■「内定への一言」バックナンバー編
「士たる者、三日会わざれば、相刮目して見(まみ)ゆべし」(三国志)
その②
魯粛からすれば、呂蒙は愛嬌のある「猪武者」で、いつも世の中のことや人間、政治については、呂蒙に「教えてあげる」という関係でした。だから、「無学の呂蒙が、また難癖をつけてきおって…」と思っていたら…。
昔と違い、呂蒙にはとうてい勝てなくなっていたのです。あの、いつも主君から勉強しろと叱られ、腕力だけが頼りの呂蒙が、なんてことだ!と魯粛は驚きます。魯粛は負けを認め、呂蒙に言いました。
「昔、私は君のことを、単に勇猛なだけの人間だと思っていた。しかし今は違う。君の学問は大した物だ。もう君は、私の知っている呉下の阿蒙ではないようだな」。
それに答えて呂蒙が言った有名な言葉が、今日の一言です。
「士たる者、三日会わざれば、刮目して相見(まみ)ゆべし」。
意味は「男たる者は、三日会わなければ、お互いに目をしっかりと見開いて会わねばならない」。つまり、「人間は本気になれば、わずか数日の間で大成長を遂げ、以前とは違う人物になることができる。三日で変わることもあるのだから、以前と同じ人間だと思ってはいけない」という、呂蒙の気迫を表した言葉です。
「呉下の阿蒙」というのは、「昔のままで学が無い人」という意味でも使われます。いつ会っても話題が同じ人。いつ会っても「疲れた」、「眠い」、「きつい」と言っている人。そういう人は現代版・呉下の阿蒙です。
さて、あなたは、変わりたいですか?人に認められ、すごい、面白い、頼れる、一緒にいたいと言われたいですか?もしかして、そういう大変化のためには、すごい年月がかかると思い込んでいませんか?だから、「少しずつ、ちょこちょこ…」なんて遠慮して、時間をかけても何が身に付いたか自分でも分からないような、小手先の勉強を繰り返してはいませんか?
変わるには、3~10日の短期間でいいので、他の誘惑を一切排し、徹底的に勉強することです。成績や客観的評価は気にせず、ただ集中と継続を経験するだけで、自分の見え方が変わります。
そして、今気になっていることは、聞こえなくなるでしょう。今聞こえていないことが、聞こえるようになるでしょう。長い長い社会人生活、あるいは、あと一年前後の学生生活を劇的に変えるため、たった10日間くらい、本気になってあげてもいいですよね。
呂蒙は「バカにされて悔しい人間」でした。しかし学生の中には、バカなのをバカと言われて、不機嫌そうにうつむいて、後から陰でゴチャゴチャ言う人もいます。負けて悔しくない人間になったら、人生はそこで終わり。あとは何をしようが、一生負け続けるだけです。
あなたの努力が結果を決めるのではありません。あなたの目標が、引き出せる努力の総量を決定します。以前にこのメルマガでも何度か紹介しましたが、「10%のコストダウンよりも、50%のコストダウンの方がうまくいく」(松下幸之助)の考え方と同じ。目標が変われば、常識も変わります。
だから、「これくらい頑張っていれば、これくらいにはなるだろう」というのは間違いで、「こうなりたいから、これくらい頑張ろう」が正しいです。持っている能力を発揮せずに就活を迎えるのは、解ける問題があるのに解かず、あえて不合格を甘受し、行きたくない学校に行くようなものです。僕はなぜ、学生がそんなことをするのか、いつも見てて不思議に思います。
「10日後に1%成長しようと思うのと、10日後に2倍成長しよう」と思うのでは、最初から発揮される努力に差が生まれます。だから、正しく力を発揮したいと思えば、燃えるような情熱(怒り、喜び、悔しさ、疑問、楽しさ、正義感)を持つべきで、目標の有無、強弱が努力と結果を決めます。
ちなみに、昨日の日経に載っていた厚労省の最新統計では、大卒新入社員の平均年収は、2,320,000円だそうです。つまり…
月収なら →193,900円
週給なら →48,475円
日給なら →8,813円
時給なら →1,101円
安心するのはまだ早いです。
これから、社会保険、年金、所得税、その他諸経費を差し引いたら、サラリーマンの「月収」が算出できます。サラリーマンとは、「40%はタダ働き(無給の奉仕活動)」という意味なので…。
9:00~12:00…無給
月~火…無給
1日~9日…無給
4月~8月…無給
23歳~35歳…無給
というふうに考えれば、学生が卒業後に就職して得られる「お給料」の正体が分かります。若い頃に手を抜いた人間からは、きちんと社会が差し引いてくれるんですね。実に公平な世の中です。我々経営者も、コストダウンがしやすくて助かります。「月給」と「月収」は違います。だから、実質的な新入社員の所得は、会社別の誤差上下10%を含むとしても…
年収なら →1,392,000円
月収なら →116,340円
週給なら →29,085円
日給なら →5,287円
時給なら →661円
これから、家賃、携帯電話、水道、ガス、電気、飲食、交際費、車、駐車場、ガソリン、保険、消耗品、雑費…などを捻出していけば、どうなるかは分かるでしょう。奨学金の返済もある人は、卒業初年度から「チキンラーメン生活」です。
つまり、「派遣社員の半分で、フリーターより少し上」というのが、大学生に下された一般的評価です。めちゃくちゃ悔しくないですか?呉下の阿蒙じゃなければ、絶対に悔しいはずです。だって、新卒初任給が「横並び」というのは、大学の勉強やその人の努力を否定している、ということです。
あなたがどこの大学に行こうが、何をやろうが、何を学ぼうが、どんな苦労や悲しみに耐えて努力しようが、それは全部「なかったこと」というのが、日本のサラリーマン社会です。
それでは学生のためにあまりに惜しいと思うので、僕は孫権が呂蒙に忠告したように、皆さんに「ぜひビジネスと会計を学ぼう」と言いたいです。内定したって、何も変わりません。
どんな内定をし、その先に何を描くかが、百倍も千倍も大事です。そのために「たった数日間」、燃えてみましょう。気迫が変われば行動、結果が変わります。そんな内定が、欲しくありませんか?呂蒙のようになるのは、あなたにも十分できることです。