで過ごしました。天性の才能と不屈の闘志が認められ、10代でブラジル代表チームに入って以来の活躍は、皆さんご存知の通りです。
現在、世界の「スター軍団」と呼ばれるレアル・マドリードの、年俸数十億円の選手たちは、ジーコ監督に会うと子供のような無邪気な顔になって、「サインを下さい!」と言うそうです。ジーコ監督もまた、母国ブラジルでは神様のような存在ですが、そのジーコが憧れ、尊敬し、目指した選手がペレです。
どれくらい立派で偉大な選手かは、それを説明する言葉もないようで、だから世界中の人々は「神様」と呼んでいるのでしょうが、ペレが南米を変え、世界のスポーツに大きな影響を与えたことは、誰もが認める事実ですよね。
そのペレ選手は、子供の頃から練習の虫で、現役を引退した時に、ある人から「30年間も同じ練習を続けてきたなんて、すごいですね」と言われたそうです。それを聞いたペレは、「試合のたびに新しい課題が見つかって、30年間、同じ練習なんて一度もなかったよ」と涼しい顔で答えたとのこと。
周囲から見て「神業」のようなプレーでも、ペレは反省し、さらに高い目標のため、試合終了後から早速練習に取り掛かりました。文句のつけようがないくらい立派なプレーをしても、「慢心してはならない」と、さらに厳しいディフェンスの中で練習しました。周囲が「同じ」と感じても、ペレ本人だけは新たな課題を発見し、たとえ0.1%でも前進するために、30年間練習を欠かさなかったのです。
彼は名声や大金にも、酔いませんでした。彼の人柄を示す言葉として、他にもこんな、有名な一言があります。「名選手は、練習では目立たない。苦手な技を練習して、失敗ばかりしているからだ」。
チヤホヤされるための練習ではなく、さらに高みを目指すため、自分に厳しい試練を課し、新たな可能性の開花を信じて、ひたむきに自分と向き合う…。なんと立派な精神でしょうか。
さて、毎度のことですが、これを就活に当てはめると、どうなるでしょうか。もちろん、「面接を受けるたびに課題が見つかって、3ヶ月間で、同じ面接なんて一度もなかったよ」となりますよね。「同じ」だと思ったら、それは企業が単調なのでも、面接が簡単なのでもなく、ただ単に、「自分がもう、自分に何も求めなくなった」だけと言ってよいでしょう。
物事に臨んで、「飽きる」などということは、本来そう簡単に訪れる精神状態ではないはず。見切りを付けるのは、大抵、人間の方です。自分に多くを求めなくなった時点で、人は飽き、疲れ始めます。
「内定できればいい?」
まぁ、それくらいは楽々クリアできることです。いっそ、「相手を感動させまくりたい」とか、「思わず握手したくなるくらいの気迫を伝えたい」とか、「今日からでも働いてくれ、と言わせたい」と、目標を上げてみるのはどうでしょうか。たとえ内定できても、そう考えれば、さらに成長できるでしょう。
苦労の大きさは、目標の小ささに比例します。目標を大きくすれば、苦労は小さくなるわけです。あなたは、あなたが求めた分だけ成長します。人が「同じ」だと言っても、たとえ同じ段階の、同じ業界の面接を受けるにしても、いつも「初心」を持ち続けましょう。