■「内定への一言」バックナンバー編


「コミュニケーションとは、相手と自分を関連付ける作業である




就職活動で「自己PR」とよく言いますが、「PR」とは一体、何なんでしょう。「紹介」?「広報」?確かに、広報活動はPRと呼ぶのが一般的です。PRとはPublic Relationが正式な言葉で、この言葉からも分かるように、「(不特定多数の)大衆と自分を関連付けること」というほどの意味です。




つまり、「関係を作る作業」と捉えれば、人や組織の行う全ての情報受発信活動がPRです。赤の他人を見込み客にしたい、見込み客を顧客に変えたい、顧客をリピーターに変えたい、リピーターをファンに変えたい…。このような目的は、企業なら必ず持つものですが、全てに共通しているのは、「関係の構築・発展」です。




この「R=関係」を作る営みこそ、コミュニケーションだと言えます。投資家向け情報公開は「IRInvestors Relation)」と呼ぶし、顧客向けの「関連付け」のための活動は、通常CMとか広告とか言われますが、「CRM(Customer Relationship Management)」という言葉は、書店のビジネス書のコーナーに行けば、たくさん見かけます。



リクナビや毎ナビはさしずめ、Staff Relation(SR)を行う業者で、社員(見込み社員)と企業の関係を作る広告代理店です。




世の中みんな、個人も会社も、自分を相手とどう関連付けるか、もっと言えば「いかにして、関係あると思ってもらうか」に、多大な労力を投じているかが分かり、面白いですね。



年頃の男女は相手に「私に関係ある人だ」と思ってもらうために、多くの時間とお金を投じます。育毛剤の開発業者は、中年男性に「わが社の商品はあなたに関係ありますよ!」と思ってもらうために多大な資金を投入しているし、ダイエット器具のメーカーは、世の奥様方に「あなたと関係あるって言ってるのが分かりませんか?」と、商品をアピールしています。




「自己PR」などと聞くと、いかにも一方的な情報伝達を想像してしまいますが、本来の「関連付け」という言葉で考えると、表面的には一方的に思えても、実は無言のコミュニケーションが成立しているのが分かります。



学生に流行りの「自己PR」は、いっそのこと「関連付け」という言葉に置き換えた方が、作業が適切に理解できるかもしれませんね。台本に基いて一分間ペラペラしゃべっても、相手の反応を想定していなければ、「は?」と思われるだけです。




コミュニケーションで成功するには、一にかかって、相手の無言の欲求や要望を見抜き、感情を動かすことです。つまり、「どう関連づけるか(未来に向け、今の関係をどう変化させるか)」です。



だから、一方的な情報伝達に力を入れる前に、相手の要望を想像しましょう。力んでも、美辞麗句を用いても、自分を飾って大きく、すごく見せても、相手の要望にそぐわない限り、話の内容の五%も、相手には伝わりません




何にしろ、情報を受発信しているからには、相手との一定の関係が生じ、生成発展し、ある結果に向かっているもの。人や組織の一生もまた、PRの連続です。あなたにとってPublicとは誰ですか?どんなRelationが必要ですか?


会社とあなたの間に成り立たせたい「関係」を想像し、そこから逆算した会話を楽しめば、面接でもグループディスカッションでも、必ず印象に残るようになりますよ。